iPad Air (第4世代)に搭載された「A14 Bionic」は5nmプロセスで6-/4-Core CPU/GPUに加え16-CoreのNeural EngineとMLアクセラレータを搭載しています。詳細は以下から。
Appleは現地時間2020年09月15日に行ったスペシャルイベント「Time flies.」の中で、指紋センサーをトップボタンに組み込んだTouch IDとオールスクリーンでデザインを刷新した「iPad Air (第4世代)」を発表しましたが、
このiPad Air (第4世代)にはAppleの新しいSoC「A14 Bionic」が採用され、基調講演の中でも多くの時間を割いてその性能が紹介されていたので、今後Apple Silicon搭載のMacにも採用されると思われるA14 Bionicについてまとめました。
A14 Bionic
AppleのPlatform Architecture VPのTim Milletさんによると、Apple SoCの製造プロセスはA12, A13シリーズでは7nmプロセスが採用されていましたが、A14 BionicはApple SoCとしては初めて5nmプロセスを採用しており、
これにより、トランジスタ数は昨年発表されたiPhone 11 Proなどに搭載されている7nmプロセスの「A13 Bionic」が85億個だったのに対し、A14 Bionicでは118億個と約40%も増加したそうです。
CPU/GPU
A14 BionicはA13 Bionicと同じく4-Core CPU、6-Core GPU構成となっていますが、CPUは4つのHigh-Efficency Coresと2つのHigh-Performance Cores構成、GPUは低電力で最大のパフォーマンスが発揮できるよう次世代アーキテクチャを採用し、A12を搭載したiPad Air (第3世代)と比較してCPU性能は40%、GPU性能は30%高速化されており、
約3倍の厚さと約4倍の重さを持つ同価格帯(62,800円)のHPのノートブックと比較しても最大2倍のグラフィックス・パフォーマンスを発揮するとコメントしているので、この辺は電力効率と同じくApple Silicon搭載のMacが発表される際にもIntelプロセッサと比較してApple Siliconがどれほど優れているかという指標に使われそうです。
Neural Engine
iPhone 11 Proなどにも採用されているA13 Bionicには、8-CoreのNeural Engineが採用されていましたが、iPad Air (第4世代)のA14 Bionicには倍の16-CoreのNeural Engineが採用され、毎秒11超もの演算処理(11 Trillion OPS)が可能になっており、これはA12の5TOPSの2倍、A13の6TOPSの約1.8倍で、
加えて、AppleはNeural Engineとは別に、行列乗算に利用するCPU内の機械学習アクセラレータ(ML Accelerators)を第2世代にすることで、iPad Air (第3世代)と比較して最大10倍の演算速度を可能にし、
Neural EngineとCPU内の第2世代ML Accelerators、GPUにより、Appleの機械学習フレームワーク「Core ML」を利用したアプリケーションをより高速なものにするそうなので、Apple Silicon搭載のMacでもサードパーティ製アプリケーション側がどれだけCore MLやMetalに対応してくるかがIntelからApple Siliconへの移行の課題となりそうです。
その他
この他、A14 Bionicには高品質のビデオや写真のために最新のISP(Image Signal Processing)が採用され、トップボタン式になったTouch IDのために高速化されたSecure Enclaveも搭載されているそうなので、Macでは現在Apple T2チップが担っているこの辺の機能も、Apple Silicon搭載のMacでアップデートされると思われます。。
コメント
最後の「その他」の段落でA14がA13にダウングレードしています!(誤植報告)
誤植?
誤入力では?