Apple Siliconをネイティブサポートし、ScreenCaptureKitによりキャプチャー時のパフォーマンスが大幅に向上した「OBS Studio v28.0」のBeta版が公開されています。詳細は以下から。
OBS (Open Broadcaster Software) Projectは現地時間2022年08月02日、クロスプラットフォーム対応のライブ配信アプリ「OBS Studio v28.0」のBeta 1をリリースし、同バージョンでApple Siliconのネイティブサポートを開始したと発表しています。
With OBS 28, OBS now has native builds for Apple Silicon systems. This means that OBS will run more optimally and without x86 emulation. Unfortunately, an important caveat for this is that many third-party plugins may not yet be readily available for Apple users running native Apple Silicon builds.
リリースノートより抜粋
OBS Studio v28.0
Apple Silicon
OBS Studio v28.0では、2021年から進められてきたApple Siliconへの対応が行われ、ユーザーはRosetta 2によるエミュレートなしにOBS Studioを利用することが可能になっている一方、
OSB Studio自体はApple Siliconをネイティブサポートしたものの、現在は、FCPやLogicと同じ様に、まだ多くのサードパーティ製プラグインがApple Siliconに対応しておらず、読み込めないため、OSB TeamはOBS Studio v28.0をIntelとApple SiliconをサポートしたUniversal 2 Binaryとしてではなく、arm64とx86_64版に分けて公開し、
必要があれば、ユーザーはx86_64版のOBS Studio v28.0を利用して、既存のプラグインを利用することができるようになっています。
ScreenCaptureKit
ScreenCaptureKit(Screen Sharing API)は、リモート会議などが必要となってきたことから、AppleがZoomやCisco、OBS、Microsoftの開発者からの意見を取り入れて開発、macOS 12.3 Montereyから一部利用可能になったスクリーンキャプチャ用のAPIで、
Appleの開発チームが自らOBSにプルリクエストを提出し開発を進めていましたが、OBS Studio v28.0では、このScreenCaptureKitも利用可能になり、WWDC22での発表によると、アクションアドベンチャーゲーム”Shadow of the Tomb Raider”のキャプチャは旧OBS Studioが7fpsだったのに対し、ScreenCaptureKitを利用したOSBでは60fpsでの配信が可能で、
加えて、ScreenCaptureKitを採用したOBS Studioは旧OBS StudioよりSingle Windowキャプチャ時のメモリ使用率が最大15%、CPU使用率が最大50%削減されるため、ユーザーはキャプチャ以外にも、より多くのリソースを割く事が可能になっています。
Direct Audio Capture
また、ScreenCaptureKitの機能の一つであるDirect Audio CaptureもmacOS 12.5 Montereyおよび次期macOS 13 Ventura環境から使えるそうで、これまでSoundFlowerやBlackHoleなどのサードパーティ製プラグインを通して、特定のアプリの音だけを配信していたユーザーは、
Added support for the ScreenCaptureKit Framework on macOS 12.5+, including support for direct audio capture without requiring third-party solutions on macOS 13+ [Developer-Ecosystem-Engineering/PatTheMav/gxalpha]
リリースノートより抜粋
今後、サードパーティ製プラグイン無しで特定のアプリの音だけを配信することが可能になり、Sayonara Wild Heartsなどの、いわゆるリズムゲーム(音ゲー)も、macOSの通知音などを気にせずキャプチャ&配信するすることが可能で、
このDirect Audio CaptureはApple Silicon MacのH/Wエンコーダをサポートしているため、Apple Siliconでは、太鼓の達人など一定のピットレートが必要な音ゲーもパフォーマンスを落とさずに配信できるそうです。
Qt 6
OBS Studio v28.0では、この他、UIの実装に利用されていたQtがQt5からQt 6へアップデートされ、Windows 11やApple Siliconなど最新のOSやアーキテクチャで多くの改善が行われており、
それに伴いWindows 7 & 8、macOS 10.13 High Sierra & macOS 10.14 Mojave、Ubuntu 18.04および32-bitOSのサポートの終了が計画されているそうですが、これに関してはDiscussionが公開され意見が求められています。
比較テスト
MacBook Air (M2, 2022)とOBS Studio v28.0 (Arm64)およびv27.2.4 (x86_64)版で比較テストをしてみましたが、明らかにキャプチャー中にスキップされるフレームやCPU/メモリ使用率が減っていました。
コメント
ScreenCaptureKitのオーディオ対応はmacOS 13以降に対応する機能ですね。
macOS 12.5には対応していません。
確認のため、macOS 12.5で今回搭載されたmacOS スクリーンキャプチャを使ってみましたが、音は取り込めませんでした。
また、macOS 12.xの対応していない環境だと、次のメッセージが表示されます。
『音声キャプチャにはmacOS 13以降が必要です』
今回はmacOS 12.5以降でmacOS スクリーンキャプチャをサポートするよ。というものだったはずです。
ScreenCaptureKitは12.3以降のAPIですが、12.3と12.4はいくつかのバグがあり、サポートしたくないからという理由です。
その辺りはこちらでやり取りされています。
ttps://github.com/obsproject/obs-studio/pull/6717
繰り返しになりますが、ScreenCaptureKitのオーディオ対応はmacOS 13以降です。
なので、”Direct Audio Capture”の項目
> また、ScreenCaptureKitの機能の一つであるDirect Audio CaptureもmacOS 12.5 Montereyおよび次期macOS 13 Ventura環境から使えるそうで、
この部分の”macOS 12.5 Montereyおよび”は削除された方がいいかと思います。
理由はmacOS 12.5ユーザーもオーディオキャプチャ機能が使えると勘違いしてしまうからです。
何度もすみません。
ご指摘ありがとうございます。
先程修正したので、WordPressのキャッシュがクリアされる朝(08月05日06時頃)には修正されると思います。