Apple M3チップファミリーを搭載したMacBook Pro (Nov 2023)のXcodeベンチマークが公開されています。詳細は以下から。
Appleは現地時間2023年10月30日に開催したスペシャルイベント「Scary fast. (速いもの見たさ。)」で、Mac用の第3世代Apple Siliconチップとなる3つの「M3、M3 Pro、M3 Max」と、そのM3ファミリーを搭載する「MacBook Pro (14/16インチ)」を発表しましたが、このM3チップファミリーのXcodeベンチマーク(XcodeBenchmark)が公式リポジトリに登録されてきたのでまとめてみました。
なお、XcodeBenchmarkはオープンソースで公開されており、Xcodeとコマンドラインツールさえインストールしてあれば誰でも実行可能ですが、2023年10月からXcode 15用にコンパイルタイムを測定するCocoaPodsライブラリが76へ増えたことで、Xcode 14以下のスコアと互換性がなくなっているので注意してください。
Please do not compare results generated by Xcode 15 and earlier versions, as they are incompatible.
devMEremenko/XcodeBenchmark – GitHub
M3チップファミリーのXcode性能
XcodeBenchmarkは上記の通り、CocoaPodsライブラリのコンパイル時間を測定するベンチマークで、コンパイル時間が短い(Lower is Better)方が優れていますが、現在テストしている6つの高性能(P)コアと6つの高効率(E)コアを搭載した12コアCPUのApple M3 Proチップ搭載のMacBook Pro (14インチ, Nov 2023)を測定してみたところ、3回の平均で約110秒と1世代前の10コア(6P+4E)搭載のM2 Pro*と比較して10%ほど速くなっています。
このM3 Pro(6P+6E)チップのXcodeBenchmarkスコアは、AppleがThe Vergeなどに貸し出した12コア(8P+4E)CPUのM2 Maxを搭載したMacBook Pro (16インチ, 2023)と同等のスコアのためアップデートとしては評価できますが、
M3 Pro | M2 Pro | M1 Pro | |
---|---|---|---|
ロゴ | |||
CPU | 11/12コア 高性能:5/6コア 高効率:6コア |
10/12コア 高性能:6/8コア 高効率:4コア |
8/10コア 高性能:6/8コア 高効率:2コア |
GPU | 14/18コア | 16/19コア | 14/16コア |
メモリ | 36GB(Max), 18GB | 32GB(Max), 16GB | |
メモリ帯域 | 150GB/s | 200GB/s | |
Neural Engine | 16コア | ||
演算数 (TOPS) |
毎秒18兆回 | 毎秒15.8兆回 | 毎秒11兆回 |
トランジスタ数 | 370億 | 400億 | 337億 |
外部ディスプレイ | 最大2枚 | ||
I/O | Thunderbolt 4 |
M3 Proチップの下位モデルはクロック数は上げられているものの、11コアCPUながら5P+6EとProシリーズの中で最もPコアが少なく、メモリ帯域も200GB/sから150GB/sへ25%減ったことから10コア(8P+2E)CPUのM1 Proとほぼ大差ないスコアとなっている[1 ,2]ようです。
XcodeBenchmarkのリポジトリやThe Vergeに公開されたApple M3やM3 Maxチップのスコアを見ると、M3 Pro以外はメモリ帯域幅**やPコア数が同等/増えてたことで、16コア(12P+4E)搭載のM3 Maxも24コア(16P+8E)搭載のM2 Ultraに引けを取らないスコアとなっているので、
XcodeなどCPUパフォーマンスが重要なワークフロー目的でM3 Proチップ搭載のMacBook Pro (14/16インチ, Nov 2023)を購入する場合は十分にベンチマークスコアなどを確認してからの方がよさそうです。
おまけ
ちなみに、XcodeBenchmarkを実行する際はBefore each testに従ってWi-Fiとバックグラウンドアイテム(Login Items)を無効にして、MacBookに電源を接続、再起動後に行わないと、スコアにかなりの差が出るので試す方は注意してください。
- devMEremenko/XcodeBenchmark – GitHub
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