iOSデバイス上に仮想マシンを作成できる仮想化アプリ「UTM」がmacOS 11 Big SurとApple M1チップ搭載のMacをサポートし、M1 Mac上にARM64版WindowsやUbuntuをインストールすることが可能になっています。詳細は以下から。
Appleが2020年11月に販売を開始したApple Silicon「Apple M1」チップ搭載のMacでは、x86_64のWindowsやLinux OSは動作しないものの、AppleのHypervisorフレームワークとオープンソースのCPUエミュレータQEMUを利用して、ARM版のWindows 10やLinuxを動作させられることが確認され、ラッパーアプリも公開されていますが、
JailbreakしたiPhoneやiPad上に仮想マシンを作成し、WindowsやLinuxを動作させるQEMUベースの仮想化アプリ「UTM」がバージョン2.0.12で、Apple Silicon用パッチを導入したQEMU v5.2.0-rc3を導入し、Apple M1チップを搭載したMacでARM版Windows 10やUbuntuを動作させることに成功したそうです。(コメント欄でのご指摘ありがとうございます)
Here’s the updated and much simpler guide on installing Windows 10 on Apple M1. https://t.co/0MGkQAsPDk pic.twitter.com/xIOqMJpLpp
— UTM (@UTMapp) December 4, 2020
UTM 2.0 includes a redesign of the frontend for iOS 14 and introduces support for macOS 11. Due API limitations, the new design will not be available for iOS 13 and below.
- Updated QEMU backend from 5.1.0 to 5.2.0-rc3 with additional patches for virtualization support on Apple M1 Macs
UTM v2.0.12のリリースノートより
UTMは元々iPhoneやiPad向けに開発されていただけあり、Parallels DesktopやVMwareのように仮想マシンの作成/管理ウィンドウが利用可能で、ARM64版Windows 10とUbuntuのインストールガイドも公開されています。
仮想マシンの作成とOSのインストールは簡単に行なえますが、現在のところM1チップを搭載したMacのスペックが限られているため、GUIで利用するには実用的なリソースを仮想マシンに割くことができず、Issuesを見るとディスクのI/Oが極端に遅くなったり、インストール/起動が失敗するなどの不具合が確認されているので、Technical Preview版程度に思って利用したほうがよさそうです。
また、ARM64版Windows 10については、Microsoftが現在のところライセンスをOEMにしか提供しないと明言しているため、現状では公式に利用するのは不可能ですが、2006年にIntel製チップへ移行したMacintoshでWindowsを動作させるBoot CampやParallelsも、WinXPonMacのハッキングコンテストでJesus LopezさんとEric Wassermanさんという2人のエンジニアの方が「Xp On Mac(XOM)」パッチを開発し、
その後AppleがBoot Campを、ParallelsがParallels Workstation for Mac OS Xを公開した経緯があるので、今はApple Silicon Macで何がどこまで可能なのかを確認している時期にあると思います。
- Run virtual machines on iOS – UTM
- utmapp/UTM: Virtual machines for iOS – GitHub
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