macOS 13 Venturaは他のmacOSと比較してexFATフォーマットのストレージへの転送速度が低下しており、アプリのパフォーマンスに大きく影響する場合があるので注意を。

APFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Testスコア macOS 13 Ventura
APFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Testスコア
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

 macOS 13 VenturaではApple Silicon Macで、他のmacOSと比較してexFATストレージのSSDの転送速度が低下しており、アプリのパフォーマンスに大きく影響を与える場合があるそうです。詳細は以下から。

External HDD icon

 Appleが2022年10月にリリースしたmacOS 13 Venturaでは、Microsoftの”msdos”と”exfat”ファイルシステムの実装が変更さたことで、macOSとも互換性のあるexFATでフォーマットされたHDDやSSDなどの外付けストレージに保存してある写真やデータが読み書きできなくなる、inode数が一致しない不具合が報告されていますが、

macOS 12 MontereyとmacOS 13 Venturaのdf

macOS 12 MontereyとmacOS 13 Venturaのdf

動画編者向けのバックアップツール「Hedge」を開発するオランダのHegeは、Hedge v22.3リリースと共に、このmacOS 13 VenturaではexFATでフォーマットされたストレージの転送速度が、macOS 12 Montereyなどと比較して低下しており、アプリのパフォーマンスに大きな影響を与えるとして、exFATを利用する必要がある場合はVenturaへのアップグレードを控えるようコメントしています。

macOS 13 Ventura exFAT The Ugly

The Ugly
ExFAT has a major speed regression in macOS Ventura; Hedge performs about 40% less than on previous macOS releases, and it’s worse for the other apps in the space – up to 60% speed loss. This is unfortunately something only Apple can fix, and we’re in talks with them to find a solution.
If you need to use exFAT, don’t update to Ventura.

Speed 2.0 – Hedge

macOSバージョン別のSSDパフォーマンステスト

 Hedgeによると、macOS 11 Big SurとmacOS 12 Monterey、macOS 13 Venturaを搭載したApple Silicon Macで最大転送速度が1,400 ~ 1,500MB/sのSSDをexFATとAPFSでフォーマットして転送速度を比較したところ、macOS 13 Venturaでは他のmacOSと比較して転送速度が大幅に低下し、Hedgeアプリのパフォーマンスが最大40%も低下したそうです。

Hedge 1.xとHedge 2.0およびexFATとAPFSストレージを利用したパフォーマンステスト

Hedge 1.xとHedge 2.0およびexFATとAPFSストレージを利用したパフォーマンステスト

 実際にmacOS 12 MontereyとmacOS 13 VenturaのデュアルブートにしてあるApple M1チップ搭載のMacがあったので、Apple Storeでも販売されていたSanDisk Extreme Portable SSD V2 (転送速度は~1,050MB/s)を利用し、Blackmagic Disk Speed Testを行ってみたところ、

OSのバージョンによるパフォーマンステスト

クリックで拡大

macOS 12 MontereyではRead/Write値が共に700MB/s程度だったexFATフォーマットのSanDisk Extreme Portable SSDが、macOS 13 Venturaでは600MB/sまで低下し、APFSフォーマットと比較するとReadは約10%、Writeは28%も低下していました。

APFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Testスコア

APFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Testスコア

 Hedgeは、exFATフォーマットはWindowsとも互換性があるため、多くの顧客が利用しているものの、現段階では転送速度が最大60%低下することもあるとして、解決策としてWindowsでもAPFSストレージの読み書きを可能にするParagon SoftwareのParagon for APFS (APFS for Windows)」の利用を勧めていますが、価格が49ドルとなっているため、

現在のところ、Adobe Creative CloudなどWindowsでも利用できるアプリでexFATフォーマットのストレージを利用する場合は、Appleが問題を修正するまで時間のかかる作業を我慢するしかないようです。

この問題は2022年12月13日にリリースされたmacOS 13.1 Venturaでも修正されていません。

おまけ

 ついでにAmorphousDiskMark for macOSを利用して確認してみたところ、macOS 13.x VenturaではexFATフォーマットのSSDはmacOS 12 Montereyと比較して、シーケンシャルQD8(Queue Depth=8)のRead/Write値は改善しているものの、シーケンシャルとランダムのQD1 Read/Write値が低下し、これがパフォーマンスの低下の原因となっているようです。

AmorphousDiskMarkでAPFSとexFATのベンチマーク

クリックで拡大

試していませんが、Intel Macでも同じ傾向だと思われます。

おまけ2

 ちなみに、初期のmacOS 11 Big Surでは、Apple Silicon MacでSSDへ過剰なデータ書き込みがされる不具合が確認されていましたが、この不具合はmacOS 11.4 Big Surでようやく修正されました。

1日の書き込みデータ量

Apple Silicon Macへの1日の書き込みデータ量

コメント

  1. 匿名 より:

    いつだったか忘れたが、
    昔のMacOSだとexFATの読み込み速度が、体感でHFS+の半分くらいだったことがあったな。
    その後、MacOSのバージョンアップ後に一気に速くなっていて驚いた。
    で、また遅くなったのか。

  2. 匿名 より:

    ExFATはUSBメモリデバイスやSDカードの外部記憶メディア向けのファイルシステムとして開発されたもので、SSDやHDDストレージでの利用は元々想定はしていないようだから、性能に問題があっても仕方ないような気もします。
    Windowsの場合はNTFSを推奨していますし、macOSなら今ならAPFSでしょうか。古いmacOSとの互換性が必要ならHFS+ ?

  3. 匿名 より:

    MacMiniをストレージサーバーとして扱ってたのですが、ついにMacMiniを捨てるときが来たようですね。
    ストレージサーバーとしても扱えない、Dockerのフル機能が使えないためWeb開発用途としても扱えない。
    GPUもNVIDIAではない。Linuxもインストールできない。VRも開発できない。
    今のところ、M1/M2のラップトップのバッテリーの持ち以外にほとんどアドバンテージを失ってしまいました。

    今後はWindows/Linuxをベースにしないとエンジニアリングは仕事にならないかもしれません。

  4. 匿名 より:

    おまけ2の箇所
    この不具合はmacOS 13.4 Big Surでようやく修正されました。


    この不具合はmacOS 11.4 Big Surでようやく修正されました。
    の誤記でしょうか。

  5. だいすけ より:

    仕事ではWindows、家ではMacというパソン環境の私です。
    ただ、MSOfficeの関係で家でもWindowsパソコンを使っています。
    今回、2009インテルMacからM1Macになりました。
    これまでWinとMacのデータ共有でexFATを利用していましたが、Venturaで使えなくなりました。

    G3OS9からG5Snow Leopard、インテルEICapitan、そしてM1VenturaとAppleに付いて来ましたが・・・この20数年疲れました。
    やはり、先のコメントにありましたが、WindowsとLinuxに戻るべきなのでしょうか?
    ちなみにWindowsではXPのソフトが11で普通に動いたりします。
    Appleにはこのような脇の甘さがないのですが、そこが融通性の無さです。

タイトルとURLをコピーしました