Macでリモートデスクトップや画面共有(VNC)を使う場合、ヘッドレスMacの場合はダミーアダプタ(Dongle)を付けたほうがレスポンスやレンダリング速度が上がるようなので実際に調べてみました。詳細は以下から。
ヘッドレスMacとはMac miniやMac Proをディスプレイ無しの状態でリモート接続して使用することですが、このディスプレイが接続されていない状態のMacとディスプレイありのMacではリモート接続時のレスポンスやレンダリング速度が違うそうです。
この話題はMac miniのホスティングサービスを行っている「Mac mini Colocation」のブログで去年から取り上げられており、「ヘッドレスMac miniには”VGA dummy dongle”を接続すると、MacはビデオドライバーをロードしてGPUの性能をフルに使用できる」というものです。
@nelson Do you have a dummy dongle on there? makes a big difference for speed. (Just an FYI)
@copelandhouse Oh, good news.
A dummy dongle mimics a monitor being attached to a Mac. It will force a Mac to load the video driver and take full advantage of the GPU. We’ve been connecting these for years for those customers who use video intensive servers, or those who run a linux build that won’t boot headless. And now it turns out that Chrome (as well as other browsers) can really benefit from the video driver being loaded as well.
Build a Dummy Dongle for a headless Mac mini – macminicolo blog
1.VGAダミーアダプタの作り方
ダミーVGAアダプタの作り方は、Mini DisplayPort – VGAアダプタのVGA端子側[1:RED][2:GREEN][3:BLUE]ピンを[6:RED_RTN][7:GREEN_RTN][8:BLUE_RTN]ピンと50~150Ωの抵抗でつないで、後はヘッドレスMac miniのMini DisplayPortに接続するだけです(Red, Green, Blueいずれか1つで可能です)。
定格なら75Ωだそうですので、近くにない場合は秋月電子あたりで購入して下さい。
2.実験環境
実験環境は
- VNCサーバー :Mac mini Late 2012 (MD388J/A)
- VNCクライアント:MacBook Pro Retina Late 2013 (ME864J/A)
- AP:AirMac Extreme ME918J/A
で、MBP RetinaからローカルネットワークでMac miniにVNC画面共有接続しています。
3.解像度の変更
解像度の変更は旧Mac mini(with Linux)でも検証[1, 2]されていた通り、ダミーVGAアダプタを接続するだけで1920x1080pix 60Hzまで変更することが可能になります。
3.ベンチマーク1
まずXbenchでGPU関係のベンチマーク(Quartz Graphics, OpenGL Test)を行ってみたところ、ダミーVGAアダプタを接続した場合の方が非接続時よりOpenGLのスコアが上昇し、トータルスコアも上で、メニューバーも半透明の視覚効果がかかっているのが分かります。
3.ベンチマーク2
次に、ブラウザのレスポンスを測定できるGoogleの「Web Latency Benchmark」を使用してSafariのレスポンスを測定してみたところ、ダミーVGAアダプタ在りの場合はScore 6.7でコンプリートしましたが、なしの場合は以下の様に[Native refrence]テストで止まってしまいます。
おまけ
「グラフィック周りならCINEBENCHのスコアも上がるかな?」っと思い試したところ、ダミーVGAアダプタ無しの方が18.11fps, ダミーVGAアダプタ在りの方が16.01fpsという結果が出ましたが、アダプタ無しの方はレンダリング画像が現れず(在りの方はクライアント側にも表示される)このスコアなので多分あてにならないと思います。
また、USのAmazonでは「Mini DisplayPort – VGAアダプタは共有のThunderboltポートを塞いでしまうため不便だ。」っということでHDMI側をダミーとして使用する「CompuLab Display Emulator (fit-Headless) $15」という商品も発売されており、ヘッドレスMac mini Serverユーザーのレビューが多数書き込まれているのでそちらもどうぞ。
関連リンク:
コメント
ん?何これどう言うこと?
ディスプレイ ポート塞いだ方が性能上がるの?
世の中にはMacのディスプレイを使わない盲目の佐村河内さんみたいな人がいて
普段は「このMac管理しておいて~」ってゴーストライター(サーバ屋)に預けてるけど、
たまに見えちゃう目でMacにアクセスした時
「このMac外からリモートデスクトップアクセスすると反応悪いじゃん!ゴーストライターのくせにちゃんと仕事しろよな!」
ってなって喧嘩しちゃう事になるから、
ゴーストライターはこのドングルを付けてやると佐村河内さんが幸せになれるってこと。
>>2
ワロタw
塞ぐんじゃなくて、実際にディスプレイに繋ぐ(ように機械を騙す)と、
機械側もフルパワーで働いて、繋がってないとサボって手抜きになるってこと。
PCで言えば、キーボードが繋がってないとBIOSで起動停止するみたいなもんか。
つーか、160台のminiをクラスタ構成の人はどうなんだろう
あれはCPUのみ使うから関係無いか…
ディスプレイを一切接続せずに使う上で、GPUパワーを必要とするタスクってのがないよな
リモートデスクトップの時点でグラフィックパフォーマンスは度外視だし、コスパ命で組むスパコンとは方向性が違う
手抜きって言うか、(ディスプレイ繋がない条件での)殆どの人にとっては単なる電池食いになるから意図的に上限値を下げてるだけだね
Adobeのソフトは大体GPGPUに対応しているんですが。
やってみました。
今までギガビットでつないでいたモニターレスMacProを遠隔操作するのに、描画の遅さにいらいらしていたのが解消されました。ビバハッキング!
Macじゃなくてパソコンで同じことやる人はVGAモデルをどうぞ。
HDMIよりすこし安いです。
ttp://www.aidexjp.com/products/adx12210/