macOS High Sierra betaで「GeForce GTX 1080 Ti」や「AMD Radeon RX Vega 64」を使用したeGPUスコアを米BareFeatsが公開しています。詳細は以下から。
Appleは現在、macOS 10.13 High Sierra betaでAMD用グラフィックスドライバの開発を行っており、既にサードパーティメーカーが「AMD Radeon RX Vega 64」をeGPUで起動することに成功していますが、米BareFeatsが「Vega 64」や「GeForce GTX 1080 Ti」などをeGPUで起動した際のベンチマークスコアを公開しています。
Early Results for the AMD Radeon RX Vega 64 under macOS:https://t.co/theHZaaAur
— Rob Art Morgan (@barefeats) 2017年9月7日
We have been following closely the published reports on the AMD Vega GPU along with the early testing on Windows PCs. When an eGPU mad scientist reported getting the RX Vega 64 to work with a MacBook Pro under macOS, we decided to give it a go.
AMD RX Vega 64 under macOS – BareFeats
ベンチマーク
BareFeatsがベンチマークに使用した環境は以下の通りで、AMD GPUはAppleのAMD GPUドライバをHigh Sierra beta 9で、NVIDIA GPUはNVIDIAの公式WebドライバをmacOS 10.12.6 Sierraで動作させているそうです。
- GTX 1080Ti ▶ GeForce GTX 1080 Ti (11GB) GPUを「Sonnet eGFX Breakaway Box」で接続した2017 iMac 5K TB3のBuild-inディスプレイで使用。
- RX Vega 64 ▶ AMD Radeon RX Vega 64 (8GB) GPUを「AKiTiO Node eGFX Box」で接続した2017 iMac 5K TB3 のBuild-inディスプレイで使用。
- GTX 1080 ▶ GeForce GTX 1080 (8GB) GPUを「Sonnet eGFX Breakaway Box」で接続した2017 iMac 5K TB3のBuild-inディスプレイで使用。
- RX 580 ▶ AMD Radeon RX 580 (8GB) GPUを「AKiTiO Node eGFX Box」で接続した2017 iMac 5K TB3のBuild-inディスプレイで使用。
- Pro 580 ▶ 2017 iMac 5KのdGPU「AMD Radeon Pro 580 (8GB)」をBuild-inディスプレイ使用。
- RX 480 ▶ AMD Radeon RX 480 (8GB) GPUを「AKiTiO Node eGFX Box」 で接続した2017 iMac 5K TB3のBuild-inディスプレイで使用。
- Single D700 ▶ 2013 Mac Pro 3.0GHz 8-Core Xeonの「AMD FirePro D700 (6GB) GPU Single」をLG UltraFineで使用。
- HD 7950 ▶ タワー型Mac Pro 2010 3.33GHz 12-Coreに「AMD Radeon HD 7950 (3GB) GPU」をインストールし、Apple Cinema Displayで使用.
ベンチマークはLuxMark 3 OpenCLおよびDaVinci Resolve, Geekbench 4 OpenCLの3種類で、LuxMark 3以外で「Radeon RX Vega 64」が「GeForce GTX 1080 Ti」を上回り、macOSで利用できる最高のAMD GPUとなっているそうです。
Conclusion
- Appleが現在開発中のAMDドライバは「Radeon RX Vega 64」使用時にOpenGLやMetal支援アプリで問題が発生したので、もう少し時間が必要。
- Radeon RX Vega 64は現在のところmacOSで最速のAMD GPUで「GeForce GTX 1080 Ti」を上回るが、Resolve OpenCLスコアではCUDAを選択すると1080 Tiは54 FPS,1080は36 FPSまで上がる。
- Anandtechのレポートでは「Radeon RX Vega 64」は「GTX 1080」より150W多く電力を消費し、我々のテストでも375Wまで達したため「AKiTiO Node eGFX (400W)」を使用した。
- 2010年製のタワー型Mac Proに「Radeon RX Vega 64」を搭載するとGPUストレステストでクラッシュ&再起動してしまった。
おまけ
またAppleInsideもmacOS 10.13 High Sierra betaでeGPUを利用し以下の様なレポートを公開しているので、興味のある方はチェックしてみて下さい。
- Thunderbolt 3のパフォーマンスを100%とするとThunderbolt 2接続では20%、Thunderboltでは50%パフォーマンスが低下する。
- AMD GPUはAppleがmacOS 10.13 High Sierraに同梱する純正ドライバで利用可能。
- NVIDIA GPUは現在のところmacOS 10.13 High Sierraでは動かないので、macOS 10.12 SierraとWebドライバを利用する必要がある。
- Appleの「External Graphics Development Kit」にも採用されているSonnetのeGPU Box「eGFX Breakaway Box(無印)」は、MacBookへの電力供給が最大15Wとなっているので、必要なら最大87W供給が可能な「eGFX Breakaway Box 550」をお勧め。
- eGPU Boxのファンノイズは「eGFX Breakaway」が40~51 dBA, Razer Coreが49~71 dBA, PowerColor Devile boxが44~64 dBA, MacBook Pro 2016が31~36 dBA。
- macOS 10.13 High Sierra betaではeGPUのクラムシェルモードはまだ”buggy”で、HDMIオーディオやeGPUが接続されている際のスリープをサポートしていない。
- macOS 10.13 High SierraでのeGPU+VRの正式サポートは2018年春となっているので、それまでは様子を見てみるのもいいでしょう。
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