Mac mini (M1, 2020)はピーク性能時でも消費電力がMac mini (2018)の待機時電力を超えず、Geekbench 5のワークロードを3分の2時間で処理できるようになっています。詳細は以下から。
Appleが2020年11月に発表したARMベースのApple Silicon初のとなる「Apple M1」チップはTDPなどの詳細なスペックは公開されていないものの、スペシャルイベントでは元Intel Israel Design Centerのシニアマネージャーで、現在はAppleのSVPを務めるJohny Sroujiさんにより、
- Apple M1チップは電力効率に優れ、最新のノートPCのCPUパフォーマンスを4分の1の電力で発揮できる。
- MacBook Airシリーズの熱設計枠である10Wでは、最新のノートPC用CPUの約2倍のパフォーマンスを発揮できる。
という説明がなされ、
公開されたMac mini (M1, 2020)の電力消費情報とIntelの第8世代 Core iプロセッサ(Coffee Lake)搭載モデルのMac mini (2018)と比較しても、Apple M1チップは第8世代 Core iプロセッサの約3分の1の消費電力であることがわかりましたが、
実際に、Mac mini (M1, 2020)とMac mini (2018)の上位モデルでベンチマーク時の消費電力量を比較できる機会に恵まれたので、パフォーマンスと消費電力量を測定してみました。
ベンチマーク
ベンチマーク環境
今回お借りしたMac miniはApple M1チップを搭載したMac mini (M1, 2020)と、それと並行して現在も販売が続いているMac mini (2018)のフルスペックモデルで、OSはMac mini (M1, 2020)がmacOS 11 Big Sur、Mac mini (2018)がmacOS 10.15 Catalinaの最新バージョンとなっていますが、ベンチマークに利用したGeekbench 5のワークロードはOSのバージョンにほぼ左右されないないため計測値に問題ないと思います。
Mac mini (M1, 2020) | Mac mini (2018) | |
---|---|---|
Macについて | ||
プロセッサ | Apple M1チップ | Intel Core i7-8700B |
クロック数 | 3.2GHz | 3.2GHz (TB 4.60GHz) |
電力消費 (待機中/最大稼働時) |
6.8W/39W | 19.9W/122W |
メモリ | 16GB (LPDDR4X) |
64GB (DDR4 2666MHz) |
また、電力量の測定にはラトックシステムのBluetoothワットチェッカー「RS-BTWATTCH2」を利用します、こちらは以前Mac mini (Late 2014)をTime Capsuleの代わりにした際に利用したWi-Fiワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」の後継モデルで、
名前の通り接続した電気機器の消費電力や電流/電圧、電気料金、CO2排出量などの情報をBluetooth経由でスマートホンに表示、CSV形式で書き出してくれる機能があるので、Geekbench 5の実行中の消費電力を測定しグラフ化してみました。
ベンチマーク時の消費電力
実際に、Geekbench 5ベンチマーク実行中の消費電力の推移が以下の通りで、Mac mini (2018)はCPU稼働がピークの際にはAppleが公開した電力消費(122W)の以上の130W前後の値が出ていますが、どちらのMac miniともUSB-C PD供給型のモバイル4Kディスプレイを1枚接続しているので、その分の値がプラスされています。
Mac mini (2018) | Mac mini (M1, 2020) | ||
---|---|---|---|
設定 | Intel | Apple Silicon | Intel (Rosetta 2) |
Single-Core スコア |
1070 | 1726 | 1243 |
Multi-Core スコア |
5042 | 7327 | 5534 |
実行時間[秒] | 154 | 104 | 126 |
消費電力量[Ws] | 12703 | 2256 | 2854 |
以上の測定値をグラフ化してみると、Mac mini (M1, 2020)はApple M1チップの消費電力がピーク時でもMac mini (2018)の待機電力すら超えることなく、約3分の2の実行時間でGeekbench 5の全てのワークロードを終え、それに伴い1回のベンチマークの消費電力量もMac mini (M1, 2020)の5.6倍になっています。
また、Mac mini (M1, 2020)は消費電力だけでなく、ベンチマークスコアでもMac mini (2018)のIntel Core i7-8700Bを圧倒しているので、Mac miniを冬場の暖房家電として見ている方以外は、Apple M1チップを搭載したMac mini (M1, 2020)を購入された方が電気代*や時間の節約になるので、利用されているアプリや周辺機器のApple Silicon/macOS 11 Big Sur対応をチェックしながら検討してみてください。
- Mac mini – Apple(日本)
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コメント
M1チップの優秀さに異論を挟むつもりはありませんが
i7-8700搭載PCだと待機電力が10W切るモデルも珍しくないので(5~7Wもある)
Mac mini (2018) の設計が悪いという面もあります。
Appleが公式で出してる電力消費情報でi7-8700BのMac mini (2018)がIdle 19.9W、Max 122Wとなってるんで、明らかにMiniの設計が悪いよね。。。
ttps://support.apple.com/en-us/HT201897
i7-8700搭載PCのレビューサイトを見て回ると、待機電力を検証しているサイトは意外と見つかりませんでしたが、平均的に30W前後のところが多かったですね。
10W切るモデルとは…。
型番違いではありませんか?
まぁチューニングすれば10w切るだろうけど普通に使ってる分にはアイドル時でも10wは普通に超えるよ