Mac mini (2024)に採用される20コアGPUを搭載したM4 ProチップのBlenderベンチマークは、HW-RTのサポートにより3DレンダリングパフォーマンスがM2 Proの2.9倍でRadeon RX 6900 XTを上回り、60コアGPUのM2 Ultraに迫るようです。詳細は以下から。
Appleは現地時間2024年10月29日、Apple M4/M4 ProチップやThunderbolt 4/5ポートを搭載し、全く新しいデザインとなる「Mac mini (2024)」を発表しましたが、Mac miniシリーズは、2023年11月に発表された「Apple M3/M3 Pro/M3 Max」へアップグレードされず、スキップされていたため、
Apple M4/M4 Proチップ搭載のMac mini (2024)が、3Dグラフィックス処理を効率/高速化するハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング(HW-MS)と光のシミュレーションを高速化するレイトレーシング(HW-RT)をサポートしたGPUを初めて搭載するMac miniになります。
(Mac mini (2024)のApple M4は)10コアGPUにより、ハードウェア・アクセラレーテッド・メッシュシェーディングとレイトレーシングに Mac miniが初めて対応したためグラフィックスの負荷が高いアプリやゲームは最大2.2倍高速です。
Mac miniの発表より
Appleは、これによりApple M4 Proチップ搭載のMac mini (2024)はM2 Proチップ搭載のMac mini (2022)と比較して「Blenderでの3Dレンダリングの完了が最大2.9倍高速」となると発表していますが、このBlenderを利用したApple M4/M4 ProのベンチマークスコアがBlender Benchmarkに投稿され始めています。
Apple M4/M4 ProのBlender Benchmark
Blender Benchmarkは、3DモデリングアプリBlenderを開発するBlender Foundationが開発者やユーザーにBlenderがどんなPCやGPUで使用され、どの程度のパフォーマンスを発揮しているかを参考にしてもらえるよう公開したベンチマークアプリとOpen Dataサイトで、
Blenderがどの様なOSやハードウェアで利用されているかの情報と3つの3Dシーンのレンダリングパフォーマンスを測定できますが、このBlender Benchmarkに投稿されたデータによると、20コアGPUを搭載したM4 Proチップのスコアは約2,507ptと、19コアGPU搭載のM2 Proの約853ptの約2.9倍と、Appleが示したパフォーマンスとほぼ一致するようです。
上記の通り、Mac mini (2024)はHW-MSとHW-RTをサポートする初のMac miniで、Blenderには2020年頃からAppleのMetal Ecosystemチームが開発に参加して昨年リリースされた「Blender v4.0」では、Apple SiliconのHW-RTを利用できるMetalRTがCyclesのMetal GPUバックエンドでサポートされ、M3ファミリーのMacではBlender v4.0アップデートでベンチマークスコアが十数%向上し、
40コアGPUのM3 Maxチップは、現在最多のGPUコアを誇る76コアGPUの M2 Ultraを上回るスコアを出していましたが、これにM4/M4 ProのBlenderベンチマークスコアを追加してみると、10コアGPUのM4は32コアGPUのM1 Maxを上回り、20コアGPUのM4 ProはIntel MacでサポートされているAMD Radeon RX 6900 XT (2,293pt)を上回り、60コアGPUのM2 Ultra (2,701pt)に迫るスコアとなるようなので、
M2 ProのMac mini (2022)でBlenderなどの3Dグラフィックツールを利用されている方はM4 ProのMac mini (2024)へ移行してもいいかもしれません。(同じHW-RTをサポートするM3のMacBook ProからM4 MacBook Proへの移行はあまり違いは感じられないかもしれません。)
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