iCloud Driveに保存された過去のバージョンのファイルが消失する不具合はiOS/iPadOS 17.4では発生しないものの、macOS 14.4 Sonomaで削除されるとiOS/iPadOS 17.4やmacOS 14.3以下に反映されるので注意してください。詳細は以下から。
Appleが現地時間2024年03月07日にリリースした「macOS 14.4 Sonoma」では、Javaプロセスが予期せず終了してしまう不具合、PFUのスキャナー管理アプリ「ScanSnap Home」でセットアップができない不具合に加え、Macのストレージの空き容量が少なくなるとMacからファイルを削除しiCloudのみに保存する「Macストレージを最適化 (Optimise Mac Storage)」機能が有効になっている場合、
Macに保存されているiCloud Drive内のファイルを削除(ダウンロードしたものを削除)すると、iCloudに保存されていたファイルの過去のバージョンが全て削除されてしまう不具合が確認されていますが、休みを利用して色々と追試してみたところ、この不具合はmacOS 14.4 Sonomaのみに存在するようです。
iOS/iPadOS 14.4では削除されない
iCloud Driveに対応し、バージョン管理が可能なアプリはAppleのPages、Numbers、Keynote、テキストエディタなど様々なアプリが存在し、これらはmacOSに加えiOS/iPadOSをサポートしていますが、macOS 14.4 Sonomaの数日前にリリースされた「iOS/iPadOS 17.4」と最新のPagesで確認したところ、
iOS/iPadOS 17.4では、iCloud Driveに保存されたファイルをローカルストレージから削除しても、Pagesファイルを選択しファイルマネージャーの[バージョン (時計:⏲)]メニューをタップすることで、過去のファイルを復元することが可能だったため、この問題はiOS/iPadOS 17.4では発生しないようです。
macOS 14.4 Sonomaでダウンロードしたものを削除すると
次に、macOS 14.4で「Macストレージを最適化」機能を有効にし、iCloud Driveに保存されているファイルを削除すると、Howard Oakleyさんらの報告の通り、最新のファイルのみを残してiCloud Drive上から過去の全てのバージョンファイルが削除されました。
この不具合によるバージョンの削除*は、iCloud Driveに直ぐに反映され、先ほどチェックした問題のないiOS/iPadOS 17.4やmacOS 14.3以前のmacOSでも過去のバージョンが参照できなくなるため、iCloud Driveに対応したmacOS&iOS/iPadOSアプリで共同作業などを行う場合は、こまめにバックアップを作成しておいたほうがよさそうです。
また、iCloud Driveに保存された過去のバージョンファイルはiCloud Driveに対応する各アプリの[ファイル] → [バージョンを戻す]でブラウジング&復元**できるほか、
Oakleyさんが提供しているRevisionistアプリを利用すれば、iCloud Driveに保存されている過去のバージョンファイルを一括で保存することもできるので、過去のバージョンファイルをバックアップしたい方は試してみてください。
- Revisionist & DeepTools – The Eclectic Light Company
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