macOS 13.3 VenturaではexFATフォーマットのUSBストレージのパフォーマンス問題が回復していますが、Apple M1チップのMacはUASPが非サポートになっているそうです。詳細は以下から。
Appleが2022年10月にリリースしたmacOS 13 Venturaでは、Microsoftの”msdos”と”exfat”ファイルシステムの実装が変更され、WindowsはもちろんmacOSとも互換性のあるexFATでフォーマットされたSSD/HDDに保存してある写真やデータが読み込みができない、パフォーマンスが著しく低下するという不具合が報告[1, 2]されていましたが、
APFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Testスコア
Thunderbolt 3/USB-C対応のストレージ「Envoy Elektron」シリーズなどを販売する米OWCによると、macOS Venturaアップグレード後にexFATなど外付けUSBストレージのパフォーマンスが低下する問題はAppleが2023年03月27日にリリースした「macOS 13.3 Ventura」で一部改善しているそうです。
If you have a base configuration M1, keep reading. If you have any other M-Series chip, just know that you should update to macOS 13.3, released March 27, 2023. Prior releases contained a bug that caused decreased USB performance on other M-Series chips, but upgrading to macOS 13.3 should fix the issue for you.
A Note About USB Performance on M1 Macs – OWC Blog
ベンチマークテスト
OWCはmacOS 13 Ventura以降、Apple M1からM2ファミリーのチップを搭載したMacが、Intelチップを搭載したMacと比較してUSBストレージのパフォーマンスが低下する問題を確認していたそうですが、macOS 13.3ではその問題が改善されたと報告しており、実際に以前行ったBlackmagic Disk Speed TestをmaOS 13.3 Venturaアップデート後に行ってみましたが、
APFSとexFATフォーマットのSSDのBlackmagic Disk Speed Test (macOS 13.3 Ventura)
exFATでフォーマットしたSanDisk Extreme Portable SSD V2のWrite/Read値は、APFSフォーマットまでには及ばないものの、macOS 12.x Monterey以前のMacと同じか、それ以上まで回復していました。
macOS 13.3 VenturaでのAPFSとexFATのBlackmagic Disk Speed Test
さらに詳しく、AmorphousDiskMarkを利用してシーケンシャル/ランダムRead/Writeパフォーマンスをチェックしてみたところ、macOS 13.3 VenturaではexFATフォーマットのSSDで、シーケンシャルQD8(Queue Depth=8)とランダムQD64のRead/Write値が低下しているものの、QD1 Read/Write値が回復し平均的にシーケンシャルRea/Writeパフォーマンスを向上させているようです。
macOS 13.3 VenturaでのAPFSとexFATのAmorphousDiskMarkベンチマークテスト
UASP
ただ、OWCによるとMacでのUSBストレージのパフォーマンスは、このmacOS 13.x Venturaによる問題だけでなく、Apple M1とM1 ProやMax, Ultra, M2以降のMacでも発生しているそうで、OWCが確認したところによると、奇妙なことにAppleはM1チップ搭載のMacでのみ、UASP(USB Attached SCSI Protocol)を非サポートとしているそうで、
If you have a base M1 machine, however, you’ll still see lower USB performance even after updating to macOS 13.3. Specifically, we’ve seen write speeds on NVMe drives up to 44% lower on base M1 configuration Macs than what they are on Macs with other M-Series processors or an Intel chip.[…]The reason drives connected to the base M1 MacBook Air lag behind the other machines is that, unlike all other M-Series processors released after, the base M1 does not support USB Attached SCSI Protocol, or UASP.
A Note About USB Performance on M1 Macs – OWC Blog
これにより、Apple M1チップ搭載のMacは他のApple MシリーズのMacと比較してNVMeストレージで最大44%書き込み速度が低下する減少が見られており、OWCはAppleに問題を報告しているそうですが、現在のところApple M1搭載のMacではストレージのパフォーマンスが大きく低下するようです。
macOS 13.3 VenturaとApple M1, M1 Proチップ搭載のMacでのBlackmagic Disk Speed Test
- A Note About USB Performance on M1 Macs – OWC Blog
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