Serifが「Affinity v1.10」シリーズのSneak Peekを公開し、60万を超えるオブジェクトレイヤーやレンダリングの遅延が大幅に改善すると発表しています。詳細は以下から。
MacやWindows,iPad向けのデザイン/写真編集アプリAffinityシリーズを開発している英Serif Labsは現地時間2021年06月29日、Affinity Designer、Photo、Publisherの次期アップデートとなる「Affinity v1.10」シリーズのSneak Peekを公開しています。
Ash shows off the beta of v1.10 with over 600,000 object layers and virtually zero lag!
YouTubeより
Affinity v1.10 Sneak Peek
操作の遅延
Serifのマネージング・ディレクターAshley Hewsonさんによると、Affinity v1.10アップデートではパフォーマンスの改善に焦点が当てられており、例え60万を超えるベクターオブジェクトレイヤーを含んだドキュメントも快適に利用できるよう取り組んでいるそうで、Sneak Peekでは実際に20万オブジェクトレイヤーのドキュメントを利用して動作を比較しており、
例えば、現在の最新バージョンとなるAffinity v1.9では下層のレイヤーのオブジェクト(男性)を移動すると、遅延が発生しディスプレイには約10fpsで表示されますが、Affinity v1.10ではこの遅延が改善され60fpsで移動することが可能になるほか、テキストレイヤーを最下層に移動しても目立った遅延がなくスムーズにレイアウトを変更できるようになるそうです。
レンダリングの遅延
Hewsonさんは次に、上記の3倍の60万オブジェクトレイヤーを利用しファイルを拡大&移動した場合のレンダリングパフォーマンスを比較しており、Affinity v1.9では拡大したエリアを移動するとアーティファクトが発生するのに対し、Affinity v1.10ではほぼ遅延なし(Zero Lag)で表示できるようになっているとコメントしています。
このSneak Peekは5Kディスプレイに接続されたMacBook Air (M1, 2020)で処理されており、同様のパフォーマンスアップデートはiPadやWindows版にも提供予定で、Affinity v1.10のリリースは来月末(07月末)の公開を予定しているそうなので、一足早く試してみたい方はBeta版にアクセスしてみてください。
- Affinity – 本格的なクリエイティブソフトウェア – Serif
コメント
ゲームじゃないんだから高FPSなんてほとんど望まれてないぞ
こういう専門性の高いアプリには万人受けする機能だけじゃなく、いわゆる高性能さが必要
今回の高FPSは操作の円滑さや操作ミスの防止から生産性の向上につながるだろうし、高FPSを実現するためのアプリの内部設計が画像処理の資源性や効率性、ひいてはアプリ自体の保守性・拡張性に寄与する…と考えると利用者観点ではいいことしかない
Affinityは効率性や機能性よりバグ取りをして欲しいという意見はたまに聞くが、バグ取りだけでは話題にならないし、まあ差し引いても今回の改善点はいいことじゃないの
これの実現に開発リソースをどれくらい注ぎ込んだか知らんけど
それでも移動、拡大、縮小でレンダリング待ちなくスムーズに動くようになると
ストレスは確実に減少するんですよ