一部のベンチマークではiMac Proの「Radeon Pro Vega 64」よりも「GeForce GTX 1080 Ti」搭載のMac Proの方がスコアが良いもよう。

iMac ProのAMD Radeon Pro Vega 64とMac Pro + NVIDIA GeForce GTX 1080のOpenCLベンチ iMac Pro
クリックで拡大
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

 OpenCLなど一部のベンチマークではiMac Proの「AMD Radeon Pro Vega 64」よりも「NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti」搭載のMac Proの方が良いスコアが出ているようです。詳細は以下から。

AMD Radeon Vegaのロゴ

 Appleが2017年12月14日より発売を開始した「iMac Pro」では標準で「Radeon Pro Vega 56 (8GB HBM2メモリ)」が、オプションで「Radeon Pro Vega 64 (16GB HBM2メモリ)」が搭載され、レビュー機を提供されたCabel SasserさんがCinebench R15のOpenGLスコアではFPSベースでMac Pro Late 2013の1.8倍程度のスコアとなったことを報告し、

iMac ProのRadeon Pro Vega 64 GPUとMac ProのAMD FirePro D500 GPUのベンチマーク

Vegaグラフィックス。美しさの裏側に野獣が。
Radeon Pro Vegaグラフィックスを搭載したiMac Proは、どんなMacよりも優れたワークステーションクラスのグラフィックス性能を発揮します。Vegaアーキテクチャを初めて採用したこのMacは、パフォーマンスを大きく飛躍させる、最大16GBの高帯域幅メモリを持っています。その速さは、ほかのiMacのGPUの最大2倍、Mac ProのGPUの最大3倍です。このメモリが、VR、リアルタイム3Dレンダリング、より臨場感あふれるスペシャルエフェクト、最大設定でのゲームプレイに適した、一段と高いフレームレートをもたらします。しかも、単精度と半精度の両方の演算をサポートするので、フル32ビットの精度を必要としない演算は2倍の速さで処理できます。これは、最大22テラフロップスというスピードです。オンパッケージHBM2が外部VRAMの代わりになるため、GPUは最大400GB/sでデータを取得できます。

iMac Pro – Apple(日本)

Appleも公式のサイトでその性能をアピールしていますが、2017年04月に「TITAN Xp」 GPUを発売し、Mac用ドライバーを自社で開発しているNVIDIAの「GTX 1080 Ti」との比較スコアが気になったので、OpenCLベンチマークを提供しているGeekbenchからデータを集めてみました。

Apple公式のiMac Pro AMD Radeon Pro Vega 64"ベンチマーク

クリックで拡大

Radeon Pro VegaとGeForce GTX

 比較ベンチマークに使用したのは以下のGeekbench OpenCLスコアで、OSはmacOS 10.13.0 ~ 10.13.2のものを選択しました。

GPU OpenCLスコア Link
iMac Pro AMD Radeon Pro Vega 64 169397 Link
Mac Pro 2010 GeForce GTX 1080 Ti 197413 Link
GeForce GTX 1080 165441 Link
iMac 5K 2017 AMD Radeon Pro 580 115842 Link
AMD Radeon Pro 575 106530 Link
AMD Radeon Pro 570 90701 Link
Mac Pro 2013 FirePro D500 72145 Link
FirePro D300 70979 Link

 結果は以下の通りで、iMac Proの「Radeon Pro Vega 64」は今までのMacのどのモデルよりもスコアはいいようですが、旧Mac Pro (2010や2012)にNVIDIAの「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載し、NVIDIAの公式ドライバを利用した方が1.16倍程度OpenCL全体のパフォーマンスはいいようです。

iMac ProのAMD Radeon Pro Vega 64とMac Pro + NVIDIA GeForce GTX 1080のOpenCLベンチ

クリックで拡大

Gaussian BlurやParticle Physicsなどテストによっては前者の方が良いスコアになりますが、4GamaerさんやBareFeatsさんのベンチマークでもGTX 1080 < Radeon Pro Vega 64 < GTX 1080 Tiとなっています。

おまけ

 また、まだiMac Proは購入できていないようですが米BareFeatsはGeekbenchのiMac Pro OpenCLスコアと、これまでに測定[1, 2]してきたMacやeGPUのスコアとを比較し、

WHAT DID WE LEARN?
You may be planning to buy an iMac Pro with Pro Vega 64 GPU. However for a fraction of the price, you can upgrade your existing Mac with an AMD Radeon RX Vega 56 or 64. The beauty of this upgrade is that no hacks or firmware flashing is needed since it uses the native Radeon drivers that come with macOS High Sierra.

iMac Pro, Pro Vega 64, and RX Vega 64 – BareFeats

「(eGPUを利用すれば)iMac Proを購入するほんの一部の価格でAMD Radeon RX Vega 56/64のMacへアップグレードできます」とコメントしているので、興味のある方はBareFeatsのサイトをチェックしてみて下さい。

コメント

  1. 匿名 より:

    もういい加減AMDとは決別したら?

  2. 匿名 より:

    AMD使い続ける限りグラボは2流。

  3. 匿名 より:

    AMDにこだわるのは、コストじゃないのかな?
    最近のアップルは、ユーザーより株主だからね…

  4. 匿名 より:

    AppleがなぜAMDを使うのか、これはいろんな原因があると思うが主な原因はGPUアーキテクチャの分離をしていないという点だと思う。
    nVidiaはGTX600番台のGPUをリリースしたときにKeplerアーキテクチャを採用してそれまで(GTX500番台)は演算向けとゲーム向け(Directx)でおなじアーキテクチャを使いそれをソフトウェアレベルで演算向け、ゲーム向けというようにチューニングを行っていたが、kepler以降はハードウェアレベルでアーキテクチャを演算向け、ゲーム向けで分離してそれぞれの用途に最適化したものを作ったので、GTX系統を演算向けで利用すると大した性能を期待できないかわりにゲームには完全にマッチした作りになっている。GTX系は一般ユーザーからするとゲームの性能がアップしてfps値が高いからいいかもしれないが、演算向けに使用する方にしてみれば演算能力はとてもではないが期待できず非常に高価なTeslaを使用せざるを得ない。
    だがAMDはアーキテクチャの分離を行っていない。ゲーム向けも演算向けも一つのアーキテクチャ(今回でいえばVega)だから、AMD Radeonを同価格帯のnvidia geforceとぜひ比べてほしいのだが、浮動小数点演算の値はだれがみても頭一つ抜けているのがわかる。
    例として同価格帯のGTX1060は単精度浮動小数点演算能力がおよそ4.37TFlopsだがRadeon RX580は6.17TFlopsで同価格帯の演算能力に関して言えばRadeonが圧倒的に早い。同じお金を払ってRadeonはゲームもできる、そして演算もできるがその代償として消費電力が競合よりも高い。
    imac proのターゲットはゲームしかやらない人には向けられていない。HP上にも演算能力を主とする粒子シュミレーションや3Dモデリングに加えてゲームも快適に行えると書いてあるし、見出しにも単精度11Tflops、半精度22TFlopsとあるように演算能力の高さを売りにしているのがわかる。そして3Dモデリングや4k/8k動画編集にはとんでもない量のグラフィックメモリが必要で16GBかつHBMを搭載したグラフィックチップはコンシューマ向けにはpro vega 64とvega FE以外に見たことがない。
    ここまで言ってAMDを擁護するつもりはないというのも苦しいのかもしれないが、appleとて何も考えていないわけではないのでvegaを採用したのもimac proの性能に与える決定的な理由があるからだと思う。
    あと、どなたかがAMDと決別したら?と言っているが、これはあくまでも私の想像に過ぎないが、appleがAMDに寄り添っているのではないだろうか?今の時代にアーキテクチャを分離しないメリットはあまりにも少ない。AMDは普通の会社である以上間違いなく利益を欲しているわけだが自作向けの市場(マイニングを除く)ではAMD Radeonを率先して使おうとする人はあまり見たことがない。現に私だって自分のPCにはGTXが入っている。
    そうなると、AMDはAppleのためにというのは大げさかもしれないが、少しはAppleからの要望があるのではないかと推測できる。もし、AMDがアーキテクチャを分離してしまった場合、appleは一台のコンピュータであらゆること(演算からゲームまで)を行えるマシンを作れなくなってしまう恐れがある。これに関してはあくまでも推測の域に過ぎないが全くない話ではないと思っている。

  5. 匿名 より:

    OpenGLとOpenCLのベンチマークのみだが、MetalやVulkanのベンチはどうなんだろう。
    AppleとしてはOpenGLとOpenCLはレガシーAPIに位置づけられているようだから、そのあたりでサポートに力が入っていない可能性もある。

タイトルとURLをコピーしました