AdobeがApple M1チップ搭載のMacをネイティブサポートしIntel Macと比較して約80%動作速度が向上した「Premiere Pro 15.4」をリリースしています。詳細は以下から。
Adobeは現地時間2021年07月20日、昨年12月にBeta版を公開し開発を続けていたApple M1チップ搭載のMacにネイティブ対応した動画編集アプリ「Premiere Pro v15.4」を正式にリリースしたと発表しています。
今回のアップデートでM1搭載Macにネイティブ対応した Adobe Premiere Proは同等のIntelベースのMacと比べて約80%高速に動作します[…]。M1搭載のMacにアップグレードするユーザーが増える昨今、 Adobe Premiere Proの準備も整ったといえるでしょう。
Adobe Premiere Pro「音声のテキスト化」機能を正式リリース。-ユーザーは追加料金なしで使用可能- Apple M1 Macにネイティブサポート – Adobe Blog
Adobeがベンチマークを依頼したPfeiffer Researchによると、Apple Silicon M1チップをネイティブサポートしたPremiere Pro v15.4は、MacBook Pro (M1, 13-inch, 2020)とほぼ同仕様のIntel Core i5搭載の MacBook Pro (13インチ)と比較して、Adobe Senseiの機械学習を利用したシーン編集の検出が最大430%高速、XAVC Sの4K映像の読み込みが187%高速化しているそうです。
その他、iPhoneで撮影した4K映像(60fps)のような負荷の高い高圧縮フォーマットのプレイバックは前Intel Macでは48FPSだったものの、Apple M1チップ搭載のMacでは60FPSでスムーズに再生できるようになり、この他、Adobe BlogによるとProRes 422へのエンコードが129%、起動速度が50%、プロジェクトを開く処理が77%、プロジェクトの保存が168%、グラデーションワイプエフェクトが90%、レンズフレアエフェクトが66%高速化しており、合計23のベンチマークワークフローの平均は約80%(77.57%) Apple M1チップ搭載のMacが高速化していることを示しているそうです。
また、今回のアップデートではPremiere Proに加えてAdobe Media Encoder、Adobe Character AnimatorがApple M1チップ搭載のMacをネイティブサポートしており、Premiere Pro v15.4には日本語を含む13言語で音声のテキスト化(文字起こし)や新しいタイトルとキャプションのスタイル設定ツールなど複数の新機能が導入されています。
Text to Speech対応言語
- 英語
- 英語(英国)
- 簡体字中国語(標準中国語)
- 繁体字中国語(広東語)
- スペイン語
- ドイツ語
- フランス語
- 日本語
- ポルトガル語
- 韓国語
- イタリア語
- ロシア語
- ヒンディー語
macOSでは
Appleは2018年にリリースしたmacOS 10.14 MojaveでCUDAドライバのインストールに制限をかけ、2020年06月にはNVIDIAがCUDA Toolkit for Macの提供を終了、同じくレガシィなグラフィクスAPI「OpenGL (OpenGL ES)とOpenCL」を非推奨とし開発者に対しAppleのグラフィックAPI「Metal」への移行を勧めていましたが、
これに対応する形で、Premiere Pro 15.4ではmacOSプラットフォームでCUDAおよびOpenCLグラフィックレンダリングのサポートが廃止され、Apple Metalグラフィックスに焦点を当てた開発に移行したそうです。(Metalへの移行はPr 14.0から始まっています。)
最新のリリースでは、macOS での CUDA および OpenCL グラフィックレンダリングのサポートは、アドビのビデオおよびオーディオアプリケーションに含まれなくなりました。アドビのビデオおよびオーディオチームは、macOS 用の Apple Metal グラフィックスに焦点を当て、Apple プラットフォームでのアプリケーションの安定したパフォーマンスと優れたユーザーエクスペリエンスを保証します。
機能の概要 | Premiere Pro(2021 年 7 月リリース) – Adobe
また、After Effectsにつていは現在もApple M1チップをネイティブサポートしていませんが、Premiere Proとの連携機能は既に最適化されており、今年後半にApple M1チップをネイティブサポートしたAfter Effectsのパブリックベータ版を公開するそうなので、気になる方はAdobe Blogをチェックしてみてください。
Adobe After Effectsについては、M1ネイティブ対応は、今年の後半にパブリックベータ版としてお届けする予定です。Adobe Premiere Proに搭載されているダイナミックリンクやモーショングラフィックステンプレートなどのAfter Effectsとの連携機能は、すでにM1搭載のMac向けに最適化されています。
Adobe Premiere Pro「音声のテキスト化」機能を正式リリース。-ユーザーは追加料金なしで使用可能- Apple M1 Macにネイティブサポート – Adobe Blog
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