macOS 10.13 High Sierraへアップグレードする前の注意点まとめ。

macOS 10.13 High Sierraのインストーラーアイコン。 macOS High Sierra
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 macOS 10.13 High Sierraへアップグレードする前の注意点を以下にまとめました。詳細は以下から。

macOS 10.13 High Sierraのインストーラーアイコン。

 Appleは現地時間2017年09月25日、日本時間09月26日(早朝?)Mac用OSのメジャアップグレードとなる「macOS 10.13 High Sierra」をリリースしますが、このHigh SierraではフラッシュストレージのMacがAppleの新しいファイルフォーマット「APFS」に変更される他、以下の様な変更や仕様が追加されるので、アップグレードを考えている方は注意して下さい。

macOS 10.13 High Sierraは日本時間2017年09月26日に正式リリース。

システム要件

 AppleはmacOS 10.12 SierraでアップグレードできるMacのハードウェア条件をEl Capitanのハードウェア条件から引き上げ、Late 2009以降のiMacおよびMacBook, 2010年製以降のその他のMacがサポートされていましたが、High Sirraではこのハードウェア要件が引き継がれており、以下のMacがHigh SIerraへアップグレード可能です。

OS X 10.11
El Capitan
macOS 10.12
Siera
macOS 10.13
High Siera
MacBook Late 2008アルミニウム製
またはEarly 2009以降
Late 2009以降
MacBook Air Late 2008以降 Mid 2010以降
MacBook Pro Mid/Late 2007以降 Late 2010以降
iMac Mid 2007以降 Late 2009以降
Mac mini Early 2009以降 Mid 2010以降
Mac Pro Early 2008以降 Mid 2010以降

APFS

 APFSについてはMacより先にiOSデバイスが「iOS 10.3」で導入したためよく知られていると思われますが、HDDやSSD, FileVaultやFusionDriveなどiOSデバイスより多種多様な環境があるMacではiOSの様なスムーズな移行は出来ないようで、

High SierraでAPFSへ自動変換されるフォーマット。

AppleはWWDC 2017で発表したAPFSへの移行プロセスを見直し、8月に以下の内容のサポートドキュメントをシステム管理者向けに公開しており、High Sierraの初期リリースではMacに内蔵されたフラッシュストレージ(SSD)のみがAPFSにアップグレードされるようです。

High SierraでAPFSへ変換されたMac

APFSヘ変換されるストレージ

  • 内蔵フラッシュストレージ(SSD)を搭載したMacのみがオプトアウト無しで強制的にAPFSへ移行。
    • フラッシュストレージの場合はFileVaultで暗号化されていてもAPFSへ。

  • HDDはもとより、ブートディスクとして利用している外付けのSSDやFusionDriveも初期リリースではAPFSへの移行を見送り。
    • FusionDriveはbeta段階でストレージが分割される不具合が確認され、その後Appleが初期サポートをしないと発表

  • Time Machineなどの外付けストレージが自動的にAPFSへ変換されることはありませんが、APFSはAFP(Apple File Protocol)を利用したネットワークでは共有ポイントとして利用できないため、SMBやNFSプロトコルを使用すること。
  • BootCamp(Windows)やSierra以前のMacではAPFSフォーマットを読み取れません
    • Macについては初期のサポートドキュメントでは「OS X 10.11 El Capitan以前のMac」となっていましたが、本日確認したところ「Sierra以前のMacでもAPFSを読み取れませんに」変更されていました。

サードパーティ製アプリ

 また、DropboxやGoogle DriveなどクラウドストレージサービスのデスクトップアプリもAPFSに対応した最新のものを利用しないと、Macが定期定期に再起動する問題が確認されていたので、High Sierraアップグレード前にデスクトップアプリのアップデートを行っておくことをお勧めします。

macOS 10.13 High Sierra上のGoogle Drive

ファームウェアアップデート

 AppleはAPFSをサポートするため、macOS 10.13 High Sierraアップグレード時にインターネット接続を要求する場合があるため、アップグレード時はインターネット環境がる場所で行って下さい。

アップグレードの前に
macOS をアップグレードする際は、インターネットに接続する必要があります。Mac の接続が確認されると インストーラは、Mac のモデル番号を使用して、その Mac 特定のファームウェアアップデートを検索およびダウンロードします。
macOS インストーラだけが、ファームウェアアップデートをダウンロードおよびインストールできます。ファームウェアアップデートは、ターゲットディスクモード、Thunderbolt, USB、Firewire などで接続された外付けドライブには行えません。

自社/自校の Mac の macOS をアップグレードする – Apple サポート

SKEL

 システム管理者の方がAPFSの次に懸念しているのがHigh Sierraから導入される新しいセキュリティ機能”Secure Kernel Extension Loading (以下、SKEL)“で、このSKELはHigh Sierraで新たにインストールされるサードパーティ製アプリにカーネル拡張KEXTが同梱されている場合、KEXTを利用するためにユーザーの承認が必要になると言うものですが、

SKELによりブロックされたAppleのKEXT

SKELの承認はシステム環境設定アプリに表示されるので、ユーザーが上記のポップアップを見逃すとアプリが起動しないままアプリ側の不具合に思われてしまう他、KEXTを複数ロードするアプリはポップアップが複数表示されるため、High Sierraへアップグレードした際はKEXTを利用するアプリの起動時に注意して下さい。

この現象はRadarで報告しましたが、そのままCloseされたので修正されているかもしれません。

アプリ

 macOSのアップグレード時にはAdobeやMicrosoftなどのアプリケーションベンダーから案内がありますが、今回のアップグレードに対しても以下の様な案内が出ています。

Appleのアプリ

 Apple製アプリについては既にメールでも通知されている通り、旧Final Cut Studioの「Final Cut Pro 7」や「Apple Qmaster」「Compressor」「DVD Studio Pro」、Logic Studio付属のアプリなどが利用できなくなることが判明しており、Appleは同アプリを利用しているユーザーに対し「Final Cut Pro X」や「Logic Pro X」などに移行するように指示しています。

Final Cut Pro 7

Microsoftのアプリ

 Microsoftは09月10日に「Office 2016 for Mac」のナレッジ・ベースページをアップデートし、AppleがmacOS 10.13 High Sierra GM公開後、High Sierraをフルサポートした「Office 2016 for Mac」のアップデートを提供すると発表しましたが、現在のところリリースされていないようなので、少し対応が遅れているようです。

 また、旧Office for Mac 2011はmacOS 10.13 High Sierraでの動作テストをしておらず、2017年10月10日でサポートが終了することが発表されているので、High Sierraアップグレード後はどうなるか分かりません。

Office for Mac 2011
Word, Excel, PowerPoint, Outlook and Lync have not been tested on macOS 10.13 High Sierra, and no formal support for this configuration will be provided.

Microsoft Office support for macOS 10.13 High Sierra – Office Support

Adobeのアプリ

 AdobeのCS製品については昨年9月にmacOS 10.12 Sierraがリリースされた時点で「必要システム構成外」である事が通知されているためHigh Sierraでも同様ですが、

2016/9/21にMac OS Sierra(10.12)が公開されますが、CS6のバージョンは10.12には対応しておりません。
インストールできた場合も、必要システム構成外である点にご注意ください。

Mac OS Sierra(10.12)のCS6製品への対応状況 | Adobe Community

AdobeのCC製品のIllustratorについてもmacOS 10.13 High Sierra betaのAPFSやGPU関係で既存の不具合が確認されたものの対応策はなく、現在Adobeのエンジニアチームが対応しているそうなので、Adobeユーザーの方は公式サイトをチェックしてみて下さい。

Adobe IllustratorのmacOS 10.13 High Sierraでの不具合

No workaround. Our engineers are working on a complete solution for a future update of Illustrator CC.

Known issues – Running Illustrator CC on macOS 10.13 High Sierra – Adobe

その他サードパーティ製アプリ

 その他、サードパーティ製アプリやプリンター&スキャナ、タブレット関係のドライバーも毎年macOSのリリース後に検証が行われるため、特に必要なアプリや周辺機器がある方はメーカーの対応を待ったほうがいいと思います。

Comic Studio 4はHigh Sierraで動かない

ESETについてはキヤノンITソリューションズがサポートしている国内版は準備中ですが、US版のv6.5.78では既に対応しているそうです。コメントフォームでのご指摘ありがとうございます。

High Sierraで廃止されるもの

 High Sierraでは様々な新機能が追加されますが、以下の機能が廃止されることも確認されています。

TelnetおよびFTP

 Beta 1の段階で確認されていた通り、Appleは(セキュリティ上の理由から)High SierraでTelnetやFTPコマンドを廃止するようで、GMでも同梱されていないため必要な方は”homebrew”版などをインストールする必要があると思われます。

macOS 10.13 High Sierra betaでtelnetとftpが廃止。

Windows Server 2003

 Appleが開発者向けに公開したサポートドキュメントによると、High Sierraでは既にMicrosoftがサポートを終了した「Windows Server 2003」のActive DirectoryおよびNISドメインへの接続設定も非サポートとなります。

ディレクトリユーティリティの概念

SHA-1証明書を利用したTLS接続

 Appleは今年1月、システム管理者やWeb開発者にSafariおよびWebKitでSHA-1証明書を利用したTLS接続ができなくなることを通知しましたが、先週リリースされたiOS 11やwatchOS 4, tvOS 11そしてHigh Sierraではアプリやメール, VPNサービスなど全てのSHA-1署名の証明書を利用したTLS接続のサポートが終了されます。

iOS 11でSHA-1が完全に終了

macOS High Sierra 10.13、iOS 11、tvOS 11、watchOS 4 では、SHA-1 で署名された証明書で TLS 接続を確立しようとする App は、接続できなくなります。メール、カレンダー、VPN、その他のサービスに使われるサーバも同様です。

SHA-256 による署名済み証明書に切り替えて接続エラーを回避する – Apple サポート

PHPやRuby

 最後に、High Sierra betaでは各言語のバージョンがPythonを除いてアップデートされ、PHPが7.1.x、Rubyが2.3.3を標準インストールしているので、前バージョンで開発環境を構築されている方はアップグレード前にチェックするか、別の環境を作ることをお勧めします。

OS Ruby PHP Python
Mac OS X
Lion
10.7.5
Build 11G63
1.8.7 5.3.15 2.7.1
OS X
Mountain Lion
10.8.5
Build 12F2560
5.3.29 2.7.2
OS X
Mavericks
10.9.5
Build 13F1112
2.0.0p481 5.4.43 2.7.5
OS X
Yosemite
10.10.5
Build 14F1912
5.5.36 2.7.10
OS X
El Capitan
10.11.6
Build 15G1217
2.0.0p648 5.5.38
macOS
Sierra
10.12.5
Build 16F73
5.6.30
macOS
High Sierra
10.13 2.3.3p222? 7.1.7?

バックアップ方法

 バックアップ方法についてはAppleの公式サイトをご確認下さい。

Prepare-macOS-10-13-High-Sierra

コメント

  1. 匿名 より:

    良まとめです。助かります。

  2. 匿名 より:

    なんでpythonだけアップデートされないんだろう……

  3. 匿名 より:

    AdobeCCやOfficeに不具合となると大混乱になりそうな予感・・・。

  4. 匿名 より:

    この1年に1度アプリの互換性を無視したアップデート•••なんとかならんのか?

    • 匿名 より:

      対応しないのはアプリ開発者の怠慢だろ

    • 匿名 より:

      アップデートしなきゃいいじゃん

      • 匿名 より:

        アホか?
        アップル製アプリは、最新OSを強要してるからじゃないの?
        ちゃんと動きもしないのに!
        OS毎にバージョンが違って…. 書類も互換がイマイチで…
        業務妨害レベル

    • 匿名 より:

      別に MS Office でなくても
      無料で使えて新 OS へ即対応のNumbers, Keynote, Pagesがある
      対応の遅いAdobeの代わりにSketchやFinalCutがある
      それでも時代遅れのポンコツアプリを大金をつぎ込んで使いたいならwinOSにすれば?

      • 匿名 より:

        >無料で使えて新 OS へ即対応のNumbers, Keynote, Pagesがある?
         OS毎に書類が読めたり読めなかったり… 怖くて使えるか!
         客先にNumbersで送れるの???

        >FinalCut?
         もう、死んだソフトじゃなかったっけ!

        純正ポンコツアプリは、使い物にならん!!!

        • 匿名 より:

          客先へ送るファイルがPDFで良ければPDFにするし
          そもそもオフィス使うなら、Parallels辺り入れるのが一番良いでしょ
          MacのMSオフィスとか、不具合多くて使うには怖すぎる

  5. 匿名 より:

    high sierra にアップデートしたら
    日本語入力ができなくなりました
    ひらがなを一文字入力するとついにはローマ字
    変わってしまいます
    漢字変換もしません
    候補の漢字も出ません
    どうしたらいいでしょうか
    これは音声入力で書きました

  6. 匿名 より:

    high sierra にアップデートしたら日本語入力ができなくなりました
    ひらがなを一文字入力するとついにはローマ字ni 変わってしまいます。漢字変換もしません.
    候補の漢字も出ません.
    どうしたらいいでしょうか. これは音声入力で書きました

  7. 匿名 より:

    high sierra にアップデートしたら日本語入力ができなくなりました.
    ひらがなを一文字入力するとついにはローマ字に変わってしまいます
    漢字変換もしません. 候補の漢字も出ません
    どうしたらいいでしょうか. これは音声入力で書きました.

  8. 匿名 より:

    一番の注意点はどんな不具合にあってもへこたれない覚悟があるかどうかだな

  9. 匿名 より:

    ここをAppleのサポートと勘違いしてる?

  10. 匿名 より:

    私はHigh SierraからPhotosアプリにAVCHD形式のビデオを(事前に変換しないと)直接読み込めなくなったのに気づき、アップグレードを躊躇っています。

  11. 匿名 より:

    サポート対象のMacで「ファームウェアが・・」「ファームウェアパーティションが・・」となり解消できない方は以下のパッチツールが有効です。チェックをくぐってインストールできます。
    PatchのPostインストール手順は必要ないです。
    ttp://www.ringocatnote.com/entry/imac2008-highsierra

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