macOS Ventureでの新しいVirtualization機能によりEFIブートローダやクリップボード/ディレクトリ共有、LinuxでのRosetta利用をサポートした仮想化ソフトウェア「UTM v4.0」のBeta版がリリースされています。詳細は以下から。
オープンソースのCPUエミュレータQEMUやAppleのVirtualization.frameworkを利用し、Intel/Apple Silicon MacやiPhone/iPadデバイス上で仮想マシンを作成できる「UTM」シリーズを開発するUTM Projectは現地時間2022年08月05日、次期メジャーアップデートとなる「UTM v4.0.0」のBeta版を新たに公開したと発表しています。
UTM for Mac v4.0の新機能
マルチ/ヘッドレスディスプレイ
UTM for Mac v4.0では、まずQEMUを利用したVMのディスプレイ設定で0台のディスプレイまたはターミナルコンソールを設定できるようになりました。
これにより、マルチディスプレイとヘッドレスディスプレイ仮想マシンを作成することが可能になり、macOSでは各ディスプレイ/ターミナルごとに、iPadでは外部ディスプレイやAirPlayにウィンドウを割り当てることが可能になります。
VenturaのVirtualization
UTMは今年01月にリリースした「UTM v3.0」より、Appleが開発&提供しているVirtualizationフレームワークをサポートし、Intel/Apple Silicon Mac上でLinux/macOS仮想マシンを作成できるようになっていますが、
UTM v4.0では、WWDC21で発表された、新しいVirtualizationフレームワークにより、EFI(Extensible Firmware Interface)ブートでLinux VMを作成できるようになります。
この他、新しいVirtualizationフレームワークにより、クリップボード共有とディレクトリ共有がmacOS Venturaゲストで可能になり、IntelバイナリのMacアプリがRosetta 2エミュレートによりApple Silicon Mac上で実行できるのと同じように、Intel x86-64バイナリのLinuxアプリやコマンドをApple Silicon上のARM Linux VMで動作させることが可能な「Rosetta 2 Linux binary」機能が追加されます。
QEMUのVirtFS
また、UTM v4.0のQEMUを利用したLinux VMでは、ホストとゲスト間でのディレクトリ共有を可能にする新しいファイルシステム「VirtFS」によるファイル共有が可能になっています。
その他
この他、UTM v4.0では日本語とフランス語のローカライズ(thanks @MMP0 & @FRtranslator)が追加された一方、最小システム要件がiOS 14/macOS 11.3 Big Surとなり、
上記のような大規模なアップデートにより、バックエンドと設定フォーマットが大幅に書き換えられ、古いバージョンのUTMでは動作しないため、UTM ProjectはUTM v4.0へアップデートする前に全てのVMをバックアップするよう求めています。
Highlights
- Multiple display and headless display is now supported for QEMU machines. You can configure 0 or more displays as well as 0 or more builtin terminal consoles. On macOS, a new window will be created for each display and builtin terminal. On iOS, you can create multiple windows (iPad) as well as plug in an external display or AirPlay (iPad or iPhone) and assign outputs to each window.
- Ventura updates to Virtualization. macOS Ventura introduces new features to Virtualization.framework that is now integrated into UTM. You can now create GUI Linux VMs with EFI boot. Clipboard sharing and directory sharing now works with macOS Ventura guests. Rosetta x86_64 emulation is supported for Linux VMs on Apple Silicon.
- Virtiofs sharing for QEMU. This can be enabled in the VM settings under Sharing. You can mount the tag “share” in the VM. Note that macOS UID follow a different format than Linux so you may need to set up your guest to have permission to access the shared directory.
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