Apple M3チップを搭載したMacBook Airは、引き続きピークパフォーマンスを維持できない/256GBモデルはSSD速度がM1モデル以下の可能性があるので、予約の際は注意してください。詳細は以下から。
Appleは現地時間2024年03月04日、昨年10月に発表したMacBook Pro (14インチ, Nov 2023)と同じ3ナノメートルテクノロジー(3nmプロセス)のApple Silicon「Apple M3チップ」を搭載した「MacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)」の予約注文を本日より開始し、
03月08日より販売を開始すると発表しましたが、このMacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)は引き続きファンレス仕様で、筐体がM2チップを搭載した「MacBook Air (M2, 2022)」および「MacBook Air (15インチ, M2, 2023)」と変わらず、ベースモデルもストレージが256GBからという構成になっているため、2022年から確認されている以下の問題が残っている可能性があります。
サーマルスロットリングによるピークパフォーマンス
Appleが2022年06月に開催したWWDC22の基調公園の中で発表した「MacBook Air (M2, 2022)」と「MacBook Pro (13-inch, M2, 2022)」はほぼ同じデザインながら、MacBook Airはファンレス仕様で、MacBook Proは冷却ファンを搭載しプロクラスのパフォーマンスが維持できるとコメントされていました。
実際、発売後のベンチマークテストでは、そのコメントの通り、MacBook Air/Proもピークパフォーマンスに関しては同じものの、3Dレンダリングを利用したCinebenchベンチマークなど長時間&高負荷のワークロードを行うと、サーマルスロットリングがかかりMacBook Airの方がパフォーマンスが約25%低下しだし、
Xcodeベンチマークに関しても、MacBook Air (M2, 2022)でBuildドを続けると一瞬にしてサーマルリミットの105℃に達し、40%程度Build Timeが延び、最終的にはApple M1チップと冷却ファンを搭載したMacBook Pro以下の性能になっていました。
この問題は、ヒートパイプ/シールが拡大されたMacBook Air (15インチ, M2, 2023)モデルで多少改善されたものの、Appleが何か対策を行っていなければ、Apple M3チップを搭載したMacBook Air (13インチ, 2024)も同様の傾向が見られると思われます。
ちなみに、Appleが公開したApple M3チップ搭載のMacBook Air (13インチ, M3, 2024)の消費電力情報によると、同モデルはアイドル時の消費電力が3.09Wと、旧モデルの13インチMacBook Air (M2, 2022)と変わらないそうです。
SSDのNAND数によるストレージ速度低下
Appleが公開したM3チップ搭載のMacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)のベースモデルは、日本では値上がりしたMacBook Pro (14/16インチ, Nov 2023)とは異なり、13インチの価格が164,800円、15インチが198,800円と価格が据え置かれ、ストレージとメモリ構成もSSDが256GB,ユニファイドメモリが8GBと変わっていませんが、
Apple M3チップを搭載したMacBook Pro (14インチ, Nov 2023)では廃止された256GB SSDがMacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)では引き続き採用されており、この256GB SSDは過去のMacBook Airと同じならばNANDチップが1枚の構成となっているため、
Apple M3と256GB SSDを搭載したMacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)のベースモデルは、256GB NAND 2枚構成の512GBモデルと比較してWriteが15~30%、Readが40~50%ほど低い可能性があるため、予算が許すなら512GB SSDモデルを選択した方がいいと思われますが、
13インチの512GB SSDモデルは194,800円、15インチの512GB SSDモデルは228,800円と、Apple M3チップを搭載したMacBook Pro (14インチ, Nov 2023)の248,800円に迫ってくるので、M3チップ搭載のMacBookシリーズの選択は性能を取るか予算を取るかで悩みそうです。
ちなみに、Appleは一部のインフルエンサーとメディアにMacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)のレビューユニットの提供を開始したそうなので、近く公開されるレビューを待ってから選択してもいいかもしれません。
FYI the new M3 MacBook Air only supports 2 external displays with the lid CLOSED. Weirdly, if you open the laptop to use the keyboard/trackpad, it turns off one of the external displays
So if you plan on plugging into 2 screens you’ll also need to bring your own mouse + keyboard pic.twitter.com/8QlaB3CH8S
— Marques Brownlee (@MKBHD) March 4, 2024
追記
MacBook Air (13/15インチ, M3, 2024)の8GBユニファイドメモリと256GB SSDを搭載したベースモデルを手に入れたユーザーによると、同モデルは128GB 2チップNAND構成で、SSDのシーケンシャルRead/Write値が回復し、MacBook Air (M1, 2020)の256GB SSDモデルと同等のスコアになっているそうです。
比較
MacBook Air (13インチ, M3, 2024) | MacBook Air (M2, 2022) | MacBook Pro (14インチ, Nov 2023) | |
---|---|---|---|
チップ | M3チップ 8コアCPU 最大10コアGPU H/Wレイトレーシング |
M2チップ 8コアCPU 最大10コアGPU |
M3チップ 8コアCPU 10コアGPU H/Wレイトレーシング |
ディスプレイ | 13.6インチLiquid Retinaディスプレイ 2,560 x 1,664ピクセル |
14.2インチLiquid Retina XDRディスプレイ 3,024 x 1,964ピクセル |
|
輝度 | 最大500ニト | 最大1,600ニト | |
ProMotion | 非サポート | 最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート | |
メモリ | 最大24GBのユニファイドメモリ | ||
メモリ | 最大2TBのストレージ | ||
バッテリー駆動時間 | 最大18時間 | 最大22時間 | |
ネットワーク | Wi-Fi 6E(802.11ax) Bluetooth 5.3 |
Wi-Fi 6(802.11ax) Bluetooth 5.3 |
Wi-Fi 6E(802.11ax) Bluetooth 5.3 |
I/Oポート | Thunderbolt/USB4ポート x 2 | Thunderbolt/USB 4ポート x 2 HDMIポート SDXCカードスロット |
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外部ディスプレイ | クラムシェルで最大2台 最大6K@60Hzと5K@60Hz |
1台 最大6K@60Hz |
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バッテリー | 52.6Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 | 70Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 | |
サイズ | 1.13 x 30.41 x 21.5 cm | 1.55 x 31.26 x 22.12 cm | |
重量 | 約1.24 kg | 約1.55 kg | |
価格 | 164,800円から | 148,800円から | 248,800円から |
- 13インチMacBook Airと15インチMacBook Air – Apple(日本)
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