Magic Keyboardを採用したMacBook Pro (13インチ, 2020)の発売により、バタフライ構造のキーボードを採用したMacBookシリーズの販売が終了しました。詳細は以下から。
Appleは現地時間2020年05月04日、MacBook Proの13インチモデルをアップデートし、全てのモデルに物理ESCキーと逆T字型の矢印キーを採用したMagic Keybordを全てのモデルに搭載したと発表していますが、これにより、Appleが2015年に発表したバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBookシリーズの発売が全て終了しました。
13インチのMacBook ProにMagic Keyboardを新たに搭載
新しい13インチMacBook Proは、16インチMacBook Proで初めて登場して、3月には新しいMacBook Airにも採用された、新しいMagic Keyboardを搭載しています。新しいMagic Keyboardでは、再設計されたシザー構造によりキーの運びは1mmとなり、快適で安定した打鍵感を得られます。矢印キーも新たに逆T字型配列になり、スプレッドシート内を移動したりゲームプレイに集中している時など、手元を確認しなくても簡単に適切なキーを探せます。Magic Keyboardには、Touch Bar と Touch ID と並んで、物理的なエスケープキー(esc)も用意されており、これまでのMacノートブックの中で最も快適に文字入力ができるようになりました。Apple、13インチMac Book Proをアップデートして Magic Keyboardと2倍のストレージを搭載 – Apple (日本)
Appleのバタフライキーボード
既に周知の通り、Appleが2015年にMacBookに採用したバタフライ構造のキーボードは厚さは旧シザー構造のキーボードより約40%薄くなり、タイピングが4倍安定し、キーキャップが17%大きくなったと発表されたものの、
新しいキーボードは従来型よりも34パーセント薄く、Appleがデザインしたバタフライ構造は従来型キーボードのシザー構造より40パーセントもの薄型化を実現しながらも安定性は4倍となり、どのキーを叩いてもより正確なタイピングを実現します。
2015年のMacBook (Retina)のWebページより
物理ESCキーや逆T字型の矢印キーが排除されたことで一部ユーザーからは不満が出ていましたが、その後、さらにキーの入力ができなくなったり、複数回同じキーが入力されるといった問題が全てのMacBookシリーズで報告され、
Appleは第3.5世代までバタフライ構造のキーボードを改良しましたが、2018年06月に全てのシザー構造キーボード搭載のMacBookシリーズに対し修理プログラムが発表され、2019年に発売されたMacBook Pro (16-inch, 2019)からは、シザー構造キーが採用されたMagic Kebyaordが搭載されていました。
修理プログラム中のMacBook
上記の通り、以下のMacBookシリーズには「文字が勝手に反復入力される」や「文字が表示(入力)されない」、「押したキーがスムーズに跳ね返ってこない、または、キーを押した時の反応が一定しない」といった問題が報告され、2018年にはAppleが修理プログラム(リコール)を発表しており、
2019年には発売と同時に修理プログラムリスト入りするという状態になっていたので、気になる方は、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダへ相談してみてください。
対象モデル
- MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)
- MacBook (Retina, 12-inch, Early 2016)
- MacBook (Retina, 12-inch, 2017)
- MacBook Air (Retina, 13-inch, 2018)
- MacBook Air (Retina, 13-inch, 2019)
- MacBook Pro (13-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (13-inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)
- MacBook Pro (13-inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (13-inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (15-inch, 2016)
- MacBook Pro (15-inch, 2017)
- MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (15-inch, 2018)
- MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)
- MacBook Pro (15-inch, 2019)
バタフライ構造キーボードのタイムライン
- 2015年03月
▶従来のシザー構造のキーと比較して4倍の安定性と40%薄く、17%キートップが大きくなった全が新しいバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBook Early 2015を発表。 - 2016年01月
▶バタフライ構造を採用したMacBook Early 2015の特定のキーの反応や感覚が他と違う場合があるとして、エアダスターを利用したキーボードの掃除方法を公開。 - 2016年10月
▶第2世代バタフライ構造キーボードやTouch Barを搭載したMacBook Pro Late 2016シリーズを発売。 - 2017年02月
▶MacBook Pro Late 2016ユーザーから特定のキーから他のキーと違う音が聞こえる、またはキーが反応しなくなるといった報告がされる。 - 2017年06月
▶第2世代バタフライ構造のキーボードを採用したMacBook (Retina 12-inch, 2017)と、マイナーアップデートしたMacBook Pro 2017を発売。 - 2017年06月
▶MacBook/MacBook Pro 2017モデルでキートップのシンボル(Commandなど)が変更される。 - 2017年07月
▶MacBook Pro 2016と2017を比較した結果、第2世代バタフライ構造のキーボードがアップデートされていることが確認される(iFixit)。 - 2017年後半
▶MacBook Proキーボードの交換を求めるキャンペーンなどが行われ始める。 - 2018年05月
▶AppleInsiderがシザー構造とバタフライ構造のキーボードを採用したMacBook Proの不具合発生率のデータを公開。 - 2018年06月
▶AppleがMacBook Early 2015およびMacBook Pro 2016モデル以降の一部のキーボードに、文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない問題が確認されたとして「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始。 - 2018年07月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro (2018)を発売。 - 2018年11月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)を発売。 - 2019年01月
▶第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13inch, 2018)でもキーの2重入力問題やキー入力の遅れが指摘される。 - 2019年03月
▶AppleのスポークスマンはWSJのインタビューの中で、第3世代バタフライ構造キーボードを採用したMacBook Pro/Air (2018)でもごく一部のユーザーから同様の報告を受けていることを認め謝罪。 - 2019年03月
▶Ruby on RailsのDHHさんが、第3世代バタフライ構造のキーボードの問題はAppleが把握している件数より多いと指摘。 - 2019年04月
▶AppleはMacBookシリーズのキーボード修理について修理工程を見直し、ストアでの対応の場合、翌日までに修理が終わり返却できるようにサービスを展開したもよう。 - 2019年05月
▶元AASPで働いていていたRedditユーザーが、バタフライ構造のキーボードの問題はゴミだけではなく、キー内部にあるラバードームやキーが押されたという電気信号を伝える金属の疲労があると指摘。 - 2019年05月21日
▶Appleが同日に発売したMacBook Pro (2019)までの全てのバタフライ構造のキーボードを「キーボード修理プログラム」に追加。 - 2019年11月13日
▶AppleがMacBook Pro (16-inch, 2019)を発売。バタフライ構造のキーボードを廃止し、新たに再設計された1mmのキーストロークのシザー構造キーボードを採用。 - 2020年03月18日
▶AppleがMacBook Pro (16-inch, 2019)と同じ1mmのキーストロークのシザー構造キーボードを採用したMacBook Air (Retina, 13-inch, 2020)を発売。 - 2020年05月04日
▶AppleがMagic Keyboardを搭載したMacBook Pro (13-inch, 2020)を発売。バタフライ構造のキーボードが終了へ。
コメント
さらばバタフライ。見送り続けて本当に良かった。既存ユーザーにとって気の毒な話は、どんなに無償交換したところでバタフライがバタフライになるだけだという点だなぁ。何も解決しない。
去年買った者だけど、今のところ問題ないよ。むしろ逆T字じゃないのとescキーが物理キーじゃないことの方が辛い
同感。ロクに触ったこともないのに、批判めいたことを思っていたが、必要に迫られ仕方なく1年半前2018モデルを購入。
はじめ違和感あったが、慣れれば、いままでで一番打ちやすいキーだなと思った。
ゴミ問題や誤作動については、今のところ起きていない。
むしろ、Touch Barの方が問題。
触れただけで機能するので、逆に誤作動が多いし、うざい。操作するのにいちいち下見る羽目になるのはパソコンの操作に著しく支障をきたす。
よって無効化にしている。
音楽プレーヤーアプリの操作は便利とか宣う奴いるけど、
押した感じないので、結局誤作動多いし、フリーズするときもまあまあある。
次期購入するとき、Touch Barもなくなっていることを期待する。
確かに。つらたん。