macOS 11 Big Surのシステム要件外になったMacに、Big Surをインストールできるようにするパッチ「macOS Big Sur patcher」が開発中だそうです。詳細は以下から。
AppleはWWDC20で、デザインを刷新しApple Silicon製Macをサポートした「macOS 11 Big Sur」を発表しましたが、Big SurではmacOS 10.15 Catalinaまでサポートされていた2012年製のMacBook AirやMac mini、2013年製のMacBook ProやiMacがシステム要件から外れてしまいました。
macOS 10.14 Mojave |
macOS 10.15 Catalina |
macOS 11 Big Sur | ||
---|---|---|---|---|
MacBook | 2015以降 | |||
MacBook Air | 2012以降 | 2013以降 | ||
MacBook Pro | Late 2013以降 | |||
Mac mini | 2014以降 | |||
iMac | ||||
iMac Pro | 2017以降 | |||
Mac Pro | Metalと互換性のあるGPUを 積んだMid 2010/Mid 2012以降 |
2013以降 |
これに対し、ParrotGeek SoftwareのEthan Nelson-MooreさんやCollin Mistr(@dosdude1)さんらが、システム要件から外れたMacにmacOS 11 Big Surをインストールすることができる「macOS Big Sur patcher」を開発しているそうです。
Besides developing my macOS 11 Big Sur patcher, I previously worked with Collin Mistr (dosdude1) to create patches and drivers, including support for older GPUs and USB controllers, for running unsupported newer macOS versions on older Macs. They have been incorporated into his macOS Sierra Patcher, High Sierra Patcher, Mojave Patcher, and Catalina Patcher.
macOS 11.0 beta 1 (Big Sur) on unsupported Macs – ParrotGeek Software
MacRurmos Forumのスレッドによると、macOS 11 Big Sur Beta 1用のmacOS Big Sur patcherはWi-Fiが動作しないという致命的な問題があるため、あまり利用する価値がないようで、加えてmacOS 11 Big Sur Beta 1をmacOS 10.15 Catalina以前のmacOSと同じAPFSコンテナにインストールすると、今後のソフトウェア・アップデートがインストールできなくなる既知の不具合のため、あまり利用されている方はいないようですが、Mac Pro (Mid 2010 ~ 2012)など比較的アップグレードしやすいシステム要件外のMacをBig Surへアップグレードしてみたい方は自己責任で試してみて下さい。
Install Big Sur on unsupported Macs!
I’ve tested on my 2012 MacBook Pro and 2013 27” iMac. https://t.co/yC2NRw0i7A pic.twitter.com/CFMq8WlYN0
— Moses Buckwalter is Fixing Stuff (@MosesBuckwalter) June 25, 2020
- macOS 11.0 beta 1 (Big Sur) on unsupported Macs – ParrotGeek Software
- macOS 11 Big Sur on Unsupported Macs Thread – MacRumors Forums
コメント
「macOS Big Sur patcher」を使用してmacOS Big Sur b1をインストールしてみましたが、macOS Big Sur b1の方がまだ実用には程遠いようでしたので試用を断念しました。
ところで既知の問題といわれる「互換性のないディスク」問題ですが、別コンテナ、別物理ディスクにインストールしても発生する模様です。
内蔵256GB-SSDを2パーティションに分け、それぞれにコンテナを作成し、一方にmacOS10.15がインストールされている状況で、もう一方のパーティション=コンテナにmacOS11 b1をインストールしました。
当然macOS11 b1で起動中は問題はありませんが、macOS10.15で起動すると、macOS11 b1のパーティション=コンテナに対して「互換性のないディスク」表示が出て、アクセス不可能になります。
当方外付けSSDにメンテ用macOS10.15環境があるので、そちらで起動しても「互換性のないディスク」表示が出て、アクセス不可能になります。
従って「互換性のないディスク」問題自体は、macOS11 b1のインストール先が、同一コンテナ、他のコンテナに拘わらず発生します。
つまり、macOS11(b1)をインストールした時点で、そのコンテナは基本的にAPFSの仕様が変わって「互換性のないディスク」扱いになります。
macOS10.15と同一コンテナ内にインストールした場合には、状態が重複するので、起動ディスクでアクセスできているのにも拘わらず「互換性のないディスク」表示が出ているだけです。
ちなみに他のパーティション=コンテナにmacOS11 b1をインストールして、他のパーティション=コンテナのmacOS10.15で立ち上げて、「互換性のないディスク」表示が出ている時には、macOS11 b1をインストールしたパーティション=コンテナは「Update」のみが表示されます。
連投済みません。
従って「既知の問題」の原因と推測されている「システムボリューム」起因説はたぶん誤りです。
こちらからは僕の推測ですが、
macOS11からは、macOS10.15までの「システムボリューム」+「システムボリュームーData」という組み合わせ、もしくは表示のさせ方を(たぶんセキュリティの関係から)廃止し、表面上だけでも1ボリュームとして取り扱わせるのでは無いかと思います。
従ってmacOS10.15まででは「互換性のないディスク」となり、便宜上の「Update」ボリューム(HFS+での警告用HFSボリュームと似たような感じ?)が表示される物と思われます。
そしてこの仕様はシステムボリュームだけで、APFSフォーマット内でのシステムボリューム構成・配置の問題なのだと思います。
毎度のことながらすごいな
「macOS Big Sur patcher」ですが、代替可能なもっと良いパッチが出たため開発中止(終了)となっています。
「big-sur-micropatcher」というパッチのサイトへのリンクが張られています。
ttps://parrotgeek.com/bigsur/
ttps://github.com/barrykn/big-sur-micropatcher