MacBook/MacBook Proのキーボードを交換しただけではAppleのバタフライ構造キーボード問題の根本的な解決にはならないようです。詳細は以下から。
米iFixitのCEO Kyle Wiensさんは現地時間2018年06月27日、Appleが先週発表した「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」ではMacBookのキーボードは新しくなるだろうが、Appleのバタフライ構造キーボード問題の根本的な解決にはならないだろうという記事を公開しています。
Replacing all those MacBook keyboards is going to be a huge undertaking and won't solve the problem. How many MacBook keyboards need to be replaced in order for Apple to start considering repair in their product designs? https://t.co/1Buumr40ZJ pic.twitter.com/on4qjFT5W7
— iFixit (@iFixit) 2018年6月28日
No Margin for Error
The basic flaw is that these ultra-thin keys are easily paralyzed by particulate matter. Dust can block the keycap from pressing the switch, or disable the return mechanism. I’ll show you how in a minute.Apple Engineers Its Own Downfall With the Macbook Pro Keyboard – iFixit
Appleのバタフライ構造キーボードの問題
Appleのバタフライ構造キーボードが初めて登場したのは、2015年03月に発表された12インチRetinaディスプレイを搭載のMacBookの発表イベントの中で、従来のシザー構造キーと比較して40%薄く、17%キートップが大きくなり、安定性が4倍向上していると発言されましたが、
新しいキーボードは従来型よりも34パーセント薄く、Appleがデザインしたバタフライ構造は従来型キーボードのシザー構造より40パーセントもの薄型化を実現しながらも安定性は4倍となり、どのキーを叩いてもより正確なタイピングを実現します。
バタフライ構造のキーは、その構造と薄さのためにキーボード内に入ってしまったゴミや砂粒などを除去することが難しく、Appleが2016年に公開したサポートドキュメントでは「MacBookを75度に傾けながらエアダスターについているストローをキーボードから1cmほど離して空気を吹きかけ、左右に移動しゴミを吹き飛ばしてください」と説明されているものの、
iFixitが実際にキートップを外した状態で砂粒をキーキャップの右下にいれてみたところ、この砂粒はキーの押し込み(Press Action)を完全に無効にしたそうで、この粒をエアダスターの圧縮空気によって除去するのはかなり困難だとKyleさんはコメントしています。
Let’s take a look and see what’s actually going on. We put a keycap under a microscope and injected a grain of sand so you can see how this happens. The grain is in the bottom right corner, and it’s completely blocking the key press action. It’s very challenging to remove it with compressed air.
Apple Engineers Its Own Downfall With the Macbook Pro Keyboard – iFixit
従来のシザー構造キーボードは(バタフライ構造より薄くないため)キーの間に余裕がありゴミや砂粒が入りやすい分、エアダスターでゴミや砂粒を掃き出しやすく、構造が単純のためキートップを外して掃除するといったこともできましたが、バタフライ構造キーボードのキーはそれが難しく、
キーボードとMacBook/ProのUpperケースがバッテリーと同じく統合(接着)さ、ユーザーがキーボードだけ変更するといったことも困難なため、ユーザーはMacBookのキーボード問題に対し、この問題が解決された第3世代バタフライ構造のキーボードの登場を待つしかないようです。
This is design anorexia: making a product slimmer and slimmer at the cost of usefulness, functionality, serviceability, and the environment.[…]
Apple can do better. Let’s start with a slightly thicker, more robust keyboard. Butterfly 3.0, we’re waiting for you.
Apple Engineers Its Own Downfall With the Macbook Pro Keyboard – iFixit
追記
iFixitがこれまでの経緯とMacBook Proキーボードの検証動画を公開したので追加しました。
バタフライ構造キーボードのタイムライン
- 2015年03月
▶従来のシザー構造のキーと比較して4倍の安定性と40%薄く、17%キートップが大きくなった全が新しいバタフライ構造のキーボードを搭載したMacBook Early 2015を発表。 - 2016年01月
▶バタフライ構造を採用したMacBook Early 2015の特定のキーの反応や感覚が他と違う場合があるとして、エアダスターを利用したキーボードの掃除方法を公開。 - 2016年10月
▶第2世代バタフライ構造キーボードやTouch Barを搭載したMacBook Pro Late 2016シリーズを発売。 - 2017年02月
▶MacBook Pro Late 2016ユーザーから特定のキーから他のキーと違う音が聞こえる、またはキーが反応しなくなるといった報告がされる。 - 2017年06月
▶第2世代バタフライ構造のキーボードを採用したMacBook (Retina 12-inch, 2017)と、マイナーアップデートしたMacBook Pro 2017を発売。 - 2017年06月
▶MacBook/MacBook Pro 2017モデルでキートップのシンボル(Commandなど)が変更される。 - 2017年07月
▶MacBook Pro 2016と2017を比較した結果、第2世代バタフライ構造のキーボードがアップデートされていることが確認される(iFixit)。 - 2017年後半
MacBook Proキーボードの交換を求めるキャンペーンなどが行われ始める。 - 2018年05月
AppleInsiderがシザー構造とバタフライ構造のキーボードを採用したMacBook Proの不具合発生率のデータを公開。 - 2018年06月
AppleがMacBook Early 2015およびMacBook Pro 2016モデル以降の一部のキーボードに、文字が入力されない、押したキーのスムーズな跳ね返りや反応がない問題が確認されたとして「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始。
コメント
Appleユーザーたるもの、埃が舞う不潔な空間でMBPを使うとはなにごとか!
という冗談はさておき防塵試験とまではいかずとも、埃っぽい環境での試験とかしてないのかしらねぇ…
第3世代は隙間ゼロになってることを願う
物理キー作るの昔から下手くそなんだからTipTapとかいうiPhone 7でしか使われなかった遺物を使って物理キー廃止するくらいの革新起こしてほしい。
ハイブリッド端末は作らないとかMacのお先真っ暗な事言ったからにはそれくらいはして欲しい。
Touch Barとか個別キーにLED埋め込む暇があるならできるでしょ。
正直感度悪くても壊れないなら全然そっちの方がいい。
家の中を掃除しなければ時間経過に従い必ず一定の割合でゴミが濃縮されて行くのと同じで、隙間はゴミを濃縮する空間にしかないりえない、キーの下に隙間があれば必ずゴミは濃縮されてく。生物の断片のような有機物は空気中の水分濃度が高ければ容易に大きなコアを形成してくので、キーを打つたびにチリを高い効率で自然排出できる仕組みを実装しない限り、時間経過でキーの機能を無効化するほどのゴミがたまってしまう。日本ならその瞬間までの時間は平均して短いかもしれない。リコールするほどなら開発者の見積もりが甘かったということでしょ。デザイン優先による弊害の典型例。
この修理プログラムで2015、2016年モデルも2017年07月にアップデートしたキーボードに替えてくれるんですかね?
同じものに替えるだけじゃすぐに再発しますよね。
バタフライキーボードと一緒に、Nobody wantsなTouch Barを無くしてくれ
壊れる前に買い替え続けりゃいいんだよ(暴論)
ぶっちゃけキートップ完全に死んで保証とか諸々終わったらキートップ外して使うわ(超暴論)
まあ買い換えてる可能性もあるけど
Apple製品はもう昔ほど面白くなくて毎年買い換えてた頃のような欲は出ないな
本当にキートップ外してサポート切れまで使うかもw
iPhoneは「デザインよりも機能」で見苦しいDラインとか出っ張ったカメラとか、ひどいデザインになっていく中、古き良き(?)アップルの「機能よりもデザイン」がMacBookで生きてると分かって良かったと思おうじゃないかw
確かにフォーストールが去った途端クソデザインが止まらないが
MacBookだけは良心的なブラッシュアップがされてる
と思ったが、Touch Barのデザインは無いわw
プラスチッキーだわ目視しないと使えないわ、おまけに故障報告が結構挙がってて
ついに無駆動部品すらまともに作れなくなったのかと思ったわ。
HUAWEIのそっくりさんは、大丈夫みたいなのにね。残念!
その手の愛好家の少ない製品はそもそもこういった訴訟が起こるどころか問題の情報すら見つかりにくいからメーカーだけが気づいてる不具合が必ずと行っていいほどあるよ。
対策部品を用意して、保証期間終了後有償か無償かはメーカーの良心で左右する。
2016交換したら2017のキーボードの変えられたけどこれも壊れるんか…
ジョニー アイブを呼べ! (X_x;)