Appleが将来のmacOSではSony HDCAM-SRやGoProのCineFormの映像、Avid DNxHD/DNxHRで作成されたファイルなどがレガシィメディアとなり互換性がなくなるとしてFinal Cut Pro Xユーザーに警告しています。詳細は以下から。
Appleは現地時間2018年11月15日、ビデオ編集アプリ「Final Cut Pro X」をv10.4.4へアップデートし、サードパーティ製の機能拡張を利用できる機能などを追加しましたが、同時に今後リリースされるmacOSで一部のカメラで撮影された動画、エンコードされたメディアなどがレガシィメディアとして扱われ、互換性がなくなるとしてユーザーに対しバックアップなどを行うよう指示しています。
Final Cut Pro バージョン 10.4.4の新機能
ワークフロー機能拡張
- 他社製機能拡張をアプリケーションインターフェース内で直接開けるように、Final Cut Proの機能を拡張
- 機能拡張ウインドウ、ブラウザ、およびタイムライン間でクリップをドラッグ&ドロップ
- 既存の他社製アカウントに接続して、プロジェクトへのアクセス、メディアのダウンロード、コンテンツの購入が可能
- 密接な統合により、機能拡張を使って、タイムライン再生、ナビゲーション、クリップマーカーなどを制御可能
- ワークフロー機能拡張には、共同作業(Frame.io)、ストックメディア(Shutterstock)、およびアセット管理(CatDV)のための各種ツールを用意
レガシーメディアファイル
Appleが公開したサポートドキュメントによると、レガシィメディアとなるのはSony HDCAM-SRカメラで撮影した映像、およびGoProのCineFormフォーマットで撮影した映像、Avid DNxHD/DNxHRフォーマットのビデオファイルとその他多くの旧型カメラ/ソフトウェアで作成された映像で、
Final Cut Pro で、今後リリースされる macOS ではレガシーメディアファイルとの互換性がなくなるという警告が表示されることがあります。
レガシーメディアファイルは macOS Mojave では扱うことができますが、今後リリースされる macOS では使えなくなる見込みです。レガシーメディアとは、たとえば、Sony HDCAM-SR カメラなどのカメラで撮影したフッテージ、GoPro カメラで CineForm フォーマットで撮影されたフッテージ、ソフトウェアで作成された Avid DNxHD/DNxHR フォーマットのビデオファイル、その他多くの旧型カメラで撮影されたフッテージ、旧型のソフトウェアで編集されたファイルなどです。
Mac で macOS High Sierra または macOS Mojave を実行しているうちに、この記事の手順にそって、Final Cut Pro のライブラリをバックアップし、レガシーメディアを使ったプロジェクトを完成させ、アップデートしておいてください。Final Cut Pro X のレガシーメディアについて – Apple サポート
これらのファイルを最新のFinal Cut Proで扱うと以下のような警告が表示されるため、AppleがmacOS 10.13 High SierraおよびmacOS 10.14 Mojaveでこれらのファイルやプロジェクトをサポートしているうちに、プロジェクトのバックアップ、レガシィメディアを使ったFinal Cut Proプロジェクトの作成および編集をして、Apple ProRes 422マスターファイルとして書き出ししておくように指示しているので、エディタの方はサポートページをチェックしてみてください。
Okay, this kind of scares me. #FCPX #Mojave #PostChat
https://t.co/rFuIpE0bID pic.twitter.com/34612qxXf3
— Adam Peariso 🇨🇦 (@Adamski) 2018年11月15日
プロジェクトをバックアップする
プロジェクトを仕上げる前に、Final Cut Pro ライブラリをバックアップしておきましょう。Final Cut Pro のライブラリは、APFS や MacOS 拡張 (ジャーナリング) でフォーマットした USB ドライブ、FireWire ドライブ、Thunderbolt ドライブなど、外付けのストレージデバイスに保管できます。SD カード、USB フラッシュドライブ、ネットワークで共有しているドライブ、Time Machine バックアップで使われている外付けのドライブといったストレージデバイスには、Final Cut Pro ライブラリを保管しないでください。
- すべての外部メディアがライブラリの中に収められるように、ライブラリのメディアを統合しておきます。
- ライブラリが複数ある場合や、Mac の別の場所に移動している場合も考えられます。Final Cut Pro のライブラリをすべて探し、バックアップしておいてください。
レガシーメディアを使った Final Cut Pro プロジェクトを仕上げる
ライブラリをバックアップした後で、レガシーメディアを使った Final Cut Pro のプロジェクトの編集を終わらせ、Apple ProRes 422 マスターファイルとして書き出してください。
- ブラウザでプロジェクトを開きます。
- プロジェクトセットを共有してプロキシメディアを使っている場合は、ビューアの右上隅にある「表示」メニューをクリックし、「最適化/オリジナル」を選択します。
- 「ファイル」→「共有」→「マスター」の順に選択するか、「command + E」キーを押します。
- 「共有」ウインドウで、「情報」をクリックして、プロジェクトやクリップの属性 (タイトル、説明など) を変更します。ウインドウの下部に、書き出すファイルについて、フレームサイズやフレームレート、オーディオチャンネルやサンプルレート、継続時間、出力ファイルタイプ、ファイルサイズなどの情報が表示されます。
- 「共有」ウインドウの上部にある「設定」をクリックします。「ビデオコーデック」ポップアップメニューをクリックし、「Apple ProRes 422」を選択してください。ウインドウの下部に表示される予想ファイルサイズを確認しておきましょう。書き出したマスターファイルのバックアップに使う外付けドライブに、その分量以上の空き容量が必要です。
- 「次へ」をクリックします。
- 「名前」フィールドにファイルの名前を入力し、ファイルの保存先を指定してから「保存」をクリックします。
- 書き出したファイルをバックアップするには、外付けのドライブにコピーします。
Final Cut Pro X のレガシーメディアについて – Apple サポート
おまけ
AppleはiMovieユーザーにもFlipビデオカメラの動画やGoProで撮影したCineFormフォーマットの動画、DivXフォーマットがレガシィメディアとして今後のmacOSで利用できなくなると警告しており、macOS 10.13 High SierraでFinal Cut Pro 7などのサポートを打ち切っており、High Sierraにアップデートするとアプリが起動しなくなるので注意してください。
コメント
レガシーアプリの切り捨ては理解できなくもないが、ユーザーデータの切り捨ては恥を知れって感じ。
データが1アプリの寿命を超えて存続するってのは往々にしてあるし、そうじゃなければユーザーは安心してデータを作ることができない。開発者はその辺を十分に考慮してアプリを作るしそうすべき(少なくとも自分はそうしてる。)
せいぜい15年程度前のフォーマットをレガシーとか言って切り捨てるのは怠惰以外の何物でもないわ。
技術力の低下で面倒見られなくなったてきたんだろう
レガシーにカテゴライズすれば許されると思ってるけど、正直映像作品は特に過去の映像を引っ張り出してくることは頻繁にある人間も多いだろう。
メディアの人間なんかこんな適当なサポート体制App死んでも使わないだろうな。
正直もうFINAL CUTなんてプロユーザーからも嫌悪される存在になりつつあるからいっそのこと辞めればいい。
CineFormを切り捨てって、WindowsでのQuickTimeサポート終了時にAdobeからProresの代替フォーマットとして推奨されたのに危惧したのか?
中間フォーマットとしては画質は問題ないが使い勝手がイマイチな面はあるけれど、SMPTE VC-5として標準化された規格だから、このサポートを切るってのはちょっと考えらえない。
FinalCutPro7のプロジェクトが読めないのにiMovieのものは読めるようにしたり、今回のような切り捨ては、さらに仕事で使う層が離れて行ってしまう要因になると思うが、何を考えているんだろう?
Final CutのiMovie化が加速してる・・・
深く同意。
Pro用でしょ、扱えなくするまでやるのは、
嫌がらせでしょ。FCPX見捨てて良かった。
アップル製ソフトは、仕事で使うのはリスクでしかない。
iPhone/iPad がAppleの屋台骨を支えるまでになったから、パソコンやその関連事業はおざなりになりやすいよねえ。せっかくNeXTから引き継いだエンタープライズ事業ですらもポイしちゃってるわけだし。
まあ、Appleご自慢の「高級電話」で儲けようとしすぎて、業務用のAppの開発までは余裕がないのかな。かつての”Aperture”のようにならなければいいけれど、今更FCP X Proに固執しなくてもPremiereがあるからそうでもないか。となれば、いずれはApp自身を文字通り「ファイナルカット」しちゃった方が却って双方win-winなのかもしれませんね。
Final Cut Studioの頃はよく使ってたのになぁ〜。
iMovie Proにリネームしてどうぞ