Parallels、Insider Preview版のWindows 10 on ARMやARMベースのLinuxをサポートしたApple M1 Mac向けの仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 16.5 for Mac」をリリース。

Windows 10 on ARM Insider Preview Apple Silicon Mac
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 ParallelsがInsider Preview版のWindows 10 on ARMやARMベースのLinuxをサポートしたApple M1 Mac向けの仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 16.5 for Mac」をリリースしています。詳細は以下から。

Parallels® Desktop 16.5 for Mac

 macOS向けの仮想化ソリューションを提供しているCorel Corporation傘下のParallels International GmbH.は現地時間2021年04月14日、11月にアナウンスしていた通り、Apple Silicon M1チップを搭載したMacで、ARMベースのOSをインストール可能な仮想環境を構築できる「Parallels® Desktop 16.5 for Mac」を正式にリリースしたと発表しています。

Parallels Desktop 16.5 for Apple Silicon Mac

今回のアップデートである Parallels Desktop 16 for Mac 16.5.0(50692)では、Apple M1チップ搭載のMacコンピューターがネイティブでフルサポートされています。また、次の修正と改良を含め、全体的な安定性とセキュリティの問題に対処しました。

リリースノートより

Parallels Desktop 16.5 for Mac

 Parallels Desktopシリーズは2020年にリリースされたParallels Desktop v16 for MacでmacOS 11 Big Surを搭載したIntel Macに対応していましたが、Parallels Desktop v16.5 for MacではIntelとApple Siliconの2つのアーキテクチャのMacをサポートしたUniversal 2 Binaryとなっています。

Parallels Desktop 16.5 for Apple Silicon Mac

 昨年のWWDC20やTechnical Preview版リリース時にも発表されていたとおり、x86ベースのOSのインストーラーを利用した仮想マシンの作成やIntelベースのMacで作成した仮想マシンをApple Silicon Macへ移動して動作させたりすることはできませんが、

Parallels Desktop for Apple Silicon Mac

ARMベースのLinuxディストリビューションのインストールはインストールアシスタントがインストーラーの検索から仮想マシンの作成までを行ってくれるようになっており、インストールアシスタントからはARMベースのUbuntu 20.04 LTSやDebian 10.7, Fedora Workstation 33-1.2, Kali Linux 2021.1がダウンロードできるようになっています。

Parallels Desktop v16.5 for Apple Silicon Macのインストールアシスタント

 また、今後Microsoftがライセンス販売を行うかは不明ですが、Parallels Desktop v16.5 for MacではApple Silicon M1チップ搭載のMacで、Windows 10 on ARM Insider Previewが実行できるようになっており、Intel版と同じくインストールアシスタントにInsider Preview版のVHDXファイルをドラッグ&ドロップするだけで、仮想マシンの作成からセットアップまで全てを行ってくれます。

Windows 10 on ARM Insider Preview

We’re very excited to announce the highly anticipated Parallels® Desktop 16.5 for Mac with full, native support for Mac computers with either Apple M1 or Intel chips. Users will now be able to run Windows 10 on ARM Insider Preview and its applications as well as the most popular ARM-based Linux distributions on Apple M1 Mac computers.

Just Released: Parallels Desktop 16.5 for Mac Supports Both M1 and Intel Chips – Parallels Blog

おまけ

 デフォルト設定でWindows 10 on ARM Insider Previewの仮想マシンを作成すると、2プロセッサとストレージが約12GB、メモリが4GBという設定になるので、メインメモリが8GBのApple M1 Macの場合は多少動作が重くなるかもしれません。

IntelとApple Silicon Macでのパフォーマンス

 Parallels Blogによると、Apple M1チップを搭載したMacの仮想マシンで動作するWindows 10 on ARMはInsider Preview版ながら、Intel Core i9-8950HK/32GB RAM/Radeon Pro Vega 20 GPUを搭載したMacBook Pro (15-inch, 2019)の仮想マシン上で動作するWindows 10(x86)と比較して約30%パフォーマンスが向上しているそうで、

  • Up to 250% less energy used:
    ▶On a Mac with an Apple M1 chip, Parallels Desktop 16.5 uses 2.5X less energy than on a 2020 Intel-based MacBook Air computer.
  • Up to 60% better DirectX 11 performance:
    ▶Parallels Desktop 16.5 running on an M1 Mac delivers up to 60% better DirectX 11 performance than on an Intel-based MacBook Pro with Radeon Pro 555X GPU.
  • Up to 30% better virtual machine performance (Windows):
    ▶Running a virtual machine (VM) of Windows 10 on ARM Insider Preview on Parallels Desktop 16.5 on an M1 Mac performs up to 30% better than a Windows 10 VM running on Intel-based MacBook Pro with Intel Core i9 processor.

Parallels Desktop v16.5をApple M1チップ搭載のMacBook Airで利用した場合バッテリーパフォーマンスは2020年モデルのIntel製MacBook Airと比較して約250%省電力化されており、DirectX 11パフォーマンスはRadeon Pro 555X GPU搭載のMacBook Pro (15-inch, 2019)よりMacBook Pro (M1, 13-inch, 2020)の方が60%もパフォーマンスが向上しているというベンチマーク結果が出ているそうです。

Apple Silicon Mac上で動作するWindows 10とUbuntu

 Parallels Desktop v16 for MacユーザーはParallels Desktop v16.5 for Macに追加料金無しでアップデート可能で、それ以外のユーザーにも14日間のトライアル版が公開されているほか、v16.5では以下の不具合も修正され、Parallelsは初のApple Silicon Mac対応版となるParallels Desktop v16.5をリリースするのにあたり、ARM版Linux/Windows 10をインストールするチュートリアル動画も公開しているので、M1チップを搭載したMacをお持ちの方は試してみてください。

リリースノート

今回のアップデートである Parallels Desktop 16 for Mac 16.5.0(50692)では、Apple M1 チップ搭載の Mac コンピューターがネイティブでフルサポートされています。また、次の修正と改良を含め、全体的な安定性とセキュリティの問題に対処しました。

Parallels Desktop ユーザーからの問題の報告:

  • 共有ネットワーク設定を使用するように構成されている場合に、仮想マシンがインターネットに接続されない問題を解決しました。
  • ゲーム用に構成された仮想マシンでマウスポインターがゆっくり動く問題を解決しました。
  • マウスポインターが非常に重くなる問題を解決しました。
  • Parallels Tools のインストール中に、場合によってクラッシュが発生する問題を解決しました。
  • Parallels Tools のインストール後に、場合によってカラーノイズが画面に表示される問題を解決しました。
  • HiP2P IP カメラソフトウェアにおける緑色のボックスの問題を解決しました。
  • カーネルを 5.11.0 に更新した後、Ubuntu 21.04 仮想マシンが起動しない問題を解決しました。
  • Kali Linux 2020.2 または 2020.4 仮想マシンの作成時に、インストールアシスタントによってオペレーティングシステムが検出されない問題を解決しました。
  • Fedora Rawhide のインストール中に、場合によってクラッシュが発生する問題を解決しました。

その他:

  • Apple M1 チップを搭載した Mac で、Ubuntu 20.04 LTS、Debian 10.7、Fedora Workstation 33-1.2、および Kali Linux 2021.1 で事前構成された仮想マシンをダウンロードして使用します。
  • 3D アクセラレーションメニューは、Linux仮想マシン構成のグラフィックペインで一時的に非表示になっていました。これは、この機能が Apple M1 チップを搭載した Mac コンピューター向けの Parallels Desktop ではまだサポートされていないためです。
  • 次の設定は、Apple M1 チップを搭載した Mac コンピューター向けの Parallels Desktop の仮想マシン構成から削除されました。
  • [CPU およびメモリ]ペインの [ネストされた仮想化を有効にする]チェックボックス。
  • [CPU およびメモリ]ペインのハイパーバイザーの選択。すべての仮想マシンで、Appleハイパーバイザーを使用するように設定されています。
  • [フロッピーディスク]ペイン。

Parallels Desktop に対するフィードバックや改良についてのアドバイスがある場合、Parallels フォーラムからご意見をお寄せください。

コメント

  1. 匿名 より:

    i7のMacBook Air 2020よりOfficeがサクサク動く。
    x64アプリも問題なく動く。

  2. 匿名 より:

    >macOS Big Sur in a VM is a feature that Parallels hopes to add support for in Parallels Desktop later this year.

    やはり、macOS/ARM64 は、ゲスト VM にはできない。とな。

    年末にサポートできると嬉しいな。ってことは、次期 macOS ( 11.2 ? 12 ? ) からサポート。って事ですかね。

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