AppleのHypervisorフレームワークとQEMUを利用し、Apple M1チップ搭載のMacで「Windows ARM64 Insider Preview」の仮想化に成功したユーザーが現れたそうです。詳細は以下から。
Appleは2020年11月、初のApple Silicon「Apple M1」チップを搭載したMacを発売したものの、このApple Silicon MacではIntel Macで利用できていたWindows OSをMacでネイティブ動作させるBoot Campやx86_64の仮想化ソリューションは利用できなくなりましたが、
元SUSE Linux Products GmbHのソフトウェア・エンジニアで、現在はAWSでプリンシパル・エンジニアを務めるAlexander Grafさんは、このApple M1チップ搭載のMacとQEMUを利用し、Windows ARM64 Insider Previewの仮想化に成功したそうです。
Who said Windows wouldn't run well on #AppleSilicon? It's pretty snappy here 😁. #QEMU patches for reference: https://t.co/qLQpZgBIqI pic.twitter.com/G1Usx4TcvL
— Alexander Graf (@_AlexGraf) November 26, 2020
It's native ARM 😉. Running the Windows ARM64 Insider Preview virtualized through Hypervisor.framework. No emulation involved.
— Alexander Graf (@_AlexGraf) November 26, 2020
AppleはWWDC20で、OS X 10.10 Yosemiteから導入している仮想化フレームワーク「Hypervisor」をApple Silicon向けにアップデートし、Apple Silicon MacでもARM版のGNU/Linux、Dockerを動作させることができると発表していましたが、
Grafさんは、このHypervisor.frameworkとオープンソースのCPUエミュレータQEMUを利用してApple M1チップ搭載のMacを利用して、ARM版WindowsをApple M1チップ搭載のMac上で動かすことに成功したそうです。
Microsoftは現在、ARM版Windows 10のライセンスをOEMにのみに提供しており、今後ポリシーを変更してApple Silicon製(ARM版)MacにBoot Campを許可する用意はあるかという質問には「現在のところこれ以上共有できる情報はありません」と回答しているので、一般のユーザーがM1チップ搭載のMacでARM版Windows 10を利用するのは難しいですが、GrafさんはQEMU用パッチを公開しているので、興味のある方はチャレンジしてみてください。
おまけ
ちなみに、IntelとApple Siliconのバイナリトランスレーター「Rosetta 2」ほどの速度ではありませんが、Windows 10 ARM64ではx86アプリのエミュレーションにも対応しているので、Apple Silicon MacでWindows 10 ARM64が動けば、x86アプリの利用も可能になるかもしれません。
Windows 10 ARM64 can run x86 applications pretty well. It's not as fast as Rosetta2, but close.
— Alexander Graf (@_AlexGraf) November 27, 2020
- QEMU patches – Patchwork
コメント
Insider Preview のイメージがあったか。
明日やってみよう。
Parallelsも同様のロジックで対応してくれそうだが、ネックなのはWindowsのライセンス。
MSからすれば、商売にならん限りはARM版を一般向け販売なんてしないだろうなぁ
そもそもx86アプリが動作できるようになったのも最近の話だしな
少なくともIntel版Macを販売している間には、仮想化もBootCampも実現しないだろう