VMwareがIntelとApple Silicon MacでWindows 11のゲストに対応し、Universal Binary化された「VMware Fusion 22H2 Tech Preview」をリリースしています。詳細は以下から。
米VMware, Inc.は現地時間2022年07月28日、昨年09月にリリースしたApple Silicon M1チップ搭載のMacに対応した仮想化ソフトウェア「VMware Fusion 21H1 Tech Preview」を予告していた通り約1年ぶりに「VMware Fusion 22H2 Tech Preview」へアップデートし、ついに、IntelとApple Silicon MacでWindows 11がゲストOSとして扱えるようになったと発表しています。
While it is a little early, and things on Apple silicon don’t always behave like we’re used to on Intel, we’re thrilled to be able to share the work we’ve been doing to prepare support for Windows 11 virtual machines on Fusion, for both Intel and Apple silicon Macs.
Just Released: VMware Fusion 22H2 Tech Preview – VMware Fusion Blog
VMware Fusion 22H2 Tech Preview
Windows 11 Guest on Intel and Apple Silicon
VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、21H1 Tech Previewと同様に、Arm64版 Linux/FreeBSDがインストール可能なほか、全てがIntel Macと同じようには動作しないものの、Apple Silicon MacでもWindows 11をゲストOSとして扱うことが可能となり、
VMware Fusionの新規インストールから[Windows]を選択して、Windows 11のイメージをドラッグ&ドロップ、インストールウィザードへ進むことが可能になっています。(必要に応じてvhdxをvmdkファイルへ変換してください。)
brew install qemu #qemuをインストール qemu-img convert -O vmdk /path/to/Windows11_InsiderPreview_Client_ARM64_en-us_xxxxx.VHDX /hogehoge/Windows11.vmdk #vmdkに変換
また、VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、IntelとApple SiliconでWindows 11の仮想化が可能になったものの、当然、x86_64アーキテクチャの仮想マシンをApple Silicon Mac(arm64)で実行することは不可能です。
Virtual Trusted Platform Module
VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、Windows 11の仮想化をサポートしたことで、Windows 11のシステム要件の1つでもあるTPM(Trusted Platform Module)も互換性のあるTPM 2.0となり、
高速暗号化やキーの自動生成、Keychainへのキーの保存など、VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、仮想TPMを利用する際に必要な仮想マシンの暗号化機能も強化されています。
また、VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、Windows 11 ARM用の2Dグラフィックドライバの初期バージョンが追加され、仮想ディスプレイで4K以上の解像度がサポートされており、Intel版のvmxnet3とは異なるものの、VMware Toolsにはグラフィックスとネットワークドライバが同梱されています。
この他、VMware Fusion 22H2 Tech Previewでは、Apple Silicon Mac上のMesa 22.1.1以降のLinux VMで、3DハードウェアアクセラレーションとOpenGL 4.3 + GLES 3.1がサポートされ、Linux 5.14以降でvmwgfxドライバが利用可能になり、アプリケーション自体もIntelとApple Silicon MacをサポートしたUniversal 2 Binaryとなっているので、VMwareユーザーの方は試してみてください。
おまけ
VMwareは今後、Apple Silicon Mac上でのmacOSの仮想化も検討しているそうで、Windows 11 on ARMでのライセンスに関しては、VMwareプロダクトラインマネージャのMichael RoyさんはWindows 11 on ARMのライセンスについて、
We suggest checking with Microsoft on that. Every person or company has their own agreements and they’re between them and MS, according to our official sources.
— Michael Roy (@mikeroySoft) July 29, 2022
Microsoftは個人/企業間でライセンスの独占契約を結んでいるため、Microsoftに確認してくれとコメントしているので、現在のところ実験的に利用する以外はグレーのようです。
追記
VMware Fusion 22H2 Tech Previewを利用してWindows 11 on ARMをインストール中、ネットワークに接続してくださいというところからインストールウィザードが進まないというコメントを頂きましたが、これはShift+ F10またはShift + Fn + F10で以下のコマンドを入力することでバイパスできます。
OOBE\BYPASSNRO
ネットワーク設定をバイパス後は、普通にWindows 11をインストールし、インストール終了後にVMware Toolsを利用してネットワークを確立します。
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