macOS 15 SequoiaやiOS/iPadOS 18ではFinderやプレビューアプリ、コマンドラインツールなどで3Dデータフォーマット「USD」と「MaterialX」のサポートが強化。

WWDC24_ What’s new in USD and MaterialX macOS 15 Sequoia
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

 macOS 15 SequoiaやiOS/iPadOS 18ではFinderやQuickLook、プレビュー、コマンドラインツールなどで3Dデータフォーマット「USD」と「MaterialX」のサポートが強化されるそうです。詳細は以下から。


 Appleは2016年に開催したWWDC16で、米Pixarが1998年に公開した映画「バグズ・ライフ」用に開発し、2016年にオープンソース化されたの3Dシーングラフ用ライブラリ「USD (Universal Scene Description)」をSceneKitでサポートすると発表し、それに伴いmacOS 10.12 SierraではFinderやQuickLook、プレビュー、XcodeでUSDファイルの表示が可能になりました。

Advances in SceneKit Rendering

WWDC16 : Advances in SceneKit Rendering

 その後、2018年に開催されたWWDC18で、拡張現実フレームワーク「ARKit 2」とiPhoneやiPadのカメラを通して空間上にオブジェクトを映し出せるAR QuickLookが発表されるとiOS 12やmacOS 10.14 MojaveでUSDZサポートされ、翌年のWWDC19では「ARKit 3」とARアプリを開発するためのフレームワーク「RealityKit」が発表されmacOSやiOSでUSDファイルのサポートが強化されました。

WWDC18 : Integrating Apps and Content with AR Quick Look

WWDC18 : Integrating Apps and Content with AR Quick LookとWWDC19 : Working with USD

 そして、WWDC24のセッション10106「What’s new in USD and MaterialX」では、2023年08月にAppleとPixar、Adobe、Autodesk、NVIDIAなどが参加し、3Dコンテンツの標準を推進する「Alliance for OpenUSD (AOUSD)」が紹介されるとともに、

What’s new in USD and MaterialX

Appleの空間コンピューターVision Pro対応コンテンツやアプリの開発を支援するため、PixarのOpenUSDとアメリカのSFX/VFX制作会社Industrial Light & Magicが開発したオープンソースライブラリMaterialXのサポートを強化することが発表されています。

macOS 15 SequoiaやiOS 18, visionOS 2で強化されるUSD

QuickLook

 USDは現在、複数の色や形をオブジェクトに適用できるバリアント(Variant)をサポートしていますが、macOS 15 SequoiaやiOS/iPadOS 18, visionOS 2のQuickLookでは、このバリアントを切り替えることが可能で、RealityKitもUSDのヴァリアントをサポートするそうです。

USD Variant

Preview.app

 AppleはmacOS 10.12 Sierra以降、macOSのデフォルトPDF/イメージビュワーであるプレビューアプリでUSDファイルの表示をサポートしていますが、macOS 15 Sequoiaでは3Dモデルのサイズや向きの調整はもちろん、サイズと方向、単にを素早く正確に切り替えれっる新しいサイズ調整ツールが導入され、

macOS 15 Sequoiaのプレビューアプリ

3Dアセットの配布を最適化するための圧縮機能の追加、Storm RendererのライティングをRealityKitの表現に近くなるよう改善、そしてMaterialX ファイルのプレビューもサポートしたそうです。

macOS 15 Sequoiaのプレビューアプリ

FinderとShortcut

 また、macOS 15 SequoiaではFinderでの3Dファイルの扱いも強化しており、ショートカットアプリにはConvert to USDZアクションが追加され、Finderからワンクリックで3DアセットをUSDZフォーマットにすることが可能になり、アーカイブアプリはUSDZファイルの解凍がサポートされ含まれている3Dアセットの確認が可能になっており、

macOS 15 SequoiaのFinder

レンダリングに時間がかかる巨大な3Dファイルを素早く確認できるよう、プリレンダリングされたアセットのサムネイル表示もサポートされ、さらに、低レベルのシステムライブラリのアップデートとNVIDIAとPixarによってアップデートされたOpenUSDの仕様により、USDファイルのPrimにUnicode名を使用できるようになったそうです。

macOS 15 SequoiaのFinder

Command Line Tools

 そして、今年は大規模な3Dコンテンツを作成したい開発者向けに、ワークフローを自動化できるようコマンドラインツールも導入されるそうなので、Vision Pro向けのアプリやコンテンツを作成したい方は以下のセッションをチェックしてみてください。

macOS 15 SequoiaのCommand line tools

  • usdcat: USB互換フォーマットの変換とテキストでの書き出し
  • usdchecker: USDファイルの検証。
  • usdrecord: USDファイルの画像レンダリング。
  • usdtree: USDファイルの階層構造の出力。
  • usdzip: USDZファイルの作成。
  • usdcrush: USDZファイルの内容を圧縮。
  • usdextract: USD互換パッケージ内のファイルを抽出。

What’s new in USD and MaterialX

コメント

タイトルとURLをコピーしました