MacBookのバタフライ構造キーボードはApple史上、大きな問題となっているようです。詳細は以下から。
Appleが2015年発売のMacBook (Retina, 12-inch)モデルから採用したバタフライ構造のキーボードは、それまでのシザー構造よりもキーが40%薄く安定性が4倍向上しているして導入されたものの、このキーボードについて一部のキーが2回入力されてしまう問題や、キーが正しく入力されない問題が指摘され、Appleは2018年に2017年までのMacBook/Proについて「キーボード修理プログラム」を発表しました。
その後、Appleは2018年に発売したMacBook ProやAirで第3世代のバタフライ構造のキーボードを採用しましたが、過去2回バタフライ・キーボード搭載のMacBook Proを購入し、キーが動かなくなったと報告していた元Ars Technicaのシニアエディタで現在はThe Outlineのエディタを勤めるCasey Johnstonさんは、第3世代キーボードに期待し新しいAir購入したところ、数ヶ月でこの問題が新しいAirでも再発したそうです。
Casey Johnston Bought a 2018 MacBook Air and You Know Exactly Where This Is Going: https://t.co/LF0pcaQeFf
— Daring Fireball (@daringfireball) 2019年4月26日
These keyboards are the biggest mistake in Apple’s history.*
* Or at least modern Apple history — post-NeXT-reunification. There’s no point comparing it to the Apple III or Lisa.Casey Johnston Bought a 2018 MacBook Air and You Know Exactly Where This Is Going – Daring Fireball
これに対し、Daring FireBallのJohn Gruberさんは、Appleが夏に新しいキーボードを搭載したMacBook Proを発売するとしても、MacBook全てのラインナップにそのキーボードが採用されるまで、しばらく時間がかかり、その間にもMacBookブランドに実害をもたらすとして、このキーボードはAppleの歴史の中で最も大きな過ちだったとコメントしていますが、
Great thread on the butterfly-keyboard failures, and why dust ingress probably isn’t causing most of the failures: https://t.co/3DpvdwF1IL
Which supports what I’ve heard anecdotally: the 2018 models with the membrane don’t seem significantly more reliable than the previous ones.
— Marco Arment (@marcoarment) 2019年5月2日
さらに、この問題は当初から言われている小さいゴミや埃の侵入だけが原因ではないという指摘を、元リペアショップやAASPで働いていたcil3xさんがRedditに投稿し話題になっています。
It’s not just dust
cil3xさんは、MacBookのバタフライ構造のキーボードに侵入した小さなゴミや埃は、(iFixitの指摘と同じく)バタフライ構造の外側にある白いバタフライパーツが押し下がるのを止めるものの(動画左)、
At this point, there should be little reason to believe that dust can get in there, since every possible vector of attack is throughly sealed and/or protected.
MacBook Pro Keyboard Failures: Why Apples dust excuse is bullshit! – Reddit
これが主な原因ならばキーが入力されない問題(No-input)が発生するだけで、多くのユーザーが”E”などの母音キーやスペースキーなど特定のキーで複数回入力(Multi-input)される問題を報告しているのは不自然だと指摘しており、小さなゴミはこの問題の1つで、他の要因はキー内部にあるラバードームやキーが押されたという電気信号を伝える金属の疲労ではないかと予想しているようです。
また、AppleやAASPではこの問題が発生した場合、MacBook/Air/Proのキーボードだけを交換するのではなく、MacBookのトップケースを交換するため500ドルかかり、加えてトップケースの交換はあくまで交換であり問題の解決にはならず、再び問題が発生するかもしれないため、現在はMacBookを購入するのに良い時期ではなく、必要ならばAppleCareに入ることを勧めています。
For any of the above, once your warranty or keyboard program coverage ends, it’s $500 USD per failure to replace the entire top case. There is no “cheaper” aftermarket solution, the keyboards themselves are a nightmare to replace and the aftermarket parts are even more likely to fail. Replacing the part will not permanently fix the issue either since Apple only replaces it with identical parts, meaning they’re bound to fail again.
MacBook Pro Keyboard Failures: Why Apples dust excuse is bullshit! – Reddit
バタフライ構造キーボードのタイムライン
- 2015年03月
▶従来のシザー構造のキーと比較して4倍の安定性と40%薄く、17%キートップが大きくなった全が新しいバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBook Early 2015を発表。 - 2016年01月
▶バタフライ構造を採用したMacBook Early 2015の特定のキーの反応や感覚が他と違う場合があるとして、エアダスターを利用したキーボードの掃除方法を公開。 - 2016年10月
▶第2世代バタフライ構造キーボードやTouch Barを搭載したMacBook Pro Late 2016シリーズを発売。 - 2017年02月
▶MacBook Pro Late 2016ユーザーから特定のキーから他のキーと違う音が聞こえる、またはキーが反応しなくなるといった報告がされる。 - 2017年06月
▶第2世代バタフライ構造のキーボードを採用したMacBook (Retina 12-inch, 2017)と、マイナーアップデートしたMacBook Pro 2017を発売。 - 2017年06月
▶MacBook/MacBook Pro 2017モデルでキートップのシンボル(Commandなど)が変更される。 - 2017年07月
▶MacBook Pro 2016と2017を比較した結果、第2世代バタフライ構造のキーボードがアップデートされていることが確認される(iFixit)。 - 2017年後半
▶MacBook Proキーボードの交換を求めるキャンペーンなどが行われ始める。 - 2018年05月
▶AppleInsiderがシザー構造とバタフライ構造のキーボードを採用したMacBook Proの不具合発生率のデータを公開。 - 2018年06月
▶AppleがMacBook Early 2015およびMacBook Pro 2016モデル以降の一部のキーボードに、文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない問題が確認されたとして「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始。 - 2018年07月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro (2018)を発売。 - 2018年11月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)を発売。 - 2019年01月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)でもキーの2重入力問題やキー入力の遅れが指摘される。 - 2019年03月
▶AppleのスポークスマンはWSJのインタビューの中で、第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro/Air (2018)でもごく一部のユーザーから同様の報告を受けていることを認め謝罪。 - 2019年03月
▶Ruby on RailsのDHHさんが、第3世代バタフライ構造のキーボードの問題はAppleが把握している件数より多いと指摘。 - 2019年04月
▶AppleはMacBookシリーズのキーボード修理について修理工程を見直し、ストアでの対応の場合、翌日までに修理が終わり返却できるようにサービスを展開したもよう。
- It’s Not Just Dust – Daring Fireball
- MacBook Pro Keyboard Failures: Why Apples dust excuse is bullshit! – Reddit
- Casey Johnston Bought a 2018 MacBook Air and You Know Exactly Where This Is Going – Daring Fireball
コメント
被害者が一番よく知ってると思うぞ。
当時のログインパスワードはkから始まるものだったが、都合よくkにゴミが入るわけないし半年も使ってなかったからな。
クックとアイヴは故障したMac引き取って自分で使い続けてみろや。
最も手軽で、費用もかからずに済む方法としては、
キーボードカバーを使用する事。
底の接点が原因だから何の意味もないよ
実際にキートップ外せばすぐにわかることだけど、ゴミなんて実際確認できない場合がほとんど
せっかく音質向上した内部スピーカーを台無しにするどころか排熱妨害して寿命短くするだけ。
というかそう書いてる記事なんだけど見出ししか読んでないんだろうな。
キーボードカバーを付けていても半年くらいで発症するんだな。これが。
ちな2018年の第3世代キーボード採用のMacBook Pro
バタフライキーにタッチバーに、MacBookシリーズは迷走しすぎだね。
そもそも「うち心地は悪くなりましたが、筐体が20mm薄くなりました!」ってそもそも誰が望んでんのって感じだし。
打ち心地や操作性はまちがいなく優れてます。故障起こる不具合と操作性をごちゃ混ぜにしないで欲しい。
それにしても最近MacBook Pro買ったばかりなので半年後に故障起きた症例を述べている方がいたので、故障するのは正直自分も怖いです。
打ち心地が優れる? 冗談だろ?
あんな薄っぺらいキーボードがいいわけがない。実際、第一世代バタフライキーボードが出た当初は打ち心地が悪いってレビューで溢れかえっただろ。
打ち心地は個人差有るでしょ?使ったことあるのかな?
それともレビューに書いてあることを全て鵜呑みにしてる人?
キータッチに関しては俺も前より好きだな。ポリカの時代くらい深ければともかく、一世代前のは中途半端に感じる。今くらい浅いと指の腹でパチパチ打てるから気持ちいいよ。
指先で打鍵してると使いにくいと思う。
過去にはリコール含めて酷いのは色々あったが、
2015年というごく最近からで、しかもそれが長期化してるってのが問題だよな
クック体制になってからはこの手の軌道修正は柔軟になったはずなのになぁ
MacBook Pro 15inch Mid 2014からなかなか買い替えられない〜〜〜〜
CherryMXスイッチみてーなメカニカルなキーボードを
採用した方がいいんじゃね。
ストロークが長いメカニカルは使いにくい
今はLowProfileもあるんだよね。ノートPC向もあるよ。カチカチうっさいのがCherryMXの専売特許というわけじゃなくなってるんだ
そうだったのか知らなかった。
教えてくれてありがとう。
キーボードだけじゃなく、トラックパッドはでかすぎるしタッチバーは不要。
交換しても意味が無い。故障→交換→故障→交換の無限ループ。さっさと開発し直すべき。なんだったらバタフライ以前のキーボードに戻してもいい。うちは2013モデルを引っ張り出して使い始めたよ。
これで修理依頼したら指摘したキーのキートップ一枚だけ変えて終了。
杜撰な対応にガッカリでした。
OSも含めてボロボロだから、Surfaceにしてしまった。
もちろん、キーボードの心配は無縁だね。
解決するまで待つほど、仕事に余裕はないしね。
解脱の域に達したんですね。
自分はまだ迷いがあってまだまだです…。
自分も解脱してThinkPad Tシリーズに替えた。
初めから全部入りのインタフェース、質実剛健な造り、殆どのパーツを自力交換できて満足してる。
Macの収益減速の原因は、インテルのせい… ティム・クック
キーボードもインテルのせい?
まともなマシンを売って欲しい。
埃じゃない。
指の帯電状況が原因だと私はほぼ確信しています。APPLEは
・私が乾いた指でキータッチすると不具合が多発する。
・でも、食器を洗ったあとやお風呂あがりなど、指が少し湿っていたりすると不具合が発生しない。
・手汗が多めの私の息子がタッチしても不具合が発生しない。