macOS 10.15 Catalinaではセキュリティのアップデートに伴いシステムボリュームに置けなくなったディレクトリや構成ファイルが「場所が変更された項目」として共有フォルダへ移動しているので注意してください。詳細は以下から。
AppleはmacOS 10.15 CatalinaでAPFSコンテナをセキュリティに応用し、APFSコンテナでMacのシステムボリュームを「システムボリューム」と「データボリューム(DATA)」に分け、システムボリュームをオプトアウトなしでRead-Onlyにすると発表しましたが、
There is no way to avoid it. It will happen. In the developer’s preview, we elected to leave the root filesystem writeable to make it easier for you to test your application. If you want to mimic your behavior, which will be implemented in the future, you can create a special file in the root directory and on reboot, your volumes will be mounted read-only.
What’s New in Apple File Systems – WWDC 2019 – Videos – Apple Developer
このセキュリティアップデートとOS X 10.11 El Capitanで導入した「SIP : System Integrity Protection (システム整合性保護:通称Rootless)」の設定変更(rootless.conf)に伴い、macOS 10.15 Catalinaではインストーラーがアップグレード後Read-OnlyやSIP配下になるディレクトリ内にあるフォルダや構成ファイルを共有フォルダへ移動するようになっています。
このディレクトリは「場所が変更された項目(Relocated Items)」と名付けられ、デスクトップにショートカットが作成されているのですぐに気づくと思いますが、このディレクトリはDP(Developer Preview)版とGM版では移動先が変わっており、DP版はOS X 10.11 El Capitanと同じくMigrationディレクトリへ移されましたが、GM版は共有フォルダに移されるようになっています。
- DP版
/Library/SystemMigration/History/Migration-(some UUID)/QuarantineRoot
/Users/Shared/Relocated Items
場所が変更された項目/Relocated Itemsの内容
場所が変更された項目フォルダ内には、なぜこのフォルダ内にあるフォルダや構成ファイルの場所が移動されたかを説明する「場所が変更された項目とは?.pdf」が同梱(内容は以下)されていますが、読んだところでディレクトリの詳細や対処方法は記載されていないため、ユーザーはそのフォルダや構成ファイルが何なのかを判断してRead-Onlyになったディレクトリとは別の場所に移動し、再設定する必要があります。
英語
During the last macOS upgrade or file migration, some of your files couldn’t be moved to their new locations. This folder contains these files.
Files needing new locations
Some of your files had been in a location that is now incompatible with macOS security settings. These files were moved to the Security folder for your review.If there are any files you want to keep, you can move them to a new location, as long as it is different from their location before the upgrade or migration.Configuration files
These configuration files were modified or customized by you, by another user, or by an app. The modifications are incompatible with the recent macOS upgrade.The modified files are in the Configuration folder, organized in subfolders named for their original locations.To restore any of the custom configurations, compare your modifications with the configuration changes made during the macOS upgrade and combine them when possible.What Are Relocated Items?より
日本語
前回のmacOSアップグレードまたはファイル移行中に、一部のファイルを新しい場所に移動できませんでした。このフォルダには、移動できなかったファイルが含まれています。
新しい場所に移動する必要があるファイル
macOSのセキュリティ設定に適合しなくなった場所にあったファイルがありました。確認のために、それらのファイルは“セキュリティ”フォルダに移動されました。保持したいファイルは、アップグレードまたは移行の前の場所とは別の場所であれば、新しい場所に移動できます。構成ファイル
これらの構成ファイルはご自身、別のユーザ、またはアプリケーションによって変更またはカ スタマイズされました。それらの変更は最近のmacOSアップグレードと互換性がありません。変更されたファイルは“Configuration”フォルダ内にあり、元の場所の名前が付いたサブフォルダで整理されています。カスタム構成のいずれかを復元するには、macOSのアップグレード時に行われた構成変更と比較して、可能であれば両者を統合してください。場所が変更された項目とは?より
おまけ
場所が変更された項目には古いmacOS/OS Xで同梱していたApacheやPostfixなどの各種サービス、root権限を必要としていた頃のHomebrewの設定ファイルなどがあるため、比較的古いmacOS/OS Xから使い続けてきたMacや2,3世代前のmacOSからいきなりCatalinaへアップグレードした場合には「場所が変更された項目」が多いと思います。
また、場所が変更された項目のパーミッションは維持されているため、ディレクトリは「読み出しのみ(755)」で削除するには管理者権限が必要です。
コメント
macOS Catalinaにアプデしたんですが
チェスやらFaceTimeなんかの標準アプリがもれなくついてきました。
どうやって削除すればいいでしょうか?
applecleanerでは無理でした。
ターミナルでの方法があれば教えてください。