Apple Silicon MacでQEMU仮想化を廃止しAVFをデフォルトVMMとした「Docker Desktop for Mac v4.44.0」がリリース。

Docker

2025.08.09

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　Apple Silicon MacでQEMU仮想化を廃止しApple VirtualizationフレームワークをデフォルトVMMとした「Docker Desktop for Mac v4.44.0」がリリースされています。詳細は以下から。

　Docker, Inc.は現地時間2025年08月07日、コンテナ管理などを行うDocker用デスクトップクライアント「Docker Desktop」のバージョン4.44.0アップデートをリリースし、Mac版でAppleのVirtualizationフレームワークをデフォルトのVMM(Virtual Machine Manager)にしたと発表しています。

Apple Virtualization is now the default VMM for better performance and QEMU Virtualization is removed. See blog post.

リリースノートより

　DockerはAppleが2020年にMacのプロセッサをIntelかApple Siliconへ移行すると発表した後、VMMをAppleの仮想化フレームワーク「Apple Virtualization フレームワーク (以下、AVF)」へ移行する計画でしたが、AVF特有の問題や機能面から互換性を確保するため、オープンソースのCPUエミュレータ「QEMU」をVMMに採用していました。

Docker Desktop for Mac v4.43.x

　これに対し、Dockerは今年04月、07月14日までにApple Siliconへの移行中に従来の仮想化ソリューションとしてVMMに利用してきたQEMUを廃止し、QEMUと比較してパフォーマンスや安定性、互換性が大きく向上し、Apple Siliconアーキテクチャの機能を利用できるAVFをデフォルトのVMMにすると発表していましたが、

We are announcing the upcoming deprecation of QEMU as a virtualization option for Docker Desktop on Apple Silicon Macs. After serving as our legacy virtualization solution during the early transition to Apple Silicon, QEMU will be fully deprecated 90 days from today, on July 14, 2025.

Docker Desktop for Mac: QEMU Virtualization Option to be Deprecated in 90 Days – Docker Blog

この変更が08月07日にリリースされたDocker Desktop for Mac v4.40.0で行われ、VMMでAVFがデフォルトとなりQEMUが廃止されています。QEMUの廃止はマルチプラットフォームビルドで異なるCPUアーキテクチャをエミュレートするための利用には影響せず、Beta段階ですがDockerはコンテナ向けに最適化したハイパーバイザーDocker VMMも提供しているので、気になる方は試してみてください。