macOS 13 VenturaにはexFATフォーマットの外部ストレージに保存してある写真やデータが読み込めなくなる不具合が確認されています。詳細は以下から。
Appleは2022年10月にリリースする「macOS 13 Ventura」では、macOSでネイティブサポート(Read/Writeが可能)されているMicrosoftの”msdos”と”exfat”ファイルシステムの実装を変更すると開発者向けに発表していましたが、
There’s a change to the implementation of the msdos and exfat file systems. Apps that check for those specific file system formats might not detect them. Please file feedback if this impacts your app. (90768681)
macOS 13 Ventura Beta Release Notes – Apple Developer
この変更が原因で、macOS 13.0.x VenturaではexFATフォーマットの外部ストレージに保存された写真やデータが読み書きできなくなっている不具合が確認されています。
Apple Support Communitiesやオーディオソフトウェアを開発するWaves Audio Ltd.のサポートによると、これまでexFATフォーマットの外付けHDDやUSBメモリに保存していた写真ライブラリやライセンス情報をmacOS 13.0 Venturaへアップグレード後に、読み込もうとするとロード/アクティベイトができない状態になるそうで、
Waves製品のアクティベーションについて、現在macOS VenturaではexFATフォーマットのUSBメモリにライセンスをアクティベーションできない状態が確認されています。他のフォーマットのUSBメモリまたはMac本体へのアクティベーションを行っていただくようお願いいたします。 https://t.co/kVyd29J4RZ
— メディア・インテグレーション サポート (@misupport) November 10, 2022
Important Note: […] Note that on macOS 13 (Ventura), license activation is currently not possible on exFAT formatted USB drives.
Download Waves Central – Waves
バックアップ・ユーティリティCarbon Copy Clonerを開発する米Bombich Softwareは11月29日付で、macOS 13.0.x VenturaではexFATフォーマットのファイルシステムで、フォルダのinodeが親フォルダのinodeと同一になってしまうケースが確認されているとして、Appleに報告しており、Venturaユーザーに対し問題が修正されるまでexFATではなく、APFSフォーマットを利用するようにコメントしています。
We’re tracking a new ExFAT-specific filesystem bug in macOS Ventura. We have seen a handful of cases where a folder’s inode number is identical to the inode number of its parent folder.
macOS Ventura Known Issues | Carbon Copy Cloner – Bombich Software
おまけ
また、macOS 13 VenturaではFinderでRaspberry Pi PicoなどへUF2ファイルを転送できない不具合が確認されており、Raspberry PiやArm Mbed DAPLink, Adafruit, MicroPythonの開発チームは問題が修正されるまで、Venturaへのアップグレードを控えるように通知しています。
おまけ2
ちなみに、exFATフォーマットの外付けHDDやSSDに保存されている写真ライブラリが読み込めなくなる不具合はmacOS 11 Big Sur時代にも発生しており、それ以来Appleは写真ライブラリに利用する外付けストレージのフォーマットにAPFS/Mac OS 拡張(ジャーナル)を利用するように指示しています。
外付けのストレージデバイス (USB ドライブ、Thunderbolt ドライブなど) を Mac 用にフォーマット (APFS フォーマットまたは Mac OS 拡張 (ジャーナリング) フォーマット) してください。
フォトライブラリを移動して Mac の容量を節約する – Apple Support
おまけ3
macOS 13 VenturaではexFATの実装が変更され、dfコマンドで取得できる情報が全く変わってしまったというコメントを頂いたので確認したところ、確かにmacOS 12 MontereyではexFATフォーマットのストレージでも正しくinodeのifreeやiusedが取得できるのに対し、macOS 13 Venturaでは”exfat://”というprefixが追加され、inodeの情報が全く異って/間違っていました。
追記
macOS 13.1までのmacOS Venturaでは、他のバージョンのmacOSと比較してexFATフォーマットのストレージへの転送速度が著しく低下すること確認されているので、上記の問題も、これに関連していると思われます。
- Download Waves Central – Waves
- macOS Ventura Known Issues | Carbon Copy Cloner – Bombich Software
コメント
MacでもWinでも使えるからってexfatに大事なデータ保管してる人いるけど
エラーに対する対策機構が全く無いから
突然データ吹っ飛んでもいい人以外は使わないでね。
WinMac受け渡し用途専用だけど、不具合出すのは常にAppleだけ。
そういえば、APFSも以前はシンボリックリンクやハードリンク周りの動作がおかしくて、よくGITやファイル管理系が飛んでいたときがありました。
そもそもファイルシステムの安定性をAppleに求めるのが間違っているのかも。
うを〜大量の動画データを2TのSSDにぶっ込んでいた幸せがぁ
ど、どうしたらいいんだ〜。