macOS 13 VenturaではEventKitのアップデートにより、サードパーティ製アプリでGoogleやMS Exchangeのカレンダーイベントが読み込めない、同期できないなどの不具合が確認されているので注意を。

　macOS 13 VenturaではEventKitのアップデートにより、サードパーティ製アプリでGoogleやMS Exchangeのカレンダーイベントが読み込めない、同期、追加できないなどの不具合が確認されているそうです。詳細は以下から。

　Appleは日本時間2022年10月25日にリリースした「macOS 13 Ventura」で、システム設定(旧:システム環境設定)やFont BookをSwiftUIで刷新し、目に見えないところではWi-Fi自動接続方法にiOSと同じ評価基準を導入したりしていますが、このmacOS Venturaでは、もう１つサードパーティ製カレンダーアプリに利用されているEventKitフレームワークのアップデートを行ったそうです。

In macOS Ventura 13, the EventKit framework has seen significant changes.[…]When you run your app on macOS Ventura 13, and have built it with Xcode 14 and linked against the macOS 13 SDK, you may see behavior that you are unfamiliar with when using EventKit. To identify these changes in behavior, thoroughly test your app for each major OS version it supports.

TN3130: Changes to EventKit in macOS Ventura 13 – Apple Developer

　このEventKitのアップデートを行ったmacOS Venturaリリース後、メニューバー常駐型のカレンダーアプリ「Itsycal for Mac」などを開発している米サンフランシスコのSanjay Madanさんは、複数のItsycalユーザーからmacOS VenturaへアップグレードしたMacで、GoogleカレンダーやMicrosoft Exchangeなど非iCloudカレンダーを利用するとItsycalがクラッシュするというレポートを多く受け取ったそうで、

I’ve received a number of crash reports from users who have upgraded their macOS to Ventura. The common thread seems to be that these users have non-iCloud calendars.

Ventura – Mowglii Blog

この不具合は、AppleがmacOS VenturaでアップデートされたEventKitフレームワークに原因があり、Apple Support CommunitiesやGoogle Calendar Communityでも、いくつかのアプリでGoogleやExchangeカレンダーと同期できない、イベントが追加できないなどの不具合が報告されています。

　この不具合は、既に複数の開発者がAppleにバグレポートを送り、AppleでEventKitフレームワークの開発を担当されているAdam Kempさんも問題を08月の段階から確認していたそうなので、次期macOS 13.1(?)アップデートでは修正されると思われます。

おまけ

　ちなみに、Itsycalを開発されているMadanさんによると、macOS 13 VenturaにアップグレードされたMacでItsycalをクラッシュさせる原因となったのは、macOS 13のEventKitがiCloud以外のベンダーのサービスに有効なアカウント名を返さないためで、

この不具合を修正するにはシステム設定アプリを開いて[インターネットアカウント]からiCloud以外のアカウントを選択、「アカウントを削除…」ボタンでアカウントを一度削除し、再度設定し直すことで、有効なデータの取得が再開されるそうなので、他のサードパーティ製アプリで同じ問題に遭われている方はチェックしてみてください。

• Ventura – Mowglii Blog
• TN3130: Changes to EventKit in macOS Ventura 13 – Apple Developer