AppleはMacBookのキーボード問題に対し、不具合の修理をストアで行い翌日までに返却できるようにサポートを改善するもよう。

　AppleはMacBookのキーボード問題に対し、ストアでの修理を翌日までに完了できるよう修理工程を改善するようです。詳細は以下から。

　Appleが現在販売しているMacBookファミリーには、2015年からシザー構造キーボードに代わり、正確なタイピングが可能なバタフライ構造のキーボードが採用されたものの、その工場の問題から文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない事が確認され、2018年には2017年までに製造された一部のモデルに対し「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」が発表されたものの、

この問題はその後発売されたMacBook Pro (2018)/MacBook Air (Retina, 2018)で導入された第3世代バタフライ構造のキーボードでも発生していることが確認され、AppleはWSJのインタビューでこれを認め謝罪しましたが、MacRumorsが入手したAppleの内部メモによると、Appleはキーボード問題に対し、ストアでの修理工程を改善するようです。

Next-day TAT

　MacRumorsによると、AppleはこれまでApple Storeに持ち込まれたキーボードの不具合のあるMacBook/Proを外部の修理工場へ送り修理していたそうですが、今後は再通知されるまで、Apple Store内で修理するように通知したそうで、

Apple has indicated that most MacBook and MacBook Pro keyboard repairs will be required to be completed at Apple Stores until further notice, rather than being shipped to an off-site Apple repair center, according to an internal memo shared with Apple Store employees last week and obtained by MacRumors.

Apple Now Prioritizing MacBook Keyboard Repairs With Quoted Next-Day Turnaround Time – MacRumors

ストアにはキーボードの修理対応数を増やすための修理サービス用パーツとガイドが配送され、スタッフは問題のあるMacBookのキーボードを受け取った場合、優先して翌日までに修理を終える(Next-day TAT)ように指示されているそうです。

Apple’s memo, titled “How to support Mac customers with keyboard-related repairs in store,” advises Genius Bar technicians that these keyboard repairs should be “prioritized to provide next-day turnaround time”:

Most keyboard-related repairs will be required to be completed in store until further notice. Additional service parts have been shipped to stores to support the increased volume.
These repairs should be prioritized to provide next-day turnaround time. When completing the repair, have the appropriate service guide open and carefully follow all repair steps.

Apple did not provide a reason for this change, but the company is known for customer satisfaction, so it could be trying to speed up the process a bit to alleviate frustration.

Apple Now Prioritizing MacBook Keyboard Repairs With Quoted Next-Day Turnaround Time – MacRumors

　MacRumorsはMacBook/Proが外部の修理工場へ送られると通常修理を終えるのに3~5営業日かかっているため、Appleはこの工程を見直し、ストア内で修理し翌日返却することで、ユーザーの不満を解消しようとしているのではないかと予想していますが、コメント欄を見る限りでは根本的な解決(バタフライ構造キーボードの変更)を望んでいる方が多いようです。

バタフライ構造キーボードのタイムライン

• 2015年03月
  ▶従来のシザー構造のキーと比較して4倍の安定性と40%薄く、17%キートップが大きくなった全が新しいバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBook Early 2015を発表。
• 2016年01月
  ▶バタフライ構造を採用したMacBook Early 2015の特定のキーの反応や感覚が他と違う場合があるとして、エアダスターを利用したキーボードの掃除方法を公開。
• 2016年10月
  ▶第2世代バタフライ構造キーボードやTouch Barを搭載したMacBook Pro Late 2016シリーズを発売。
• 2017年02月
  ▶MacBook Pro Late 2016ユーザーから特定のキーから他のキーと違う音が聞こえる、またはキーが反応しなくなるといった報告がされる。
• 2017年06月
  ▶第2世代バタフライ構造のキーボードを採用したMacBook (Retina 12-inch, 2017)と、マイナーアップデートしたMacBook Pro 2017を発売。
• 2017年06月
  ▶MacBook/MacBook Pro 2017モデルでキートップのシンボル(Commandなど)が変更される。
• 2017年07月
  ▶MacBook Pro 2016と2017を比較した結果、第2世代バタフライ構造のキーボードがアップデートされていることが確認される(iFixit)。
• 2017年後半
  ▶MacBook Proキーボードの交換を求めるキャンペーンなどが行われ始める。
• 2018年05月
  ▶AppleInsiderがシザー構造とバタフライ構造のキーボードを採用したMacBook Proの不具合発生率のデータを公開。
• 2018年06月
  ▶AppleがMacBook Early 2015およびMacBook Pro 2016モデル以降の一部のキーボードに、文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない問題が確認されたとして「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始。
• 2018年07月
  ▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro (2018)を発売。
• 2018年11月
  ▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)を発売。
• 2019年01月
  ▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)でもキーの2重入力問題やキー入力の遅れが指摘される。
• 2019年03月
  ▶AppleのスポークスマンはWSJのインタビューの中で、第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro/Air (2018)でもごく一部のユーザーから同様の報告を受けていることを認め謝罪。
• 2019年03月
  ▶Ruby on RailsのDHHさんが、第3世代バタフライ構造のキーボードの問題はAppleが把握している件数より多いと指摘。
• 2019年04月
  ▶AppleはMacBookシリーズのキーボード修理について修理工程を見直し、ストアでの対応の場合、翌日までに修理が終わり返却できるようにサービスを展開したもよう。

• Apple Now Prioritizing MacBook Keyboard Repairs With Quoted Next-Day Turnaround Time – MacRumors