AppleはMacBook Air (2019)/Pro (2020)でグラスファイバーを使った新しいシザー構造のキーボードを採用するという情報があるそうです。詳細は以下から。
MacRumrosは現地時間2019年07月04日、TF International証券のアナリストMing-Chi Kuoさんから、Appleは現在のMacBook ProやAirが抱えているバタフライ構造のキーボード問題に対処するため、グラスファイバー(ガラス繊維)を用いキー自体を強化した新しいシザー構造のキーボードを開発し、2019年後半にも発売するMacBook Airのリフレッシュモデルからその採用を開始するというコメントを得たそうです。
There have been successful developments in the new scissor keyboard. The new keyboard could improve the typing experience by offering longer key travel and durability by adopting glass fiber to reinforce the keys’ structure.
Kuo: Apple to Use New Scissor Switch Keyboard in Future MacBooks, Starting With 2019 MacBook Air Refresh – MacRumors
また、MacBook Proは既にリフレッシュモデルが発売されていますが、KuoさんはMacBook Proについても2020年モデルで新しいシザー構造のキーボードが採用され、発売が噂されている16-inch MacBook Proでもこの新しいキーボードが採用されるだろうとコメントし、これによりシザー構造のキーボードを採用したMacBook Proの出荷台数は前年比500~700%で推移するだろうと予想しています。
We believe the partially refreshed MacBook Pro models will also adopt a new scissor keyboard in 2020; shipments of MacBook models equipped with a new scissor keyboard will grow 500–700% YoY in 2020.
Kuo: Apple to Use New Scissor Switch Keyboard in Future MacBooks, Starting With 2019 MacBook Air Refresh – MacRumors
Appleが2015年に発表したMacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)でバタフライ構造のキーボードを採用したのはシザー構造と比較してキーボードを約40%薄くできるなど以下の利点があったからで、これに関しては、やはり新しいシザー構造のキーボードでもバタフライ構造のキーボードの方が薄いようですが、ほとんどのユーザーにはその違いは分からないだろうとコメントされています。
バタフライ構造キーボードの利点
- シザー構造は2組のパーツを組み合わせたものだが、バタフライ構造のキーは1つのパーツでできている。
- 1組のパーツから作成したことでバタフライ構造のキーボードはシザー構造より4倍安定し、文字を入力できる。
- 加えてバタフライ構造のキーボードはシザー構造のキーボードと比較して40%薄く、キーキャップを17%大きくできる。
また、KuoさんはAppleはMacBook /Air/Pro向けに発表した「キーボード修理プログラム」で利用する交換用キーボードのサプライヤーを台湾のSunrexに変更しており、同社が今後Appleの重要なキーボードサプライヤーとなるとコメントしています。
バタフライ構造キーボードのタイムライン
- 2015年03月
▶従来のシザー構造のキーと比較して4倍の安定性と40%薄く、17%キートップが大きくなった全が新しいバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBook Early 2015を発表。 - 2016年01月
▶バタフライ構造を採用したMacBook Early 2015の特定のキーの反応や感覚が他と違う場合があるとして、エアダスターを利用したキーボードの掃除方法を公開。 - 2016年10月
▶第2世代バタフライ構造キーボードやTouch Barを搭載したMacBook Pro Late 2016シリーズを発売。 - 2017年02月
▶MacBook Pro Late 2016ユーザーから特定のキーから他のキーと違う音が聞こえる、またはキーが反応しなくなるといった報告がされる。 - 2017年06月
▶第2世代バタフライ構造のキーボードを採用したMacBook (Retina 12-inch, 2017)と、マイナーアップデートしたMacBook Pro 2017を発売。 - 2017年06月
▶MacBook/MacBook Pro 2017モデルでキートップのシンボル(Commandなど)が変更される。 - 2017年07月
▶MacBook Pro 2016と2017を比較した結果、第2世代バタフライ構造のキーボードがアップデートされていることが確認される(iFixit)。 - 2017年後半
▶MacBook Proキーボードの交換を求めるキャンペーンなどが行われ始める。 - 2018年05月
▶AppleInsiderがシザー構造とバタフライ構造のキーボードを採用したMacBook Proの不具合発生率のデータを公開。 - 2018年06月
▶AppleがMacBook Early 2015およびMacBook Pro 2016モデル以降の一部のキーボードに、文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない問題が確認されたとして「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始。 - 2018年07月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro (2018)を発売。 - 2018年11月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)を発売。 - 2019年01月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)でもキーの2重入力問題やキー入力の遅れが指摘される。 - 2019年03月
▶AppleのスポークスマンはWSJのインタビューの中で、第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro/Air (2018)でもごく一部のユーザーから同様の報告を受けていることを認め謝罪。 - 2019年03月
▶Ruby on RailsのDHHさんが、第3世代バタフライ構造のキーボードの問題はAppleが把握している件数より多いと指摘。 - 2019年04月
▶AppleはMacBookシリーズのキーボード修理について修理工程を見直し、ストアでの対応の場合、翌日までに修理が終わり返却できるようにサービスを展開したもよう。 - 2019年05月
▶元AASPで働いていていたRedditユーザーが、バタフライ構造のキーボードの問題はゴミだけではなく、キー内部にあるラバードームやキーが押されたという電気信号を伝える金属の疲労があると指摘。 - 2019年05月21日
▶Appleが同日に発売したMacBook Pro (2019)までの全てのバタフライ構造のキーボードを「キーボード修理プログラム」に追加。 - 2019年11月13日
▶AppleがMacBook Pro (16-inch, 2019)を発売。バタフライ構造のキーボードを廃止し、新たに再設計された1mmのキーストロークのシザー構造キーボードを採用。 - 2020年03月18日
▶AppleがMacBook Pro (16-inch, 2019)と同じ1mmのキーストロークのシザー構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13-inch, 2020)を発売。 - 2020年05月04日
▶AppleがMagic Keyboardを搭載したMacBook Pro (13-inch, 2020)を発売。バタフライ構造のキーボードが終了へ。
コメント
バタフライと一緒にTouch Barも葬り去ってくれないかなぁー
またちっこいキートップになるのかな
Magic Keyboardは使いやすいけど音がかちゃかちゃやすっぽいんだよね
打鍵感変えずに故障さえなくなってくれれば最高なんだけど
2015年の時点でこれを最高って言ってる信者がいたな
息してるのかな