Apple M1 Ultraチップを搭載した「Mac Studio」のAffinityベンチマークをまとめました。詳細は以下から。
Appleは現地時間2022年03月18日、UltraFusionアーキテクチャを利用し、Apple M1 Maxチップを2つ組み合わせ、最大20-core CPU, 64-core GPU, 128GBメモリとなる「Apple M1 Ultra」チップを発表し、そのM1 Max/Ultraチップを搭載した「Mac Studio」の発売を開始しましたが、
このApple M1 Max/Ultraチップを搭載したMac Studio (2022)のAffinity PhotoベンチマークスコアがSerifのUser Forum[1, 2]などで出そろったので、以下にまとめました。
Affinityベンチマーク
英SerifでAffinityシリーズの開発をされているAndy Somerfieldさんによると、Affintiy Photoベンチマークでは、Vector (CPU)とRaster (CPU/GPU)、そして2つを合わせたCombined(CPU/GPU)スコアが計測可能で、Vector (Multi CPU)値が主にAffinity Designerに、Raster(Single GPU)値がPhotoに、そしてCombined (Single GPU)値がPublisherに大きな影響を与え、
I’ll be posting benchmark results for various hardware throughout – so it’s best to understand what the benchmark in Photo means. It does *not* indicate how “fast” a GPU is – there is no single measure of GPU performance. pic.twitter.com/mhrEG5ozTi
— Andy Somerfield (@andysomerfield) October 23, 2021
昨年発売されたMacBook Pro (14/16インチ, 2021)に搭載されたApple M1 Maxチップは、ハイエンドのdGPUと同等の演算性能を持つオンチップ・グラフィックスと、400GB/sのメモリ帯域幅を持つUAM(Uniform Memory Access)によりCPU/GPU間のボトルネックが少なく、AMD Radeon Pro W6900Xを搭載したMac Pro (2019)と同程度のRaster (GPU)スコアを出していましたが、
新たに投稿されたApple M1 MaxチップのRaster GPUベンチマークスコアは24-cores GPUモデルが約27,000、32-cores GPUモデルが約32,000だったのに対し、M1 Ultraチップ 48-cores GPUを搭載したMac StudioのRaster GPUスコアは43,663と、Mac Pro (2019)のAMD Radeon Pro W6900Xの32,580を抜き、Macでは最も高く、
Combined GPUスコアでMac Studioのベースモデル(M1 Max, 24-cores GPU)が22,537、M1 Ultra(48-cores GPU)を搭載したハイエンドモデルが33,668とiMac (27-inch, Mid 2020)のAMD Radeon Pro 5700XTをベースとしてApple M1 Maxチップ搭載のMac Studioが約3.2倍、M1 Ultraが約4.8倍と、Appleがサイトで掲載しているAffinity Photoの混合処理(Combined) GPUパフォーマンスの比較表を裏付ける値となっています。
128GBのRAMを装備した20コアCPU、64コアGPUのApple M1 Ultra搭載Mac Studio試作モデル、64GBのRAMを装備した10コアCPU、32コアGPUのApple M1 Max搭載Mac Studio試作モデル(各8TB SSDで構成)、192GBのRAMとAMD Radeon Pro W5700Xグラフィックス(16GB GDDR6搭載)を装備した3.2GHz 16コアIntel Xeon W搭載Mac Pro量産モデル(Afterburnerと4TB SSDで構成)、Radeon Pro 5700 XTグラフィックス(16GB GDDR6搭載)、128GBのRAM、8TBのSSDを装備した3.6GHz 10コアIntel Core i9搭載27インチiMac量産モデルを使用し、2022年2月にAppleが実施したテスト結果によります。内蔵ベンチマークバージョン11021を使用し、Affinity Photo 1.10.4でテストを実施。パフォーマンステストは特定のコンピュータシステムを使って実施したもので、Mac Studio、Mac Pro、iMacのおおよその性能を示しています。
CPU
また、Affinity Designerに大きく影響するVector (Multi CPU)のスコアは、GPUほどではありませんが、Apple M1 Max(10-cores CPU)チップ搭載のMac Studioが約3,300、M1 Ultra (20-cores CPU)搭載のMac Studioが約3,600と、Intel Core i9-10910@3.6GHzのiMac (27-inch, Mid 2020)と比較して約1.5 ~ 1.6倍程度になっています。
上記の通り、Apple M1 Ultraチップを搭載したMac StudioのAffinityベンチマークスコアはMacプラットフォームの中では最速ですが、Blender Benchmarkの結果からも分かる通り、ワットパフォーマンスを考えなければ、Macでは利用できないNVIDIA GPUが最速で、
Appleもこれを見越して、IntelからApple Siliconへの移行期間の期限となる今年(2022)後半に、Mac Proの後継モデルの発表を予告しているので、Mac Studioの拡張性やGPUパフォーマンスに不満がある方は、Mac Pro (2022)(または全く新しいPro向けMac)の発表を待つしかないようです。
- Mac Studio – Apple
- Affinity – 本格的なクリエイティブソフトウェア – Serif
コメント
素晴らしいですね。でも、みんなが興味あるのはAdob各ソフトでのスコア方の結果だろうなあ。