macOS 10.13 High Sierraはサマータイムなど国で時間に関する変更について発表があった場合、時間帯情報のアップデートを自動で受信することが可能となっています。詳細は以下から。
ここ数日の間、東京オリンピック&パラリンピックに向けて2020年の夏に時計の針を1~2時間進めてるサマータイム(夏時間/DST:Daylight Saving Time)を検討する動きがあり周囲でも話題になっていますが、サマータイムの良し悪しは別にしてAppleは2017年にリリースしたmacOS 10.13 High Sierraで時間帯情報の自動アップデートに対応しています。
東京五輪・パラリンピックに向けた暑さ対策で急浮上のサマータイム。日本ではなかなか定着してこなかった、この取り組みについてのニュースアップです。https://t.co/Sj02fSBgbA
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年8月7日
東京オリンピック・パラリンピックに向けた暑さ対策として急浮上した「サマータイム」。日本ではなかなか定着してきませんでした。どんな効果があるのか、逆に悪い影響はないのか、いろいろな視点から考えてみませんか?
時間帯情報
macOS/iOS(watchOS/tvOS含む)は他のUNIX/Linuxディストリビューション同様に「zoneinfo database」で時間帯情報が管理され、今でも日本のzoneinfoにはGHQにより1948年から1951年までの間に導入されたサマータイムの名残を見ることが出来、
#2038は2038年問題 zdump -v /usr/share/zoneinfo/Japan zdump -v /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo
これにより現在でもサマータイムがあるアメリカなどではサマータイムの始まる日に(アメリカは03月の第2日曜日)以下のように自動的にシステム時間が変更されるため、Appleは時間の自動設定機能をOFFにしたいユーザー向けにこの機能をOFFにする方法も用意しています。
iOS デバイスでは、「日付と時刻」の設定を使って、時間帯の変更や夏時間への切り替えを自動で処理できます。iOS デバイスで日付、時刻、または時間帯が間違って表示される場合や、夏時間への自動切り替えがうまくいかない場合の対処法をご案内します。
時間帯情報アップデート
話は戻りますが、もし日本政府が2020年の夏にサマータイムを導入すると発表した場合、Appleは各OSの時間帯情報をアップデートしなければならず、過去(2007年のアメリカ&カナダ)には「DST Update」が配布されたこともありましたが、
In 2007, several countries and regions will change the dates on which they observe Daylight Saving Time (DST). In the United States, all states except Arizona and Hawaii will begin observing Daylight Saving Time on March 11. Many provinces in Canada will also adjust their DST observance, as will some states and provinces in other countries.
AppleはmacOS 10.13 High SierraおよびiOS 10/tvOS 10、watchOS 3で国や地域、政府により時間帯情報の変更があった場合に備えて、最新の時間帯情報を各OSに配信し、通知する機能を導入しており、通知が表示されなかった場合もmacOSではシステム環境設定アプリ、iOS/tvOSでは設定アプリの[日付と時刻]にその趣旨が表示され、OSを再起動することで時間帯情報を受け取ることが出来るようになっています。
国や地域、政府で時間に関する変更について発表があった場合は (時間帯の変更や夏時間への切り替えなど)、以下の対応がなされます。
- Apple からお使いのデバイスに時間帯の最新情報を配信します。
- 最新の時間帯情報を利用できるようになったという通知がデバイスに表示されます。
Apple から配信された新しい時間帯情報を受け取るには、通知メッセージの「再起動」を選択してください。選択しなければ、デバイスを次回再起動した時点で最新情報が反映されます。
この様な機能はMicrosoft(Windows)やGoogle(Android)も用意しているため、最新のPCやMac、スマートフォン、ウェアラブルデバイスはサマータイムが導入されても対応できると思いますが、それでもAppleやMicrosoft(多分これも)も過去に「DST Bug」と呼ばれるサマータイムに関する機能が原因でシステム時間とカレンダー、アラームが合わなくなる不具合やDSTを反映できない不具合を出しており、
- サマータイムで日本中の電波時計がゴミになる(かも)という話 – mzsm.me
- Windowsのサマータイム対応はアップデートが必要、難題は組み込み機器 – 日経 xTECH
加えて、これらのデバイスよりも遥かに数の多い家電や組み込みデバイス、インフラシステムをシステム管理者がマニュアルでアップデートしなければいけないと考えると、個人的にはオリンピックが嫌いになりそうです。
macOS High Sierraの時間帯情報アップデート
実際に偽のzoneinfoを用意して日本の時間帯情報を変更したところ、サポートページの記載通り、以下の通りに時間帯情報をアップデートすることが出来ました。
- Mac がインターネットに接続されていることを確認します。
- Apple () メニュー → 「システム環境設定」の順に選択し、「日付と時刻」をクリックします。
- アップデートされた時間帯情報を利用できるという通知が表示される場合は、Mac を再起動します。
- 通知が表示されない場合は、システム環境設定を閉じて、数秒待ってから、再びシステム環境設定の「日付と時刻」を開きます。システム環境設定の「日付と時刻」パネルの下部付近に時間帯情報のアップデートに関するメッセージが表示された場合は、Mac を再起動して最新情報を入手します。
おまけ
また、Appleは日本時間2018年08月08日付で「iPhone、iPad、iPod touch の日付と時刻に問題がある場合」というサポートページをアップデートし、「夏時間への自動切り替えがうまくいかない場合の対処法」をより詳しく案内していますが、これはUSのサポートが07月に位置情報に関する項目を付け加えたことに伴ったアップデートで、今回の日本の話題を反映したものではないようです。
iOS デバイスでは、「日付と時刻」の設定を使って、時間帯の変更や夏時間への切り替えを自動で処理できます。iOS デバイスで日付、時刻、または時間帯が間違って表示される場合や、夏時間への自動切り替えがうまくいかない場合の対処法をご案内します。
iPhone、iPad、iPod touch の日付と時刻に問題がある場合 – Apple サポート
- iPhone、iPad、iPod touch の日付と時刻に問題がある場合 – Apple サポート
コメント