MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)はT2を採用しSSDがオンボードになったものの、キーボードは3.5世代でFlexgateの対策も行われているようです。詳細は以下から。
Appleは現地時間2019年07月08日、Touch BarとTouch ID、2つのThunderbolt 3ポートを搭載した「MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)」モデルの発売を開始しましたが、同モデルの分解レポートをiFixitが公開しています。
It’s only been a couple of months since the last refresh of Apple’s MacBook Pro’s, but today we have a brand new entry level 13” model. This Macbook Pro is the first entry level 13 inch model to feature a Touch Bar, Touch ID AAAND its even got an upgraded 1.4GaHz quad-core 8th-generation Intel Core i5 processor.
YouTubeより
2016からの問題を修正
新たに発売されたMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)はHey Siri!やTouch Barを制御し、Touch IDの生体認証を「Secure Enclave」と「Storage Encryption」、「Secure boot」の3つで利用するためのAppleの独自SoC「Apple T2」が採用されていますが、元々キーボードはもちろん、バッテリーやディスプレイ、SSDなど問題の多かったTouch Bar非搭載モデルが上位モデルのTouch Bar搭載モデルのエントリーモデルになったことでその多くが修正されているようです。
キーボード
AppleはMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)モデルを発売と同時に「キーボード修理プログラム」のリストに追加しましたが、このキーボードは第3世代バタフライ構造をナイロン素材とスイッチ処理加工でアップデートしたMacBook Pro (2019)と同じ3.5世代のバタフライ構造のキーボードとなっているので、前モデルと比較して耐久性は高くなっているはずです。
As for the keyboard, it’s the same generation 3.5 butterfly switch design discovered in the earlier MacBook Pro refresh back in May.
MacBook Pro 13″ Two Thunderbolt Ports 2019 Teardown – iFixit
Thunderbolt 3コントローラー
次にThunderbolt 3コントローラーですが、Appleは2017モデルまでのMacBook Proに採用してきたTB3コントローラー「Alpine Ridge(JHL6540)」を2018年モデルで「Titan Ridge(JHL7540)」に変更し、これにより旧モデルで仕様となっていた左右のTB3ポートの帯域制限を無くしましたが、新しいMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)で2018年モデル以降と同じくTitan Ridgeが採用されているそうです。
- MacBook Pro (2017)
▶ Intel® JHL6540 Thunderbolt™ 3 Controller - MacBook Pro (2018)
▶ Intel® JHL7540 Thunderbolt™ 3 Controller
バッテリー
Appleは2016~2017年に製造された一部のMacBook Pro (13インチ, Touch Bar非搭載モデル)において、コンポーネントの故障により内蔵バッテリーが膨張する可能性があるとして、同モデルのバッテリーを無償で交換する「13 インチ MacBook Pro (Touch Bar 非搭載) バッテリー交換プログラム」を発表していますが、
The new 58.2 Wh battery capacity slightly exceeds the 54.5 Wh battery found in the old function key model. Maybe that’s how it keeps up with the added Touch Bar, Touch ID sensor, and T2 chip while keeping the same 10-hour battery life.
MacBook Pro 13″ Two Thunderbolt Ports 2019 Teardown – iFixit
新しいMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)のバッテリーはTouch BarとApple T2チップを採用した上でバッテリー駆動時間を同じにするためか、前モデルの54.5Whから58.2Whへバッテリー容量がアップグレードされており、これは2018~2019年に発売されたFour TB3モデルの58.0Whより大きい容量となっているそうです。
Flexgate
Appleが2016年以降に発売したMacBook Proでは一部のユーザーから、ディスプレイ下からLEDの光が漏れ出し、ステージライトのようになる「Flexgate」が報告され、Appleもこれを確認し、MacBook Pro (13-inch, 2016, Four/Two BT3)モデルにディスプレイのバックライトが断続的に表示される/バックライトが機能しなくなるMacBook Proに対し「ディスプレイバックライト修理プログラム」を発表していますが、
ユーザーやiFixitが確認したところによると、AppleはMacBook Pro (2018)モデル以降でこの問題の原因となっているフレキシブルケーブルの長さを修正したものの、このケーブルの修正は2018年モデルからで2017年モデルで引き続き古いケーブル(ディスプレイ)が採用されているという報告がありました。
これをiFixitのMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)モデルの分解レポートで確認してみると、2016年のTwo TB3ポート&ファンクションキー付きモデルと比較してフレキシブルケーブルの長さが違っているため、AppleはMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)でもFlexgate対策を行ったようです。
また、iFixitは新しいMacBook Pro (13-inch, 2019, Two TB3)ではTouch Bar/Touch IDセンサー用のスペースを確保するために、CPUのヒートパイプと排気口を若干短く/小さくしているようだと指摘しており、旧モデルに採用されていたプロセスIntel Core i5-6360Uと新モデルのi5-8257UではTDPが15Wと同じため、ちょっと心配かな?とコメントしています。
その他
MacBook Pro 13インチのエントリーモデルは約2年ぶりのアップデートのため以上のような問題に一通りの修正/対策が取られているようですが、Apple T2チップの採用によりSSDはオンボードとなっており、ユーザーのアップグレードは不可能で、
やはりベースの128GBではWRITE値が600MB/sとMBP (2015)モデルを256GB以上のNVMe SSDにアップグレードした場合よりもスコアが悪いので、MBPの購入を検討されていた方で、Thunderbolt 3ポートが4つも必要ないという方は価格の安いエントリーモデル(TB3の2ポート)を選択してSSDやRAMをアップグレードするのも1つの選択肢だと思います。
- MacBook Pro – Apple(日本)
- MacBook Pro 13″ Two Thunderbolt Ports 2019 Teardown – iFixit
コメント
半世紀くらいパソコン作ってるのかってくらい世代重ねてて草
実際もう40年以上だから半世紀にも遠くないぞ