Apple Siliconにネイティブ対応したChrome 87やFirefox 84は、Rosetta 2で実行していた前バージョンと比較してJavaScriptやWebアプリの実行が最大2倍速く。

SpeedoMeter 2.0 Chrome
横軸はRuns/MinuteでスコアはBigger is better.
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 Rosetta 2で対応していたブラウザChrome 86, Firefox 83とApple Siliconにネイティブ対応したSafari 14, Chrome 87, Firefox 84をベンチマークで比較してみました。詳細は以下から。

Safari 14のアイコン

 Mozillaは現地時間2020年12月15日、Universal 2 BinaryでApple Siliconにネイティブ対応したWebブラウザ「Firefox 83」をリリースしましたが、そのリリースノートに「Firefox 83は(前バージョンと比較して)、2.5倍速く起動し、Webアプリのレスポンスも2倍になっている」という記述があったので、Browserbench.orgのベンチマークを利用して比較してみました。

Firefox 84

Native support for macOS devices built with Apple Silicon CPUs brings dramatic performance improvements over the non-native build that was shipped in Firefox 83: Firefox launches over 2.5 times faster and web apps are now twice as responsive (per the SpeedoMeter 2.0 test). If you are on a new Apple device, follow these steps to upgrade to the latest Firefox.

Firefox 84.0, See All New Features, Updates and Fixes – Mozilla

 ベンチマークはBrowserbench.orgで公開されているFirefox 83と84の比較にも利用されたSpeedoMeter 2.0とJetStream 2、MotionMark 1.1の3つとMacBook Pro (M1, 13-inch, 2020)のベースモデルを使って測定し、

Apple Silicon対応ブラウザベンチマーク

Speedometer 2.0ベンチマーク

Firefoxだけでなく、比較対象として当然Apple Siliconに対応しているSafari 14と、既にApple Siliconへ対応しているChrome 87、および対応前のChrome 86も一緒にスコアを測定してみました。

ベンチマーク

JetStream 2

 JetStream 2はAppleのWebKit Teamが2019年03月に公開したWSLやpoker.js, uglify.js, typescript.jsなど合計64のサブテストを利用して、JavaScriptおよびWebAssemblyの総合実行性能を測定できるベンチマークで、

JetStream 2ベンチマーク

Bigger scores are better.

スコアは以上の通り、Safari 14がトップですが、ChromeとFirefoxもApple Silicon対応前のIntelバイナリをRosetta 2で変換していたバージョンと比較して約1.6~1.7倍スコアが上昇しています。

Speedometer

 次に、MozillaがFirfox 84と83の比較として利用したSpeedoMeter 2.0ベンチマークですが、このベンチマークはReact with ReduxやAngular、Vue.js、Preact、Infernoなど複数のJavaScriptフレームワークを用いたToDoリストWebアプリを実行することで、ブラウザのレスポンスを測定する事ができますが、

SpeedoMeter 2.0

横軸の単位はRuns/MinuteでスコアはBigger scores are better.

このSpeedoMeter 2.0のスコアはMozillaが示していた通り、Apple Siliconでネイティブ動作する前のFirefox 83よりFirefox 84の方が2倍以上速く(多く)ToDoリストを処理できており、Chromeで比較してもIntelバイナリをRosetta 2を介して実行するより、Apple Siliconでネイティブ実行される方が約1.8倍速くなっています。

MotionMark 1.1

 最後にMotionMark 1.1ですが、こちらはCSS, SVGおよびCanvasを利用してブラウザ上に描写を行うベンチマークで、このベンチマークはJavaScriptではなく、ブラウザを通してグラフィックスシステムを評価しているため、AppleのSafari 14が他のスコアの2倍以上のスコアを出していますが、それでもApple Siliconに対応したブラウザはIntel + Rosetta 2の1.6~1.7倍のスコアが出るようになっているので、

MotionMark 1.1

Apple Silicon Macを購入された方はSafariを利用するか、お気に入りのブラウザがApple Siliconに対応するまで、最新のChromeやFirefoxを利用すると快適にWebサービスを使うことができそうです。

おまけ

 ちなみに、ブラウザに依存しない純粋な演算性能のベンチマーク(Geekbench)でも、Intel x86_64バイナリをRosetta 2で変換して実行すると、Apple Siliconネイティブ実行の7割ほどしか性能を発揮することができません。

IntelとApple Siliconアーキテクチャのベンチマーク

MacBook Pro (M1, 13-inch, 2020)でIntel (Rosetta 2)とApple Siliconアーキテクチャを利用したGeekbenchスコア

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