AppleはMicrosoftとDropboxにFile Provider APIより前にプライベートAPIを提供していたようです。詳細は以下から。
Appleは現地時間2022年01月27日、開発者向けにmacOS Montereyの次期アップデートとなる「macOS 12.3」のBeta 1を公開し、同バージョンでクラウドストレージサービスのDropboxやMicrosoft OneDriveのデスクトップアプリが利用しているカーネル拡張が廃止され、AppleのFile Providerフレームワークへ移行されるために、ファイル・オンデマンドなどの機能が強制/利用できなくなると発表していますが、
Kernel Deprecations
The kernel extensions used by Dropbox Desktop Application and Microsoft OneDrive are no longer available. Both service providers have replacements for this functionality currently in beta. (85890896)macOS Monterey 12.3 Beta Release Notes – Apple Developer
Googleが2009年まで開発してたGoogle MacFUSEをポートし、macOSがデフォルトで対応していないファイルシステム(例えばNTFSやSSHFS)を利用できるようにしてくれる「macFUSE」を開発しているBenjamin Fleischerさんによると、
Apple is deprecating / phasing out the private com.apple.fileutils API that is (or was) used by Microsoft OneDrive and Dropbox. To my knowledge this is not about kernel extensions. OneDrive and Dropbox do not ship kernel extensions. The com.apple.fileutils API seems to predate the File Provider API and was made available exclusively to Microsoft and Dropbox. This means, only OneDrive and Dropbox will be affected by the changes in macOS 12.3.
MacOS 12.3 · Issue #873 · osxfuse/osxfuse – GitHub
AppleはFile Providerフレームワークの提供以前から、DropboxとMicrosoftに対しcom.apple.fileutilsエンタイトルメントというプライベートAPIを提供しており、AppleのDeveloper Forumsを見る限りでは、Microsoftは少なくとも2年前から、このプライベートAPIを利用していたようです。
Appleは以前にもZoomに対し、Zoom for iPadでSplit View表示時でも、ZoomアプリがカメラにアクセスできるようプライベートAPIを提供していた事が確認されていますが、今回も同様にDropboxとMicrosoftのみに、このAPIの使用を許可していたようで、その結果、今回はFile Provider APIへの移行でDropboxとOneDriveに様々な問題が発生しているようです。
おまけ
ちなみに、Boxなど他のクラウドストレージサービスが利用しているFUSE(macFUSE)はmacOS 12.3 Monterey Betaでも問題なく動作しているそうです。
コメント
FUSEでマウントしたファイルシステムはSpotlight検索ができないのが難点。