ParallelsがmacOS 11 Big SurでAppleのHypervisorをデフォルト使用とし80以上の問題を修正した「Parallels Desktop v 16.1.0 for Mac」をリリースしています。詳細は以下から。
macOS向けの仮想化ソリューションを提供しているCorel Corporation傘下のParallels International GmbH.は現地時間2020年10月22日、macOS 11 Big Surをサポートした「Parallels Desktop 16.0.0 Mac」初のマイナーアップデートとなる「Parallels Desktop 16.1.0 Mac」アップデートを公開したと発表しています。
今回のアップデートである Parallels Desktop 16 for Mac 16.1.0(48950)では、次の機能、修正、改良を含め、製品の安定性とセキュリティの改善に重点的に対応しました。
リリースノートより抜粋
Parallels Desktop 16.1.0では新たにmacOS 11 Big SurのUIに対応したことに加え、macOS 11 Big Surで仮想マシンを作成すると、仮想化フレームワークがこれまでのParallelsのHypervisorからAppleのHypervisorフレームワークがデフォルトで使用されるようにアップデートされています。
これは2020年06月に開催されたWWDC20の基調講演でも紹介されており、Appleは既にApple Silicon搭載のMac用にHypervisorフレームワークをアップデートしているため、Parallels Desktop 16.1.0以降はApple Silicon搭載のMacでもARM版Debian GNU/LinuxやDockerがサードパーティ製カーネル拡張なしに動作するはずです。
また、Parallels Desktop 16.1.0ではmacOS 10.15 Catalina以降の仮想マシンの仮想ハードディスクのデフォルトサイズが256GBになり、macOS 11 Big Sur以降の仮想マシンではRAMのデフォルト容量が4GBに増量され、以下の通り、ユーザーから報告された70以上の不具合が修正されているので、ユーザーの方はアップデートしてみてください。
リリースノート
今回のアップデートである Parallels Desktop 16 for Mac 16.1.0(48950)では、次の機能、修正、改良を含め、製品の安定性とセキュリティの改善に重点的に対応しました。
macOS Big Sur に対応済み
Parallels Desktop 16 for Mac では、新しいデザイン、使いやすい設定などの改善が導入され、macOS 11 Big Sur(リリース時)向けに最適化されました。次に、最も重要な修正の一覧を示します。
Big Sur をホストオペレーティングシステムとして使用する場合
このビルドの内容
- 仮想マシンを起動しようとした後に、Mac がクラッシュする問題を解決しました。
- ユーザーが Windows にログインすると、仮想マシンがクラッシュする問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 へアップグレードした後に 一時停止している仮想マシンが再開しない問題を解決しました。
- 仮想マシンが Coherence で実行されているときに、グラフィックスアーチファクトがバックグラウンドで表示されない問題を解決しました。
- 承認して Mac を再起動した後に、Parallels カーネル拡張が読み込まれない問題を解決しました。
- 新しく作成された Boot Camp 仮想マシンが Big Sur で起動しない問題を解決しました。
- Parallels Desktop でインストールを完了するために Mac を再起動するように通知するメッセージが表示された後、再起動後にもう一度同じメッセージが表示されるというまれに発生する問題を解決しました。
- 2 つのメニュー項目しか表示されないという仮想マシン構成の CPU メニューの問題を解決しました。
- スナップショットの削除中に「”仮想マシン名” を一時停止できません」というメッセージが表示される問題を解決しました。
- Parallels Desktop 環境設定と仮想マシン構成ダイアログのタブを切り替えるときに、Parallels Desktop ウィンドウが上に移動する問題を解決しました。
- Dock の複数の仮想マシンアイコンの問題を解決しました。
仮想マシン内のBig Sur
このビルドの内容
- 既存の macOS 仮想マシンを macOS 11 Big Sur にアップグレードできない問題を解決しました。
- 復元パーティションから macOS 11 Big Sur を仮想マシンにインストールできない問題を解決しました。
- macOS 11 Big Sur 仮想マシンで Parallels Tools を再インストールした後に、黒い画面が表示される問題を解決しました。
- macOS 11 Big Sur にアップグレードした後、macOS 仮想マシンの画面が黒く表示される問題を解決しました。
- ユーザーがログインするときに macOS 11 Big Sur 仮想マシンが再起動するというまれに発生する問題を解決しました。
- Big Sur 以外の macOS バージョンの Mac で作成された macOS 11 Big Sur 仮想マシンで、デフォルトの画面解像度が 1024×768 に設定される問題を解決しました。
- インストールアシスタントに macOS 11 Big Sur のバージョンが正しく表示されない(10.16 と表示される)問題を解決しました。
その他の改善点
- Parallels Desktop ユーザー インターフェイスが更新され、macOS 11 Big Sur スタイルに対応します。
- Parallels Desktop は macOS 11 Big Sur プライバシー制限を満たしています。たとえば、ユーザーが同意するまで Bluetooth を使用できません。
追加情報
- 新しい要件に従い、macOS 11 Big Sur で作成されたすべての仮想マシンは、デフォルトで Apple ハイパーバイザを使用するように設定されています。Parallels ハイパーバイザの仮想マシンを使用している場合は、Parallels カーネル拡張を許可し、変更を有効にするために Mac を再起動するように指示されます。ネストされた仮想化が必要な場合は、Parallels ハイパーバイザを使用するように仮想マシンを構成します。
- 現在、ネットワーク調整機能は、macOS 11 Big Sur の Mac では使用できません。
グラフィック
- DirectX 11.1 をサポートします。この改良では、高解像度モニターのサポート強化と、DirectX 11 が必要なその他のアプリケーションやゲームのサポートといった利点が得られます。
- macOS 仮想マシンで Metal グラフィックスをサポートします。これにより、Parallels のエンジニアは、macOS パフォーマンスのゲスト バージョンを改善し、次のような 2018 ~ 2020 年に報告された多数の問題を解決することができました。
- プレビューで開いた PDF 文書で選択したテキストが黒くなる。
- FileSimple アプリケーションのインターフェイスに何も表示されない。
- macOS メニューバーの時計が鮮明に表示されないことがある。
- Safari の複数のタブにグラフィカル アーチファクトが表示される。
- macOS 仮想マシンでメモ アプリがクラッシュする。
- 地図アプリに黒い画面が表示される。
- macOS 仮想マシンにインストールされた写真アプリのサムネイルが黒くなる。
デバイス
- .dmg ファイルに基づいて仮想ハードディスクを作成し、仮想マシンで使用します。
Parallels Desktop ユーザーからの問題の報告
この Parallels Desktop のビルドには次の改良が含まれています。
アプリケーション
- BricsCAD、Creo 6.0、Creo Parametric 7.0.1.0、iRidium Studio、iCam 3D、FreeCAD 0.18.4、CATIA、Solid Edge 2020、Namirial Termo 5、Winner Design 12、Minitab 19、Olex² Crystallography Software、Mercury、ANSYS 17.2、TRASSIR (DSSL)、FEFLOW (DHI)、MySQL Workbench、Gradework 4D、pCon.planner、Abaqus でのグラフィックス アーチファクトの問題を解決しました。
- AmiBroker アプリ、LDView、SoundPLAN の 3D ビューアのレンダリングが正しくない問題を解決しました。
- Insignia Approver、TopSolid 2020 v6.21、Citrix での低速パフォーマンスとグラフィックス アーチファクトの問題を解決しました。
- Condacam 3.1 でオブジェクトを選択またはハイライトするときに表示されるグラフィックス アーチファクトの問題を解決しました。
- グラフィックス アダプタに関するエラー メッセージが表示されるという PRO100 v5.20 の問題を解決しました。
- カメラを移動するときに Pro100 v6.15 の画面が暗くなる問題を解決しました。
- Windows が Coherence で実行されているときに Citrix Receiver の画面が点滅、最小化、最大化する問題を解決しました。
- Windows 仮想マシンに PROFIS Detection をインストールできない問題を解決しました。
- Parallels Tools をインストールするときに、Bosch Video Security が動作しない問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 にアップグレードした後に、Visual Studio でネットワーク ドライブにあるプロジェクトを開けない問題を解決しました。
- AutoCad で共有フォルダにあるプロジェクトが「読み取り専用」で開かれる問題を解決しました。
- PaletteCAD v10 および ParaVIEW で仮想マシンが起動しない問題を解決しました。
- 「Polycom Real Presence」を使用するときに仮想マシンがフリーズする問題を解決しました。
- Siemens NX 12 アプリケーションで「内部エラー: メモリアクセス違反」というエラー メッセージが表示される問題を解決しました。
- MS Outlook 通知が Coherence で正常に動作しない問題を解決しました。
Windows
- Coherence で RDP 経由でリモート サーバーに接続した後に Windows 7 の画面が下に移動する問題を解決しました。
- macOS 10.15 Catalina を搭載した Mac で Windows 10 仮想マシンが起動し、時々 Mac がブロックされる問題を解決しました。
- Windows の起動中に Windows 8.1 仮想マシンが停止するというまれに発生する問題を解決しました。
- 仮想マシンに Windows 10 Insider Preview ビルド 20175 をインストールできない問題を解決しました。
- Sidecar と併用するときに Windows 10 仮想マシンが定期的にフリーズする問題を解決しました。
- RDP 経由で仮想マシンに接続するときに、グラフィックス アーチファクトが表示される問題を解決しました。
- TRIM が有効なときに Windows 仮想マシンが定期的にロックされる問題を解決しました。
- 仮想マシン構成でネットワーク アダプタ タイプを変更した後に、Windows がインターネットに接続できず、前のネットワーク アダプタが表示される問題を解決しました。
- 仮想マシン構成でネットワーク アダプタを変更した後に、Windows 仮想マシンがシャットダウンしない場合があるという問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 にアップグレードした後に、Windows 8.1 仮想マシンで Parallels Tools を更新できない問題を解決しました。
Linux
- CentOS 7 では Parallels Tools for Linux で dracut のエラーが発生する問題を解決しました。
- NDI カメラで Zoom を使用しているときに Ubuntu 仮想マシンがクラッシュする問題を解決しました。
- 外部ハードディスクとの間で大きいファイルをコピーしているときに、Linux 仮想マシンが停止する問題を解決しました。
- 外部ディスクから Linux 仮想マシンにファイルをコピーできず、「cp: コピー中に置換されたため、ファイル ;<;>をスキップしています」というエラー メッセージが表示される問題を解決しました。
macOS
- macOS 仮想マシンでの低品質音声の問題を解決しました。
- 仮想マシンに Mac OS X 10.6 Snow Leopard Server および Mac OS X 10.11 El Capitan をインストールできないというまれに発生する問題を解決しました。
- Mac の内蔵ディスクに十分な空き領域がない場合、大量のディスク領域がある外部ディスクで macOS インストール ディスクを作成できない問題を解決しました。
- OS X 10.7 Lion 仮想マシンで Parallels Tools for macOS が自動的に更新されない問題を解決しました。
印刷
- 「PDF に出力」(Mac Desktop)を使用して仮想マシンから文書を印刷するときに文字の間隔が正しくない問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 にアップグレードした後に、AutoCad および Visma アプリから切り取られた文書が印刷される問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 にアップグレードした後に、Parallels Tools でプリンタ ドライバが更新されない問題を解決しました。
デバイス
- Windows 10 で時々マイクが機能しない問題を解決しました。
- Windows で iLock USB キーを使用できない問題を解決しました。
- キーボード シンボルの「§」と「<」が入れ替わる問題を解決しました。
- キーボード シンボルの「\」と「< 」が入れ替わる問題を解決しました。
- ハンガリー語のキーボードレイアウトで「0」と「í」シンボルの問題を解決しました。
ゲーム
- 仮想マシンで Crucible が動作しない問題を解決しました。
- Construct 2 ゲーム エンジン、Kingdom Rush Frontiers、Crossout、Minecraft Java Edition v1.12.2 でのグラフィックス アーチファクトの問題を解決しました。
その他
- 「ディスク領域の解放」操作を中断した後に、仮想マシンで時々 Mac がフリーズする問題を解決しました。
- Parallels Desktop が起動せず、「Parallels サービスに接続できません」 というエラーメッセージが表示される、まれに発生する問題を解決しました。
- Parallels Desktop 16 にアップグレードした後に、仮想マシンを一時停止できず、「<仮想マシン名> を一時停止できません」というエラー メッセージが表示される、まれに発生する問題を解決しました。
- 仮想マシンのアーカイブを解除するときに、正しくないエラー メッセージが表示される問題を解決しました。
- 共有プロファイルが機能せず、「\\Mac\Home\Desktop にアクセスできません」というエラー メッセージが表示される、ごくまれに発生する問題を解決しました。
その他の改善点
- macOS 10.15 Catalina 以降の仮想マシンの仮想ハードディスクのデフォルト サイズが 256 GB に増えました。
- macOS 11 Big Sur 以降の仮想マシンに割り当てられた RAM のデフォルト容量が 4 GB に増えました。
- Ubuntu 17.10 以降の仮想マシンに割り当てられたメモリおよびグラフィックス メモリのデフォルト容量がそれぞれ 4 GB と 256 MB に増えました。
- 圧縮された仮想マシンが削除された場合、チェックサム ファイルが自動的にごみ箱に移動します。
- Parallels Desktop 16 for Mac – Parallels
コメント
バグ多過ぎ
ここ最近はアップデートのリリースノートの文言が珍妙な日本語だったり今回も文章が大きく崩れてたりと滅茶苦茶過ぎる…
Apple SiliconでWindowsの仮想化できなくなるし、そろそろお役御免かなParallels