ParallelsがWindows 11/Linux VMでの不具合を修正し、macOS VMのGUI設定やCmd+Tabなどをサポートした「Parallels Desktop for Mac v19.3」がリリースしています。詳細は以下から。
Alludo(旧Corel)傘下のParallels International GmbH.は現地時間2024年03月07日、Intel/Apple Silicon Mac上にWindowsやLinux仮想マシンを構築できる仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 19 for Mac」の3度目のアップデートとなる「Parallels Desktop for Mac v19.3.0」を新たにリリースしたと発表しています。
Parallels Desktop for Mac 19.3.0(54924)アップデートでは、次の機能追加と改良を含め、全体的な安定性とセキュリティの問題に対処しました。
リリースノートより抜粋
Parallels Desktop for Mac v19.3.0では、Parallels Desktopアプリ自体の不具合が修正されたほか、Windows 11仮想マシンでParallels Toolsアップデート後にWindowsが起動しなくなる不具合、Dark Souls 2やRise of Kingdoms、Genshin Impactなどのグラフィック問題の修正、
Linux仮想マシンでParallels Toolsがインストールできない不具合やRosetta 2 Linux binaryの不具合が修正され、Ubuntu Desktop 21および22 Armで初期設置を自動化できる高速インストールのサポートとトラックパッドのスクロール調整が可能になっています。
また、Parallels DesktopはVirtualizationフレームワークを導入して以降、macOS仮想マシンのCPUコア数やRAMサイズ、ディスクサイズ、ネットワーク設定がVirtualizationフレームワークデフォルトとなり、それらの設定を変更するにはCUIを利用するしかありませんでしたが、今回のアップデートではmacOS仮想マシンの設定もGUIで行えるようになり、仮想ディスクスペースのデフォルトサイズが、これまでの倍の128GBになっています。
この他、Parallels Desktop v19.3ではmacOS仮想マシンにCmd+TabやCmd+SpaceなどのシステムショートカットとFnボタンを送信できるようになり、VPN関連やmacOS 14.4の不具合が修正されています。
ParallelsはParallels Desktop v19.3リリースと同時に、次期メジャーアップデート(Parallels Desktop v20?)で現在ユーザーの使用頻度が低いトラベルモードやMac起動時に仮想マシンを起動する機能、SDK、32ビットParallels Tools、Intel MacでのリソースモニターやmacOS 10.5 ~ macOS 10.8までの仮想マシンのサポートの廃止を告知しているので、ユーザーの方はチェックしてみてください。
Parallels Desktop for Mac 19.3.0リリースノート
Parallels Desktop for Mac 19.3.0(54924)アップデートでは、次の機能追加と改良を含め、全体的な安定性とセキュリティの問題に対処しました。
一般
- Apple Silicon を搭載する Mac 上で Parallels Desktop の起動に失敗し、仮想マシンモニターエラーが発生する問題を修正しました。
- Parallels Desktop Pro のユーザーおよび Parallels Desktop for Business の管理者は、macOS と仮想マシン間でクリップボードのコピー/ペーストを共有する方向を制御できるようになりました。コンテンツを両方向で、または Mac から仮想マシンのみ、または逆方向のみで共有できます。
- 特定の認証オプションを使用してインストールする場合に、Parallels Desktop for Business 大量デプロイパッケージがエラーを返す問題が修正されました。
- 設定パネルから Parallels Toolbox のインストールプロセスを開始できない問題を修正しました。
Windows 11
- Parallels Tools のアップデート後に Windows が起動しなくなる問題を修正しました。
- Dark Souls 2 のグラフィックレンダリングの問題を修正しました。
- Rise of Kingdoms のグラフィックレンダリングの問題を修正しました。
- Genshin Impact におけるさまざまなグラフィックレンダリングの問題を修正しました。
- Edificus 3Dモデリングソフトウェアのグラフィックレンダリングの様々な問題を修正しました。
Linux
- Ubuntu 22.04.3 LTS の amd64 アーキテクチャで Parallels Tools のインストールに失敗する問題を修正しました。
- Kali Linux 2023.3 マシンを作成し、Rosetta を有効にした際に発生する vector type 28 エラーを修正しました。
- Ubuntu Desktop 21 および 22 Arm バージョンの高速インストールをサポートしました。
- トラックパッドのスクロール感度が向上し、手動でのスクロール速度調整が可能になりました。感度を調整するには、macOS のターミナルで次のコマンドを実行します。
$ defaults write "com.parallels.Parallels Desktop" "HID Host Hook.Scroll Sensitivity" X
macOS
(Apple シリコン搭載の Mac 上の仮想マシン)
- macOS 仮想マシンのパラメーター(CPU コア、RAM サイズ、ディスクサイズなど)を、Windows や Linux 仮想マシンと同様にグラフィカルに設定できるようになりました。
- デフォルトの仮想ディスクサイズが 128GB に設定されました。
- Cmd+Tab、Cmd+Space のシステムショートカットと Fn ボタンを macOS 仮想マシンに送信できるようになりました。
- Mac 上にアクティブな OpenVPN 接続が存在する場合、共有ネットワークモード中で macOS 仮想マシンがインターネット接続を維持できなくなる問題を修正しました。
- zScaler VPNソフトウェアがMac上で実行されている場合に、macOS仮想マシンがインターネットにアクセスできない問題を修正しました。
- macOS Sonoma 14.4のパブリックベータ版(23E5191e)をリカバリパーティションまたは.appからインストールした仮想マシンがキーボードに反応しない問題を修正しました。
Parallels Desktop で廃止または削除される機能
Parallels カスタマーエクスペリエンスプログラムに参加しているユーザーの統計によれば、製品機能の中には、ほとんどまたはまったく使用されていないものもあります。当社は、これらの機能のサポートを停止するか、または Parallels Desktop から完全に削除して、より頻繁に使用される機能の強化に専念することにしました。
以下は、バージョン 19.3.0 ではなく、Parallels Desktop for Mac の次期メジャーバージョンでサポートが終了し、削除される予定の機能のリストです。これらの機能は、ビジネスにおける重要度が低いため、この変更が実際のワークフローに与える影響は非常に軽微であるか、まったく影響がないものと考えらます。
すべての Mac コンピューターで、以下の機能のサポートは終了します。
- トラベルモード
- Mac の起動時に仮想マシンを起動するオプション
- Parallels 仮想化 SDK (see details here)
- Windows および Linux 用の 32 ビット版 Parallels Tools
- 仮想マシンの最適化設定タブにあるリソース使用量スライダー
- Parallels Desktop 環境設定パネルから Parallels Access をダウンロードするオプション
Intel プロセッサーを搭載する Mac コンピューターで、以下の機能のサポートは終了します。
- 仮想マシンの CPU およびメモリ > 詳細設定 タブにある [メモリの上限を拡張] オプション
- リソースモニター
- macOS 10.5 から 10.8 までの仮想マシンをサポート
- リモートデバッグ用 Visual Studio プラグインのサポート
- macOS 仮想マシンのネットワーク起動
- Parallels Desktop 19 for Mac リリースノート – Parallels
- Parallels Desktop for Mac Mac で Windows を動かせます – Parallels
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