iOS 14、watchOS 7で導入されたWi-FiごとにランダムなMACアドレスを割り当てる「プライベート Wi-Fiアドレス」とエンタープライズ向けネットワーク接続手順を公開しています。詳細は以下から。
Appleは2020年09月にリリースした「iOS 14/iPadOS 14」および「watchOS 7」で、ネットワーク事業者や観測者からユーザーの追跡を軽減するためとしてWi-Fiネットワークごとにランダム化されたMAC(Media Access Control)アドレスを割り当てる「プライベート Wi-Fiアドレス」機能を導入しましたが、
現地時間2020年11月05日にリリースされた「iOS 14.2/iPadOS 14.2」および「watchOS 7.1」ではMDMネットワークプロファイルを利用したエンタープライズ向けネットワーク用のiOS/watchOSデバイスで仕様が変更されたそうです。
プライベート Wi-Fiアドレスとエンタープライズネットワーク
Appleがシステム管理者向けの公開したサポートドキュメントによると、iOS 14で導入されたプライベートWi-Fiアドレス機能はiOS 14.2より前のiOS 14.xではMDMネットワークプロファイルで管理されたデバイスでもエンドユーザーがOFFにできる仕様でしたが、iOS 14.2以降はMDMに登録されネットワークプロファイル設定がOFFの場合に限り、エンドユーザーがプライベートWi-Fiアドレス設定をON/OFFにできるようになっているそうで、加えて既知のネットワークとハードウェアMACについては以下のような接続手順で接続を試みるそうです。
The Private Address setting can be turned on or off at any time by the device end-user, unless the device is enrolled in MDM and the setting turned off via a network profile.*
*Prior to iOS 14.2, iPadOS 14.2, and watchOS 7.1, the Private Address option can be turned off by the device end-user, regardless of MDM-defined network settings.About private Wi-Fi addresses and enterprise networks – Apple Support
ハードウェアMACアドレスと既知のネットワーク
ここに記載されている「既知のネットワーク (previously-known network)」とは、iOS 14やiPadOS 14、watchOS 7にアップグレードする前にデバイスが接続を記憶しているWi-Fiネットワークで、iOS 14では既知のネットワークにもプライベートMACアドレスを優先で利用する仕様になっているそうです。
- 既知のネットワークにデバイスが接続する場合
- iOS 14デバイスは、まずプライベートアドレスを使用して接続を試みます。
- 組織のWi-Fiネットワークがプライベートアドレスを使用した接続を許可しておらず、接続が失敗した場合、デバイスはハードウェアMACアドレスを使用した接続を試みます。
デバイスがプライベートアドレスを使用して正常にネットワークと接続するまでの間、[設定]アプリではプライベートアドレスはOFFのままで、デバイスは引き続きプライベートアドレスを使用した接続を試み成功すると、その後の接続にはプライベートアドレスのみで接続する仕様となっているので、iOS 14アップグレード後、それまで接続できた既知のネットワークに接続できなくなった方はシステム管理者に問い合わせるか、設定アプリの[Wi-Fi] → [ネットワーク名]の「プライベートアドレス」項目をチェックしてみてください。
- About private Wi-Fi addresses and enterprise networks – Apple Support
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