macOS 10.12 Sierraの新機能を発表された範囲でまとめました。詳細は以下から。
Appleは本日、WWDC 2016の基調講演の中で新しいMac用OS「macOS 10.12 Sierra」を発表しましたが、その中でDemoされたSierraの新機能についていくつかまとめてみました。詳細は以下から。
Siri on the Mac
macOS 10.12 Sierraでは新たにiOSの音声アシスタント「Siri」が搭載されており、SiriはDockアイコン, メニューバー, キーボードから起動可能で、検索結果をフローティングウィンドウとして表示できるほか、通知センターに止めておく(Pinする)ことも可能となっています。
Mac版Siriで出来ることはファイルの検索やメッセージの送信、カレンダーへのスケジュール追加、FaceTimeの起動、スポーツの試合結果だけでなく、Web上から特定のコンテンツを検索することも可能となっており、
Siriはバックグラウンドで起動し結果を最前面に表示してくれるので、アプリをフルスクリーンで利用していてもSiriの検索結果から必要なコンテンツをアプリにドラッグ&ドロップし利用することが出来るようです。(例えばKeynoteを編集していて必要になった画像をSiriのWeb検索から利用するといったような)
Continuity : Auto Unlock
macOS SierraではMac/iOS間での作業をシームレスに移行するContinuity機能が更に強化され、以前から開発が噂されていた「Macのロックを自動的に解除する機能」が「Auto Unlock」機能として搭載されています。
ただし、この機能が事前のリークと違うところは「認証したApple Watchを身に着けているだけでいい」という点で、MacIDなどのサードパーティ製アプリの様にTouch IDを利用した機能にはなっていないようです。
Continuity : Universal Clipboard
また、Continuity機能の改善はクリップボードにも影響を及ぼしており、MacやiOSデバイスでコピーしたテキスト, 写真, 動画などのコンテンツをMac/iOSデバイス間で共有することが可能となっているそうです。
ただし、この機能がリリースノートそのままの機能を持っているとすれば、パスワードやID, 住所など全て共有されてしまうため個人情報の漏洩に繋がるのではないか?という意見も出ています。
universal clipboard: weaponized password leaking
— brian wickman (@wickman) 2016年6月13日
Continuity : Your Desktop and Documents on All Your Devices
macOS SierraおよびiOS 10ではiCloud機能もアップデートされ、iCloud Driveフォルダに保存していないデスクトップやドキュメントフォルダ上のファイルが複数のデバイス間で共有可能となり、
iOSデバイスやWindowsなど異なるプラットフォームでもiCloud DriveアプリやiCloud.com, iCloud for Windowsアプリからアクセスすることが可能になるそうです。
Tabs
macOSのSafariはタブ機能で複数のWebページを1つのウィンドウにまとめることが出来ますが、macOS Sierraではこのタブ機能がAppleのPagesやMapといったアプリだけでなく、マルチウィンドウ表示が可能な全てのアプリで利用することが出来るそうで、
この機能はシステムレベルでサポートされるため、開発者は特に追加作業をすること無く自分のアプリでタブ機能を利用することが出来ると説明されています。
macOS tab for all apps without developer work. Hat should be good in Photoshop! #wwdc
— Mark Thomson (@TameGeek) 2016年6月13日
Picture in Picture
Picture in Picture機能は既にiOS 9搭載の一部のiPadで利用できる機能と同じで、iTunesやYouTubeなどのHTML 5動画では動画をiTunesやSafariから切り離し、PinPウィンドウとして移動することが出来、
Picture in Picture on OS X
- Safari 10 for OS X brings Picture in Picture to OS X so users can watch video in a separate, resizable window that stays on top of other application windows and remains on-screen when switching desktop spaces.
- Safari’s default HTML5 video controls includes a new Picture in Picture control.
- If you use custom HTML5 video controls, you can add Picture in Picture functionality using the JavaScript presentation mode API.
サイズや位置の変更が可能なほか、ミッションコントロールで操作スペースを切替えても離れること無く動画を視聴することが出来るようになっているそうです。
Optimized Storage
Optimized Storage機能はその名の通りMacのストレージを最適化してくれる機能で、古いファイルやメールの添付ファイルなどをiCloudへ移動したり、古いiPhoneのバックアップ, Safariのウェブキャッシュなどを削除しストレージ容量を確保するとされており、
Appleは一般的なファイル構成で、全250GB中 空き容量が20GBしか無かったストレージに適用したところ150GBの空き容量が確保されたという実験結果を公開しています。
Apple Pay on the web
Appleの決済システム「Apple Pay」は次期macOS SierraでWebサイト版がサポートされ、対応サイトでのApple Pay決済が可能になり、Macでは対応サイトの[Apple Pay]ボタンを押し、Touch IDを搭載したiOSデバイスで認証を行うことで支払いを行うことが出来、
ForbesやTechCrunchなどはPayPalとのシェア争いを予想していますが、現在のところ日本では「Apple Pay」は利用できないため、既にApple Payサービスが利用できるアメリカやイギリス, カナダ, 中国や新たにサポートが発表されたスイス, フランス, 香港、その他サポートメーカーのWebストアを眺めるしかないようです。
Messages
MessagesアプリもiOS 10の同アプリに対応するためにアップデートされ、Webリンクのプレビューや動画のアプリ内再生, より大きな(3倍)絵文字などが利用可能。
*iOS 10のメッセージアプリに合わせてメッセージ内にある文字で絵文字に置き換えられる文字にはハイライトがかかったり、吹き出しや画像エフェクト、手書き文字、スタンプなども利用できると思われます。
Photos
Appleの写真アプリ「Photos」もmacOS SierraおよびiOS 10で大幅にアップデートされ、Live Photos編集機能などが加わるほか、ディープ・ラーニングを用いてジオタグなどのExif情報の無い写真からでも山や川などの背景、写っている人物を認識してくれる機能や、
ユーザーが撮り貯めた写真をシーン毎にまとめて再発見させてくれる”Memories”機能が利用できるようになるようで、Appleはこれらの機能のリリースに伴いユーザーのプライバシーポリシーを引き続き尊重するとコメントしています。
*サードパーティ製アプリ向けにLive Photo編集機能用のAPIも公開されています。
Apple Music
macOS SierraのiTunesではAppleの定額制音楽配信サービス「Apple Music」の改善も行われ、新しい曲や興味のある曲を探しやすくなるとコメントしています。
macOS Sierraではこの他にもMac App Storeを通じたSafari機能拡張の配信&販売、ファイルシステム「APFS」のサポート、Metalサポートの強化、Swift 3の対応、新しいContacts APIなどが提供される予定となっているので、興味のある方は開発者版やPublic Betaメンバーへの登録をしてみてください。
コメント
クリップボードを共有できるのは嬉しいなぁ
新しいファイルシステムは本格対応は次のOSからなのかもだけど、ユーザーにとってメリットが体感できるようなものなんだろうか。
ぶっちゃけこの程度の機能追加ならわざわざ名前変える必要ないと思う
近づいただけで、っておかしいだろ。それを実現するには常時ビーコン出すって事。
悪意のある奴なら、そんなビーコンを蒐集しようとするだろうな。
技術的には別モノかもしれないけど接近感知してロック解除するアプリは既にいろいろあるし、セキュアなんじゃないのん