macOS 13.3 VenturaではNFC/NFD問題が再発し、濁音やアクセント記号が付いたファイルをダブルクリックしてもアプリで開けない不具合があるので注意を。

「が」というファイルの合成NFCか分解NFDか macOS 13 Ventura
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 macOS 13.3 VenturaではNFD/NFC問題が復活し、濁音やアクセント記号が付いたファイルをダブルクリックしてもアプリで開けない不具合があるので注意してください。詳細は以下から。

Appleの新しいファイルシステムAPFS

 Appleは2017年に開催したWWDC17において、同年末にリリースされるmacOS 10.13 High Sierraでは同社が開発する新しいファイルフォーマット「APFS」を正式導入すると発表しましたが、Macよりも先行してAPFSが採用されたiPhone (iOS 13.3から)では初期段階でUnicodeの正規化形式(NFD/NFC)問題により、アプリがファイルにアクセスできない不具合が確認されていました。

Adobe Acrobat Reader APFS Issue

表題の件、Acrobat Reader for mobileをiOS 10.3でご利用のお客様において、以下の現象が発生しております。
既知の問題:
ファイル名に下記の文字を使用した場合、ファイルが開かない、削除、移動ができないという問題が発生します。

  • ひらがなおよびカタカナに濁音、半濁音が付いた文字(「が」や「ぱ」など)
  • アクセント記号が付いたアルファベット(à など)

Acrobat Reader(iOS 10.3)を利用時のファイル名について – Adobe

 UnicodeやUTF-8の正規化形式は度々問題となっており、例えば「が」という文字はNFCでは「が(U+304C)」となるのに対し、NFDでは「か(U+304B)&濁点(U+3099)」となり、ファイル名にNFCの「が」とNFDの「が」をつけると、見かけ上は同じものの、ファイル名としては異なるため、上記iOS 10.3のようにシステムがファイルを参照(開けない)できなくなる場合があります。

「が」というファイルの合成NFCか分解NFDか

  • NFC : Normalization Form Canonical Composition (合成した文字)
    ▶”が.txt”は”U+304C.txt”
  • NFD : Normalization Form Canonical Decomposition (結合文字列)
    ▶”が.txt”は”U+304C&U+3099.txt”

 この問題に対処するため、AppleはAPFSでランタイム正規化手法を採用し、参照しようとしたファイルが正しく正規化されたパスにない場合、ファイルシステムが他の正規化を使用してファイルを探すようになっていますが、

APFSで新たに採用されるNFCとNFDのランタイム正規化手法

APFSで新たに採用されるNFCとNFDのランタイム正規化手法

現地時間2023年03月27日にリリースされたmacOS 13.3 Ventura (22E252)」では、ファイル名にNFC形式の文字が含まれるファイルをダブルクリックしてもファイルが参照できない(見つからない)、または、ファイルに関連付けしてあるアプリだけが起動し、ダブルクリックしたファイルが表示されない不具合が確認されています。

macOS 13.3 Venturaで開かなくなったNFCファイル

 この不具合は、同じく03月27日にリリースされたmacOS 11.7.5 Big SurやmacOS 12.6.4 Montereyでも確認されているので、iOS 10.3の時のように濁音やアクセント記号が付いた名前のファイル名を開く際には注意してください。

Twitterやコメント欄でのご指摘ありがとうございます。

追記

 もし、macOSのアップデート後に濁点やアクセント記号がついたファイルが開けない場合は、ファイルの名前を変える、または、ファイルを選択しEnterキーを押してもう一度Enterキーを押すとNFC形式の文字がNFD形式へ変換され開けるようになるはずです。

macOS 13.3 Venturaで発生しているNFCファイルが開けない問題の解決法。

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