Apple M2チップ搭載したMacBook Air (M2, 2022)のAffinityとBlenderベンチマークのスコアです。詳細は以下から。
Appleが新たに販売を開始したMacBook Pro (13-inch, M2, 2022)やMacBook Air (M2, 2022)に搭載されているApple M2チップには、M1チップより2コア多い、最大10コアの次世代型GPUが搭載されており、
Appleによると、このGPUは、Apple M1と同じ電力レベルでグラフィックパフォーマンスが最大25%高く、最大電力レベルではApple M1のGPUより最大35%パフォーマンスが高くなるとコメントされていたので、M1 Ultraのベンチマークでも利用したAffinityやBlenderでベンチマークを行ってみました。
Affinityベンチマーク
Affinityシリーズは英Serifが開発&販売しているグラフィックデザインアプリで、その1つであるAffinity Photoでは[ヘルプ]メニューから、Affinityシリーズで重要なベクターとラクター処理性能を測定するベンチマークが行なえますが、
スコアの見方
- Vector : ベクター画像を扱うAffinity Designerに主に影響する値。
- Raster : ラスター処理を行うAffinity Photonに主に影響する値。
- Combined : ベクターとラスター処理を必要とするAffinity Publisherに影響する値。
- Vector (Single/Multi CPU) : ベクター処理をSingle/Multi CPUで行った時の値。
- Raster (Multi CPU/Single GPU) : ラスター処理をCPU/GPUで行った時の値。
- Combined (Multi CPU, Single/Muti GPU) : ベクターとラスター処理をCPU/GPUで行った時の値、RasterとCombinedスコアの差が大きいとボトルネックがある。
8コアCPU/10コアGPUを搭載したApple M2チップのMacBook Air (M2, 2022)でAffinityのGPU(Raster/Combined)ベンチマークを実行したところ、上記の通り、RasterスコアはApple M1が8636だったのに対し、M2は12008と約1.39倍スコアが向上しており、
これは、Appleが公式サイトで公開しているAdobe Lightroom Classicを利用した写真の合成パフォーマンスのスコアとほぼ同じで、100GB/sのメモリ帯域幅とユニファイドメモリによりボトルネックが少なく、Combinedスコアも線形に上昇し、M1チップの倍の16コアGPUを持つApple M1 Proの72%程度まで迫っています。
Blenderベンチマーク
また、Blender v3.1からMetalバックエンドをサポートしたBlenderのベンチマークスコアも確認してみると、Apple M2 (GPU)の3シーンのレンダリングスコアの中央値は279なり、
こちらも、Apple M1チップの約1.4倍、M1 Proチップの約82%程度まで迫っており、BlenderのOpen Dataサイトで他のGPUと比較してみると、2019年に発売されたMacBook Pro (16-inch, 2019)に搭載されているAMD Radeon Pro 5500Mと同程度になっています。
この結果はGeekbench 5のMetalベンチマークと合致するので、Apple M2チップのGPUはアプリケーションベースでもM1チップより30~40%パフォーマンスが高く、AMD Radeon Pro 5500Mと同程度になるようです。
おまけ
ちなみに、Apple M2チップはM1チップには搭載されていない*、8K H.264やHEVC(H.265)ビデオエンコード/デコード、Apple ProRes用エンコード/デコードのメディアエンジンも搭載することで、複数の4K/8Kビデオストリームの再生が可能になっています。
- Open Data – Blender
- Affinity – Professional Creative Software – Serif
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