Appleが64-bit環境への移行に伴いmacOS Mojave後のmacOSでネイティブサポートされなくなるレガシィメディアのファイルフォーマットをFCPXやiMovieユーザー向けに公開しています。詳細は以下から。
Appleは2017年のWWDC 2017では発表したmacOS 10.13 High Sierraで将来のmacOSで32-bitアプリを非サポートとするために、開発者にMac App Storeに提出するアプリの64-bit化を義務付け、macOS 10.14 Mojaveでは32-bitアプリ起動時に警告を表示し、自社のDVDプレイヤーアプリを64-bit化、レガシィメディアと互換性のあるQuickTime 7のサポートを終了しましたが、
2018年12月にメディアエディタ向けに案内されたメーリングリストによると、AppleはmacOS Mojave後のmacOSにて64-bitテクノロジへの完全な移行を行う目的で、QuickTime 7フレームワークとの互換性のあった以下のメディアフォーマットやコーデックをレガシィフォーマットとし、macOSでネイティブサポートしなくなると発表しています。
In macOS versions up to and including macOS Mojave, third-party software has extended the QuickTime 7 framework to support many legacy media formats. In versions of macOS after macOS Mojave, the QuickTime 7 framework will no longer be available, so legacy formats will not be supported in Final Cut Pro and Motion.
About legacy media in Final Cut Pro X – Apple Support
レガシィフォーマットと64-bitへの移行
レガシィフォーマットとなるのは具体的に以下のメディアフォーマットで、macOSでネイティブサポートされなくなるものの、開発元が自社製やサードパーティ製アプリ用のプラグインでmacOSでのサポートを続けるならば、それらのフォーマットのメディアは利用できるそうですが、
少なくともQuickTime 7フレームワークやプラグインに依存したiMovieやFinal Cut Pro X(以下、FCPX)、MotionなどのApple製アプリでは互換性がなくなるため、Appleは2019年上半期に公開するiMovieおよびFCPXのアップデートに、レガシィフォーマットを判定しQuickTime 7フレームワークを利用しているメディアを変換できる機能を追加するそうです。
レガシィフォーマット
iMovie | Final Cut Pro X |
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macOS Mojave以降も互換性のあるフォーマット
また、以下のビデオ、オーディオ、画像、コンテナのフォーマットはQuickTime 7フレームワークに依存していないため、macOS Mojave後のmacOSでも引き続きiMovieやFCPX, Motionで利用することができるそうです。
Video formats
iMovie | Final Cut Pro X |
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Audio formats
- AAC
- AIFF
- BWF
- CAF
- MP3
- MP4
- RF64
- WAV
Still-image formats
- BMP
- GIF
- HEIF
- JPEG
- PNG
- PSD
- RAW
- TGA
- TIFF
Container formats
- 3GP
- AVI
- M4V (iMovie)
- MOV (QuickTime)
- MP4
- MTS/M2TS (FCPX only)
- MXF (FCPX only)
32-bitアプリ終了へのタイムライン
Appleがこれまでに行ってきた64-bit環境への移行プロセスや今後の予定は以下の通りで、次期macOS 10.15が発表されると思われるWWDC 2019ではさらに詳しい情報が公開されると思われます。
- 2017年09月25日
▶ 32-bitアプリをフルサポートするmacOS「macOS 10.13 High Sierra」をリリース。 - 2018年01月
▶ Mac App Storeで公開する新しいアプリは64-bit化が必須に。 - 2018年04月
▶ macOS 10.13.4 High Sierraで32-bitにアプリ起動時に警告を表示。 - 2018年06月
▶ Mac App Storeに存在&アップデートするアプリに64-bit化を必須に。 - 2018年06月
▶ macOS 10.14 Mojaveが32-bitアプリをサポートする最後のmacOSになると発表。 - 2018年09月
▶ macOS 10.14 Mojaveをリリース。レガシーソフトウェア確認機能を追加し、32-bitアプリは30日間毎に「このMac用に最適化されていません」という警告を出す仕様に。 - 2018年11月16日
▶ 次期macOS 10.15およびFinal Cut Pro Xでは一部のカメラで撮影された動画やエンコードされたメディアがレガシィメディアとして扱われ再生できなくなると警告。 - 2018年12月
▶ 次期macOS 10.15でQuickTime 7フレームワークが廃止され、macOSのネイティブ環境では利用できなくなるメディアフォーマットの一覧を公開。 - 2019年03月22日
▶ iMovieやFinal Cut Pro, MotionにmacOSが64-bit環境へ移行するのに伴いネイティブサポートされなくなるメディアを判定&変換する機能を追加。 - 2019年04月30日
▶ 2014年に開発を終了したプロユーザー向け写真編集&管理アプリ「Aperture」がmacOS 10.15では動作しなくなるとしてAppleの写真アプリやAdobeのLightroom Classicへ移行するよう指示。 - 2019年05月30日
▶ 次期macOS 10.15ではmacOS 10.14 Mojaveの写真アプリでは開くことのできる動画がQuickTime 7フレームワークの廃止に伴い再生/変換できなくなるとして、macOS 10.14での変換を指示。 - 2019年秋
▶ macOS 10.15で32-bitアプリとQuickTime 7やJava 1.6 Appleなどを含むフレームワークのサポートを終了へ。
- About legacy media in iMovie – Apple Support
- About legacy media in Final Cut Pro X – Apple Support
- 将来のmacOSでは一部のレガシィメディアが扱えなくなるとしてFinal Cut Pro Xユーザーに警告。
コメント
JPEG2000がレガシー扱いか。
なんだったんだろうな。