macOS 13 Venturaに対応しSSDが交換可能な最後のMacBook Pro「MacBook Pro (13インチ, 2017, Thunderbolt 3ポートx 2)」のSSDを2TBへアップグレードしてみました。詳細は以下から。
Appleが販売するMacBook Proシリーズは、Apple T1とTouch Barを搭載したMacBook Pro (2016)モデルからSSDがオンボードとなり、ユーザーがアップグレードすることが難しくなり、Apple T2チップではAES暗号化ストレージ機能が追加され、SSDが暗号化&UIDがMac紐付けされ、ユーザーアップグレードがほぼ不可能になりましたが、
そんなMac用SoCとTouch Barを搭載したMacBook Proと並行して2016 ~ 2017年に販売されていた「MacBook Pro (13-inch, 2016/2017, Two Thunderbolt 3 ports)」 (モデル:A1708)は、非公式ながらSSDをユーザーがアップグレードすることが可能で、
かつ、2022年の秋にもリリースを予定している次期Mac OS「macOS 13 Ventura」のシステム要件からも外れず、後3年はセキュリティアップデートが受けられるようだったので、アダプターとNVMe PCIe SSDを購入して128GBモデルを2TBへアップグレードしてみました。
SSDアップグレード
購入したSSDとアダプター
以前、MacBook Pro (13-inch, Early 2015)のSSDをアップグレードした際にも書いた通り、AppleはmacOS 10.13 High Sierraから、AppleのネイティブNVMeドライバをサードパーティ製NVMe SSDでも利用できるようにしたため、既にOWCやTranscendなど多くのメーカーがMacBook用のSSDを発売していまが、今回はSabrent Rocket NVMe PCIe M.2 2242 2TBとSintech M.2 NVMe SSDアダプターカードを購入。
Sabrent Rocket NVMe PCIe M.2 2242は型番の通り、Type2280(22 x 80mm)よりコンパクトなType2242(22 x 42mm)のNVMe SSDで、現在Amazonでは512GBモデル(SB-1342-512)が約1万円、1TBモデル(SB-1342-1TB)が約1万9千円、2TBモデル(SB-1342-2TB)は約3万8千円前後で販売されていますが、2TBモデルはタイムセール祭りやプライムデーセールで定期的に約20%OFFの29,749円で販売されています。
Sintech M.2 NVMe SSDアダプターカード(ST-NG2016PRO)は、Type2230/2242タイプのM.2 PCIe NVMe (Mキー) SSDを、AppleのMacBook Pro (13-inch, Two Thunderbolt 3 ports)モデル用のSSDコネクタに変換してくれるアダプターで、2,400円程度で購入できます。
分解してSSDを取り外す
MacBook Pro (13-inch, Two Thunderbolt 3 ports)モデルの底面パネルを開け、SSDにアクセスするには、星型P5とトルクスT5ドライバーが必要で、加えてギターピックと吸着カップがあると取り外しやすく、OWCやiFixitの分解レポートを見ながら行えば10分程度でSSDへアクセスできます。
今回アップグレードしたMacBook Pro (13-inch, Two Thunderbolt 3 ports)には、デフォルトでApple製のSSD「AP0128J」が搭載されており、macOS 12 MontereyではApple純正SSDを利用しないとファームウェア・アップデートがパスできずに、macOSをアップグレードできないといった問題が確認されているので、今後も最新のmacOSにアップグレードしたい場合は大切に保管しておくことをお勧めします。
macOSのインストール
MacBook Pro (13-inch, Two Thunderbolt 3 ports)に換装したNVMe SSDには、macOSが入っていないどころか、フォーマットもされていないため、インターネット復旧や起動可能なUSBメディアなどを利用してフォーマットしてやる必要がありますが、最新のインターネット復旧が起動できなかったり、
macOSの復旧/インストーラーのディスクユーティリティが、1度目はSSDを認識しない問題(YouTube)などがあるので、どうしてもSSDが認識されない場合は、別のMacでフォーマット&macOSをインストールしてから換装してみてください。
ベンチマーク
macOSのインストールさえできれば、Sabrent Rocket NVMe SSDはリンク幅 x4、リンク速度は8GBT/sのソリッドステート PCI-Expressドライブとして認識されます。
ベンチマークですが、まず、Blackmagic Disk Speed Testでは、Apple SSD AP0128JがシーケンシャルRead 2200MB/s, Write 670MB/sだったのに対し、Sabrent Rocket NVMe SSD 2TBはシーケンシャルRead 1900MB/s、Write 1700MB/sと、Write値が約2.5倍になったものの、Read値は約0.8倍程度に落ち込みました。
この結果は、スコアが違う*ものAmorphousDiskMarkベンチマークでも同様の傾向で、元々、Sabrent Rocket NVMe SSDはBiCS4 TLC NANDフラッシュメモリーを採用し、Read値が最大2500MB/s、Write値が最大2100MB/sというスペックだったので、Sabrent Rocket NVMe SSDはほぼスペック通りで、
シーケンシャルRead値に関してはApple SSDのスペック値のほうが勝っていたようですが、容量128GBのAP0128JではmacOSのシステムとXcodoeをインストールしただけで空き容量が半分以下になっていたのに対し、
2TBのSabrent Rocket NVMe SSDでは、macOSとXcode、macOS 13 Ventura (Beta)を別ボリュームにインストールしても、約1.9TBの空き容量があるので、既に使わなくなったMacBook Pro (13-inch, 2016/2017, Two Thunderbolt 3 ports)を有効活用したい方はチャレンジしてみてください。
おまけ
2016~2017年に発売されたMacBook Pro (13インチ, Two Thunderbolt 3ポート)モデルはSSDをアップグレードできる最後のMacBook Proですが、このMacBook Proはバタフライ構造のキーボードで、文字が入力されない/反復入力される問題に対する「キーボード修理プログラム」やディスプレイ下から光が漏れ出すFlexgate問題に対する「ディスプレイバックライト修理プログラム」、
一部のSSDでデータの消失やドライブの故障が発生する可能性に対する「13 インチ MacBook Pro (Touch Bar 非搭載) ソリッドステートドライブ修理プログラム」、コンポーネントの故障により内蔵バッテリーが膨張する可能性に対する「13 インチ MacBook Pro (Touch Bar 非搭載) バッテリー交換プログラム」の合計4件のリコールが出ている機種なので、使い続ける方は突然の故障などに注意してください。
2016~2017年製のMacBook Pro(Touch Bar非搭載)モデルに関するリコール
- 2018年04月20日
▶ 13 インチ MacBook Pro (Touch Bar 非搭載) バッテリー交換プログラム - 2018年06月22日
▶ MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム - 2018年11月09日
▶ 13 インチ MacBook Pro (Touch Bar 非搭載) ソリッドステートドライブ修理プログラム - 2019年05月21日
▶ 13 インチ MacBook Pro ディスプレイバックライト修理プログラム
- Sabrent Rocket 2242 SSD – Amazon.co.jp
- Sintech M.2 NVMe SSDアダプターカード – Amazon.co.jp
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