Zoom Meeting for Macのインストーラーが、ユーザー承認を得ずにアプリをインストールする問題が話題。

Zoom
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 Zoom Meeting for Macのインストーラーが、ユーザー承認を取らずにアプリをインストールするとしてセキュリティ研究者らの間で話題になっています。詳細は以下から。

Zoomのアイコン

 現在、在宅勤務やリモートワークでビデオ会議サービス「Zoom Meeting」のサービスを利用している方も多いと思いますが、このZoom MeetingのMac用アプリのインストーラーが、ユーザー承認を得ずにアプリをインストールするとしてセキュリティ研究者のらの間で話題になっています。

I just downloaded Zoom for Mac, saw that it was a .pkg file. Great, I can see what files it installs before I install it.I open the .pkg, click Continue so it can run its script, then a second later Installer quits and the app launches. What?!
Turns out, Zoom installs the entire app in the ‘preinstall’ script of the installer package! Inside there’s a copy of ‘7z’, and the app is extracted with that. The preinstall script is littered with typos and poor grammar.

I just downloaded Zoom for Mac, saw that it was a .pkg file. – Hacker News

 アメリカのセキュリティ会社VMRayのFelixさんやMalwarebytsのThomasさん、Hacker Newsのメンバーによると、Zoom Meetingのインストーラー(pkg)は実行すると、実行者が管理者の場合、以下のように「Zoomアプリをインストールできるシステムかをチェックするプログラムを実行します。」というプロンプトを表示し、[続ける]をクリックすると、ユーザーの承認を飛ばしてZoomアプリをインストール&起動するそうで、

これは、Zoom Meetingのインストーラーがインストーラーとしての役割を持たず、実際には”Preinstall”スクリプトを実行、インストーラー内に同梱されている7zipファイルからアプリを解凍&インストールするという、まるでマルウェアのような設計をとっているためで、非管理者の場合はヘルパーツールと特権での実行APIを利用し、root権限を取得しようとするそうです。

Zoom MeetingのPreinstallスクリプト

おまけ

 Zoom Meetingは2019年にも、ユーザーを会議にシームレスに導くためとして、ユーザーの承認なしに無断でMacにローカルサーバー(localhost)をインストール&常時起動させ、それがMacのカメラをハイジャックできる脆弱性とリモートコード実行(RCE)の脆弱性に繋がり、Zoom CEOのEric S. Yuanさんが謝罪

Zoom meetingの脆弱性を利用した見物

Zoomの脆弱性によりMacに接続されたWebカメラからの映像がWebで一般公開されているユーザーのルームを他のユーザーが見物しているところ。

その後、Zoomのローカルサーバーを削除するパッチを公開したものの、AppleがmacOSのマルウェア検出&削除機能Malware Removal Tool v1.45で、世界中のMacからZoom Meetingが設置したローカルサーバーを削除するといった事件があったので、今回のインストーラーの件もAppleが問題視すれば古いインストーラーが実行できなくなる可能性もあるため、システム管理者の方はZoom Meeting for Macのインストーラーのバージョンをチェックしておいた方が良さそうです。

Malware Removal Tool v1.45

Zoom Meetingはこの他にも、iOSアプリがFacebookに情報を送っている問題End-to-End暗号化の定義が曖昧など多くの問題を抱えているようです。

Zoom for Macの脆弱性タイムライン

  • 2019年07月08日
    ▶InfoSecのセキュリティ研究者Jonathan Leitschuhさんが「Zoom for Mac」クライアントに悪意のあるWebサイトにアクセスするだけでMacのカメラが乗っ取られてしまう脆弱性がるとMediumに投稿。

  • 2019年07月09日
    ▶Zoom CEOのEric S. Yuanさんがグループチャットでこの問題を認め、暫定的な対処法と今後の修正を発表。

  • 2019年07月09日
    ▶Zoomがこの脆弱性を修正し、隠されたWebサーバー(localhost)を削除する機能を搭載したJuly 9 Patchを公開。

  • 2019年07月10日
    ▶これまでにZoomアプリをインストールしたユーザーのMacから隠されたWebサーバーを削除するため、AppleがMacに入り込んだマルウェアを検出し削除するセキュリティ機能Malware Removal Toolをアップデートし、"~/.zoomus"を削除する機能を追加したと発表。

  • 2019年07月12日
    ▶Zoomデーモン(Webサーバー)だけを残してZoomアプリを削除すると、RCEが可能になる脆弱性が確認される。

  • 2019年07月14日
    ▶会議を開始する前にビデオ(カメラを有効)を利用し、常にビデオプレビュー画面を表示するオプションを追加(デフォルトでON)。

  • 2019年07月15日
    ▶ビデオ会議サービスRingCentralやZhumuにも同様の脆弱性が発覚し、開発元がアップデートやパッチを配布。

  • 2019年07月16日
    ▶Appleが今回の件で2度目のMRTアップデート(v1.46)を公開し、Zoomと同様のビデオ会議サービスRingCentralやZhumuなどがインストール時に作るWebサーバーを削除。

  • 2020年03月末
    ▶Zoom Meeting for Macのインストーラーが、ユーザー承認をせずにアプリをインストールする問題

  • 2020年03月31日
    ▶Zoom Meeting for Macに権限昇格とコードインジェクションを利用しMacのカメラとマイクからユーザーの行動をキャプチャされる可能性がある脆弱性が指摘される。

  • 2020年04月01日
    ▶ZoomのCEOが謝罪し、今後はセキュリティ問題の修正に専念すると発表

  • 2020年04月02日
    ▶Zoomが複数の脆弱性を修正し、インストーラーが承認を取るようにしたZoom Meeting for Mac v4.6.9をリリース。

  • 2020年04月07日
    ▶タイトルバー上のミーティングID表示の廃止や、ミーティングのホスト(主催者)用にセキュリティを一箇所でコントロールできる「セキュリティ」ボタンを追加したZoom Meeting for Mac/Windows v4.6.10をリリース。

  • 2020年04月12日
    ▶DropboxやOneDriveでのファイル共有やスケジュールされたミーティングでパスワードが要求されるようになったZoom for Mac/Windows v4.6.11がリリース。

  • 2020年04月27日▶複数のセキュリティ機能を追加/強化したZoom v5.0がリリース。

  • 2020年05月10日
    ▶メールアドレスやPMI、電話番号などの個人情報をアスタリスクで隠すようにしたZoom v5.0.2がリリース。

  • 2020年05月17日
    ▶スクリーン共有時のミーティング情報表示や待合室用の新しいチャイムを追加したZoom v5.0.3がリリース。

  • 2020年05月25日
    ▶仮想カメラデバイスやアプリを再サポートしたZoom v5.0.4がリリース。

  • 2020年05月30日New
    ▶Zoom Meeting v5.x以降のクライアントを利用する全てのZoomアカウントをAES 256-bit GCM暗号化を採用

コメント

  1. 通りすがり より:

    日本語が意味不明

    >Zoomの脆弱性によりMacに接続されたWebカメラからの映像がWebで一般公開されているユーザーのルームを他のユーザーが見物しているところ。

    • 匿名 より:

      Zoomの脆弱性のせいで自分のウェブカメラからの映像がネットにリークしちゃってるユーザがいて、その映像を他のZoomユーザが見物している、てことじゃないかな(あんまりわかりやすくなってないけど)

  2. 匿名 より:

    うちでも話題になってたわこれ・・・

  3. 匿名 より:

    インストーラーとして、解凍するだけって良くあると思うのだけど…
    それらと何が違うんだろう。記事からは分からななった。

  4. 匿名 より:

    > インストーラーとして、解凍するだけって良くあると思うのだけど…
    > それらと何が違うんだろう。記事からは分からななった。

    確かに、この記事だけでは分かりにくい。
    まず、Macのインストーラー(pkg)の動作は「解凍するだけ」ではない。問題はユーザーがMacのインストーラーに期待する「正しい動作」をしていないところだ。単純に解凍するだけなら、そもそもpkgにしなきゃいい。これじゃあ、ユーザーを騙そうとしているといわれてもしょうがないだろう。

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