カナダPrimate LabsがApple M1 UltraのGeekbench GPUベンチマークスコアを公開しています。詳細は以下から。
カナダPrimate Labs Inc,は現地時間2022年03月15日、Appleが18日より販売を開始する、まったく新しい「Mac Studio」に搭載されている「Apple M1 Ultra」チップのGPU(Metal/OpenCL)ベンチマークスコアの掲載を開始しています。
Apple M1 UltraチップのGPU
Appleは先のイベントでApple M1 Ultraを発表した際、M1 UltraはAppleの新しいマルチダイアーキテクチャ「UltraFusionアーキテクチャ」により、Apple M1 Maxチップを2つ結合し、GPU性能は最大8,192 EU(Execution Units), 196,608 Concurrent Thread, 12TB Flopsの64-core GPUが選択可能だと発表し、
このGPUはApple M1チップのGPUパフォーマンスの約8倍で、M1 Ultraチップを搭載したMac StudioのGPUパフォーマンスはRadeon Pro 5700XTグラフィックスを搭載したiMac (Retina 5K, 27インチ, 2020)より最大4.5倍、Radeon Pro W6900Xグラフィックスを搭載したMac Pro (2019)より最大80%高速だと発表していましたが、
実際にGeekbenchに掲載されたApple M1 UltraのGPUパフォーマンスをチェックしてみると、Metalスコアは102,796、OpenCLは83,940と、Apple M1チップの約5倍、Radeon Pro 5700XTの約1.7倍、Radeon Pro W6900Xより約60%低い性能で、2019年に発売されたMac Proの「AMD Radeon Pro Vega II」グラフィックスに近いスコアとなっています。
Apple M1 UltraチップのGPUには48-coreと64-coreモデルがあり、Mac ProのRadeon Pro W6900XにはInfinity Fabric LinkによりPro W6900Xを2台搭載したモデルがあり、GeekbenchのMetal/OpenCLベンチマークチャートに掲載されているスコアは、両方をまとめているため、上位モデルは一概に比較できませんが、
違いがあるのは、GPUのコア数です。M1 Ultraには、48コアのGPUを持つチップと64コアのGPUを持つチップがあります。例えば、複雑な3Dモデルの作成や複数ストリームの8Kビデオの処理など、グラフィックスの負荷がとりわけ高いワークフローに取り組むなら、GPUのコア数が多いチップを選ぶことをおすすめします。
Mac Studioのカスタマイズより
AMDやAppleが公開しているGPU仕様(以下)を比較する限りでは、M1 UltraのGPU性能はPro W6900Xと同等で、英Selfが昨年行ったM1 MaxチップとPro W6900Xを利用したAffinity PhotoのGPUベンチマークでは、オンチップグラフィックスとメモリ帯域幅400GB/sのUniform Memoryアーキテクチャにより、M1 MaxチップがPro W6900Xを上回るパフォーマンスとなっていたので、
Intel Mac用GPUとApple M1シリーズのGPU仕様
GPU | Compute Units |
Stream/Execution Processors |
FP32 (TFLOPS) |
メモリ | メモリ帯域幅 | TBP |
---|---|---|---|---|---|---|
Apple M1 | 8-Core | 1,024 | 最大2.6 | 最大16GB | 66GB/s | 不明 |
Apple M1 Pro | 16-Core | 2,048 | 最大5.2 | 最大32GB | 200GB/s | 不明 |
AMD Radeon Pro 5700 XT |
40 | 2,560 | 最大7.6 | GDDR6 16GB |
384GB/s | 130W |
AMD Radeon Pro Vega 64 |
64 | 4,096 | 最大11 | HBM2 16GB |
400GB/s | 250W |
Apple M1 Max | 32-Core | 4,096 | 最大10.4 | 最大64GB | 400GB/s | 不明 |
AMD Radeon Pro Vega II |
64 | 4,096 | 最大14.1 | HBM2 32GB |
1TB/s | 不明 |
AMD Radeon Pro W6900X |
80 | 5,120 | 最大22.2 | GDDR6 32GB |
512GB/s | 不明 |
Apple M1 Ultra | 64-Core | 8,192 | 最大21 | 最大128GB | 800GB/s | 不明 |
AMD Radeon Pro Vega II Duo |
128 | 8,192 | 最大28.3 | HBM2 64GB |
1TB/s | 不明 |
AppleのMac StudioのGPUパフォーマンス性能に掲載されている通り、M1 Maxの2倍のメモリ帯域幅(800GB/s)と8,192EUを持つM1 Ultraチップは、実際のアプリケーションを利用したベンチマークではAMD Radeon Pro W6900X搭載のMac Pro (2019)のパフォーマンスを上回ると思われます。
*128GBのRAMを装備した20コアCPU、64コアGPUのApple M1 Ultra搭載Mac Studio試作モデル、64GBのRAMを装備した10コアCPU、32コアGPUのApple M1 Max搭載Mac Studio試作モデル(各8TB SSDで構成)、192GBのRAMとAMD Radeon Pro W5700Xグラフィックス(16GB GDDR6搭載)を装備した3.2GHz 16コアIntel Xeon W搭載Mac Pro量産モデル(Afterburnerと4TB SSDで構成)、Radeon Pro 5700 XTグラフィックス(16GB GDDR6搭載)、128GBのRAM、8TBのSSDを装備した3.6GHz 10コアIntel Core i9搭載27インチiMac量産モデルを使用し、2022年2月にAppleが実施したテスト結果によります。内蔵ベンチマークバージョン11021を使用し、Affinity Photo 1.10.4でテストを実施。パフォーマンステストは特定のコンピュータシステムを使って実施したもので、Mac Studio、Mac Pro、iMacのおおよその性能を示しています。
GPUパフォーマンス vs. 電力
まだデータは出てきていませんが、Appleは先日のスペシャルイベントの中で、M1 UltraチップのGPUは市販されている最もハイエンドのPC(Intel Core i9-12900KとGeForce RTX 3090グラフィックスを搭載)より200Wも少ない消費電力で、ピークパフォーマンスを発揮できると発表していたので、今後は単位電力あたりのGPUスコアにも注目が集まりそうです。
- Mac Studio – Apple
- Metal Benchmarks – Geekbench Browser
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