Apple Siliconをネイティブサポートし、ScreenCaptureKitによりパフォーマンスが大幅に向上したライブ配信アプリ「OBS Studio v28.0」が正式にリリースされています。詳細は以下から。
Open Broadcaster Software (以下、OBS) Projectは現地時間2022年09月01日、クロスプラットフォーム対応のライブ配信アプリ「OBS Studio」のメジャーアップデートとなる「OBS Studio v28.0」をリリースし、同バージョンで10-bit/HDRビデオエンコーディング(Windows)およびApple Siliconをサポートしたと発表しています。
This release marks the 10th anniversary of OBS! 10 years ago today, the first version of OBS was released by Jim. Now we have hundreds of contributors and countless users. We’re very grateful for all the support, and we’re happy that so many people find it useful!
リリースノートより抜粋
リリースノートによると、OBS Studioはちょうど10年前(2012年09月01日)に、Hugh Bailey (Jim)さんによって公開され、開発&保守されていましたが、今では数百人にコントリビューターとユーザーに支えながら開発が行われており、YouTube(Google)やLogitech、Twitch(Amazon)、Facebook、NVIDIAがスポンサーとなり、AppleやAJA Systemも開発に参加しています。
OBS Studio 28.0, our 10th anniversary release, is now out!
This release adds 10-bit and HDR Video Encoding, Apple Silicon support, integrated NVIDIA Background Removal, a new AMD encoder plugin, a new default theme, and more!
Release notes & download:https://t.co/pWQX4p2soE
— OBS (@OBSProject) September 1, 2022
OBS Studio v28の新機能
Apple Silicon
OBS Studio v28では、NVIDIA 10/AMD 5000シリーズ以降のGPUを搭載したWindows環境で10-bit/HDRエンコーディングがサポートされた一方、Mac版ではApple Siliconをネイティブサポートしたバージョン*が公開されており、
UVC/UAC対応のキャプチャーボードでカメラやゲーム機の映像を取り込み&録画するタスクでは、MacBook Air (M2, 2022)を使用したテストで、OBS Studio v28.0(arm)はRosetta 2エミュレートによるOBS Studio v27.x(x86_64)の約半分のCPU使用率でタスクをこなせるようになっています。
ただ、Apple SiliconをネイティブサポートしたOBS Studio v28(arm)では、Final Cut ProやLogicと同じ様に、一部のApple Silicon非サポートのサードパーティ製プラグインが利用できない問題があるため、OBS StudioはOBS Studio v28とプラグインの互換性情報を公開しています。
ScreenCaptureKit
Appleはリモート会議などが重要になってきた2020年から、ZoomやCisco、OBS、Microsoftの意見を取り入れて、ScreenCaptureKit(Screen Sharing)というスクリーンキャプチャAPIを開発&導入していますが、
OBS Studio v28ではmacOS 12.5 Monterey以降でScreenCaptureKitがサポートされ、Shadow of the Tomb Raiderなど一般的なゲームの配信では旧OBS Studio v27.xが7fpsでのキャプチャだったのに対し、ScreenCaptureKitを利用したOSB Studio v28では60fpsでのキャプチャが可能になっており、
ScreenCaptureKitが導入されたOBS Studio v28は旧OBS Studio v27よりSingle Windowキャプチャ時のメモリ使用率が最大15%、CPU使用率が最大50%削減されるため、OBS Studio v28はApple Silicon MacだけでなくIntel Macにも大きなパフォーマンスの改善をもたらしてくれるはずです。
Qt 6
OBS Studioはクロスプラットフォームに対応するためGUIにはQt GUI Toolkitを採用し、OBS Studio v27ではQt 5が採用されていましたが、このQt 5は2020年05月で開発が終了したため、OBS Studio v28ではQt 6が採用されています。
OBS Studio v28ではQt 6の採用とともに、ダークモードのデフォルトテーマが”Dark”から”Yami”に変更されている他、Qt 6のシステム要件に従い、Windows 7と8、macOS 10.13 High SierraとmacOS 10.14 Mojave、Ubuntu 18.04および全ての32-bit OSが非サポートとなりました。
Direct Audio Capture
この他、OBS Studio v28ではmacOS 13 Ventura以上で、ScreenCaptureKitの機能の一つであるDirect Audio Captureもサポートされ、SoundFlowerやBlackHoleなどのサードパーティ製プラグイン通さずに、特定のアプリの音だけをキャプチャすることが可能になり、
このDirect Audio CaptureはApple Silicon MacのH/Wエンコーダをサポートしているため、Apple Silicon Macでは、太鼓の達人など一定のピットレートが必要な音ゲーもMacのパフォーマンスを落とさずに配信できるそうなので、ユーザーの方はアップデートしてみてください。
コメント