Bombich SoftwareがmacOS 11 Big Surに対応したバックアップユーティリティ「Carbon Copy Cloner v5.1.22」をリリースしています。詳細は以下から。
米Bombich Softwareは現地時間2020年11月03日、macOSの起動可能なバックアップを作成できるバックアップユーティリティ「Carbon Copy Cloner (以下、CCC)」の最新バージョンとなる「CCC v5.1.22」をリリースし、macOS 11 Big Surに対応したと発表しています。
ただし、AppleはWWDC20でApple Silicon MacのセキュリティレベルをiOSと同レベルまで高め、加えて、macOS 11 Big SurではmacOS 10.15 Catalinaでユーザーデータと分離したシステムボリュームを更に強固にするため、システムボリュームを署名付きのシステムボリューム(SSV : Signed System Volume)にすると発表し、
macOS Big Sur is adding two new data security features: signed system volume (SSV), and Data Protection for Mac systems with Apple Silicon.
Protecting data at multiple layersより
そのため、08月にリリースされたCCCのBeta版ではCCCで起動可能な完全なバックアップボリュームを作成できない状態にありましたが、この状態は最新のBig Sur Betaでも同じで、CCC v5.1.22起動可能なバックアップボリュームを作成するには、作成したバックアップにmacOS 11 Big Surをインストールするという移行プロセスが必要になっているそうです。
The changes in Big Sur definitely present some new logistical challenges, but yes, you can have a bootable backup of macOS Big Sur. Right now you can install Big Sur onto your CCC backup to make it bootable, and in the future we’ll use Apple’s APFS replication utility (ASR) to clone the Big Sur System volume. Apple has assured us that they are working towards fixing the problems in ASR that prevent it from cloning the Big Sur System volume.
Yes, you can have bootable backups on macOS Big Sur – Bombich Software
CCCの開発者のMikeさんは、この問題をAppleに通知し、Appleからサードパーティ製アプリでもmacOS 11 Big Surボリュームの完全なクローンを作成できるようASR(Apple Software Restore)を改善すると保証されたそうなので、今後のアップデートではサードパーティのバックアップツールでも起動可能なバックアップの作成が可能になると思われますが、それまではAppleのTime Machineでのバックアップを完全にしておいた方がよさそうです。
おまけ
ちなみに、AppleはmacOS 10.15 Catalinaでシステムボリューム「Macintosh HD」を、ユーザーデータを保存する「Macintosh HD – Data」とRead-Onlyの「Macintosh HD」に分けたことで、CatalinaのTime Machineでは「✅システムファイルとシステムアプリケーションを除外」オプションが付きましたが、このオプションを有効にしておくと、最新のmacOSで問題が発生したときに古いmacOSをTime Machineから復元する事ができないので、ユーザーの方は注意してください。
- macOS Big Sur Known Issues – Bombich Software
- Yes, you can have bootable backups on macOS Big Sur – Bombich Software
コメント
実際にこの最新版CCC5を使ってみると:
「他の空きAPFS区画に、リカバリーディスクからのBigSur再導入」、そのポストインストレーション時にCCC5作成 バックアップボリュームからユーザー環境(データ、お気に入りアプリなど)を取り出して適用することも可能、とても便利で重宝。