MacBook Pro (2018)のストレージはハードウェア(H/W)に紐づけされているため故障した場合のデータ回復が困難になっているものの、一部のデータ復旧サービスはパスワードさえあれば対応するそうです。詳細は以下から。
Appleは2018年07月に発売したMacBook Pro (2018)でAES暗号化ハードウェアやiOSデバイスと同じSecure Enclaveを搭載した第2世代Mac用SoC「Apple T2」を採用しましたが、このためMacBook Proのロジックボードに壊滅的な障害が発生した場合、ストレージがハードウェアに紐づけされた鍵で暗号化されているため、データの回復が困難になっているとマニュアルには記載されており、
安全なストレージ:MacBook Pro のストレージドライブは、ハードウェアに紐付けられている鍵で暗号化されており、高度なセキュリティが実現されています。壊滅的な障害が発生した場合、データを回復できないことがあります。システムの最新のバックアップを外部ソースに保管しておくことを強くお勧めします。
MacBook Pro (2018)のマニュアルより
ストレージがオンボードとなったMacBook Pro 2016(2017)モデルにはロジックボードにデータ復旧用のコネクタがあり、Appleやサービスプロバイダは”Customer Data Migration Tool”を利用してデータを復旧することが可能でしたが、MacBook Pro 2018のロジックボードからはこのコネクタが無くなったため、データ復旧はほぼ不可能になっているとされていました。
データ復旧サービス
この問題に対しAppleのService Readiness Guideには「ユーザーはDriveSaversなどのデータ復旧サービスに依頼することも出来る」という記載があったため、米TidBITSがDriveSaversに問い合わせたところ、ディレクターのMike Cobbさんから「iFixitの記事の通り、ロジックボードの変更はユーザーデータの復旧に影響を及ぼしているものの、DriveSaversは2018モデルを含む他のすべてのMacからデータを復旧することに成功している」という返答があったそうで、
Last-Ditch Data Recovery More Difficult on the 2018 MacBook Pro https://t.co/IoFNY62YWg pic.twitter.com/Wn4J4gYVD8
— TidBITS (@TidBITS) 2018年7月24日
Luckily, data recovery firm DriveSavers says it can still recover data from these laptops, even if the logic board fails or is damaged. Mike Cobb, DriveSavers Director of Engineering, said in a statement:
None of the changes mentioned in the iFixit article regarding the MacBook Pro 2018 have had any effect on our ability to recover data for our customers. This is due to our advanced capabilities in addressing the logic board. DriveSavers has been very successful in recovering data from the 2018 model as well as all others. It is worth noting that customers need to send us the whole device to complete the data recovery service.
Last-Ditch Data Recovery More Difficult on the 2018 MacBook Pro – TidBITS
Mikeさんは新しいMacでは「Apple T2」がストレージだけでなく暗号化やカメラ、オーディオなどをコントロールする重要なコンポーネントとなっているため、Apple T2が破損していた場合はストレージ(NAND)からデータを復元することは出来ないものの、それさえ無事ならばユーザーパスワードとMacBook Proの所有者を確認してた後にデータを復旧出来ると答えたそうです。
Both the NAND flash and the T2 are the critical components for a successful data recovery. There are no smarts on the NAND as the data is controlled by the T2 chip; therefore, no file structure (or anything else) can be recovered from the NAND without the T2 being physically intact.
In short, DriveSavers needs the user’s password to be able to unlock an encrypted Apple device during data recovery. And, in the case of individuals sending in devices on behalf of someone else, they need permission of the owner and/or proof of ownership.Last-Ditch Data Recovery More Difficult on the 2018 MacBook Pro – TidBITS
ただし、データ復旧にはデバイス(MacBook Pro)をDriveSaversへ送る必要があることに加えて、それなりの費用も必要となるため、TidBITSは“Back up your data regularly!”とユーザーに警告しています。
コメント
バックアップを取らないユーザーが悪いと言えばそれまでね。
少々スピードが遅くなろうが、筐体が分厚くなろうが
SSDが取り外せてデータが楽に見られる方が良い。